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【△不溶性◎水溶性】UC患者に水溶性食物繊維をオススメする理由

・潰瘍性大腸炎だけど、食物繊維を食べたら調子が悪くなる。
・潰瘍性大腸炎の人はどんな野菜や果物を食べたら良いかわからない。
・便に野菜や果物がそのまま出てきてビックリしている。
こんな方はおられませんか?
潰瘍性大腸炎の方が食物繊維のことが分からず何も考えずに食生活を送っていると、急に下痢なったり、便が詰まったりとお腹の不調を招く可能性があります。
そこで今回は、潰瘍性大腸炎歴3年でいろいろな食品を試した僕が、潰瘍性大腸炎患者には水溶性食物繊維をオススメする理由を解説していきます。
この記事を読めば、潰瘍性大腸炎患者がとるべき食物繊維や活動期に避けるべき食物繊維の種類が分かるようになり、自分のお腹の調子が良くなる食材を選択できるようになります。
もしかしたら普段抱えている腸の不調が食物繊維の摂り方を替えることで劇的に良くなる可能性もあります。
では見ていきましょう。


★【前提】食物繊維には、「水溶性」と「不溶性」の2つがある。


ファーマシスタ「食物繊維の種類・水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との違い」より引用

食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。

「水溶性食物繊維」は、その名前の通り水に溶けやすい食物繊維です。

反対に「不溶性食物繊維」は水に溶けない食物繊維です。

現代人は、「水溶性食物繊維」の方が不足していると言われます。
そして潰瘍性大腸炎の人にも「水溶性食物繊維」がオススメされます。
その理由を次に見ていきましょう!

★潰瘍性大腸炎患者には「水溶性」食物繊維をオススメする理由

◎短鎖脂肪酸を生み出し、サイトカインを抑制することができる。


太陽化学株式会社サイトより引用

腸の中では、腸内細菌が水溶性食物繊維をエサにすることで、
「短鎖脂肪酸」というものを作ります。
「短鎖脂肪酸」の効果には、
・炎症性サイトカイン(腸の病気の元)を抑制する。
・悪玉菌の働きを抑制する。
・腸のバリア機能を高める。
・全身のエネルギー源になる。
・やせ体質へ導く。
などがあります。
特に、潰瘍性大腸炎は「サイトカイン」という物質が複雑に影響しあって慢性的な炎症を引き起こすと言われています。
なので「水溶性食物繊維を食べる」→「短鎖脂肪酸が増える」→「サイトカインを抑制する」→「潰瘍性大腸炎の炎症が抑えられる」という流れになることが期待できます。

僕は再燃してしまったときに、
水溶性食物繊維である難消化デキストリンが含まれる青汁を飲んで、
固形の便に戻すことができたこともあります。

★潰瘍性大腸炎活動期に「不溶性」食物繊維をオススメしない理由

ここからは潰瘍性大腸炎活動期に不溶性食物繊維をオススメしない理由を解説しますが、
大前提として腸に炎症がない普通の人にとって
不溶性食物繊維は、腸のぜんどう運動を促進してくれたり、
有害物質を体外へ排出してくれたりします。

ただ潰瘍性大腸炎で再燃している人には、
あまりオススメできません。
その理由を見ていきましょう!

①腸の表面を刺激してしまう。

潰瘍性大腸炎の人に、不溶性食物繊維をオススメできない理由の一つ目は、
「腸の表面を刺激してしまう」からです。
不溶性食物繊維は腸の中でも解けることがないのでそのまま腸壁を刺激してしまいます。
健康な人なら、腸を刺激されて便通が改善されいいのですが、
潰瘍性大腸炎の人は炎症が起きているもしくは起きやすいので、
刺激するのは良くありません。
潰瘍性大腸炎の活動期の人が、不溶性食物繊維を食べすぎるのは、
すり傷をしているところを乾いたタオルでゴシゴシこするのと
同じようなイメージです。
そりゃ痛いですよね(笑)

②消化することが難しい。

僕は不溶性食物繊維を食べると消化できずにそのまま出てきてしまうことが多いです。消化できていないということは栄養にならずそのまま出てきているということですね。
例えば、トウモロコシやニラ、ひじきなどは良く便にそのまま出てきたことがあります。
そして便がいつもより詰まりやすかったり、逆に下痢をしてしまうこともありました。

個人的には、繊維質が多い野菜(ニラやパイナップルなど)や表面がテカテカしている野菜(トウモロコシなど)は「不溶性食物繊維」であることが多いと感じます。
そして活動期にはこれらの不溶性食物繊維はなるべくとらないようにしています。

★注意点

①「水溶性」「不溶性」両方を含む食べ物もある。

美杉会サイトより引用

潰瘍性大腸炎の方には、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維がおすすめなことをお伝えしてきましたが、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を多く含む食品もあります。
水溶性食物繊維だと思って食べたら不溶性食物繊維だったなんてこともあると思いますので、注意をしてください。
また不溶性食物繊維が多い食材の中にも、ゴボウやタケノコのように繊維が荒いものもあれば、バナナやリンゴのように繊維が細かいものもあります。
個人的には、繊維が荒いものを食べすぎると下痢をしてしまうことが多いです。
なのでいろいろな食材を試して自分に合う食物繊維を見つけてもらえればと思います。

②個人差があるので、自分に合った食物繊維を見つけよう。

ここまで「潰瘍性大腸炎の人は、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維がオススメだ」という話をしてきましたが、
最終的には、とても個人差がある問題だと思います。
僕自身も水溶性食物繊維であるひじきを食べることがありますが、
これはあまり消化されることなく便に出てきてしまいます。
反対に不溶性食物繊維が多く含まれる白菜やキャベツを食べると、
きれいな便が出ることが多いです。
なので一概に潰瘍性大腸炎の人は不溶性食物繊維はやめて、
水溶性食物繊維を摂ろうというのではなく、
自分のお腹の調子がいい時、悪い時に食べた食物繊維は何だろうと考え、
少しずつ自分のお腹のことを理解していくことが大切だと思います。


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