見出し画像

洋食店

さっきまでにぎわっていたテーブルが、あっという間に片付いて

茶色いネル地のチェックのテーブルクロスの上に

ガラス製の箸置きが、あと2つだけ

水色と赤色とが転がっているだけになった


真っ赤なセーターを着た、年配の女性は大柄で背筋が伸びており

ひとりでもくもくと、お給仕をしている


オーダーをとり食事を運び片づける足音が
店内に静かに響いている



さっきまでいた隣りの席の家族はこんなメンバー

70代前半くらいの女性は「おばあちゃん」の役

テーブルを2つつなげた「王様の席」についている

30代後半くらいの若いふた家族は

おばあちゃん役の息子家族役なのか

それともおばあちゃん役の娘家族役か

どちらも小学生に上がる前くらいの女の子が2人ずつ

総勢4人の「孫役」

「孫役」の娘たちは少食で中々食事が進まないらしい

「おばあちゃん」役がしきりに
「ケーキがもう直ぐ出てくるよ」
「早く食べてしまわないと」
「孫役」にいうのだけれど応答はない



「だってこのポテト味がしないから」
突如「孫役」その一のセリフがはなたれて

きっとマックみたいに塩分強めではないね
こちら隣の席のエキストラの私は心でつぶやく

「おだまりなさい」とか言うはずもなく
「おばあちゃん役」も「お父さん役」も「お母さん役」も
なんにも言わない
静かな食卓がもっと
シーンってする

こんな時我が子だったらなんて言ってあげるのが正解なのかな

ぼんやり運ばれてくるお料理を待ちながら思う

こちらに前菜が運ばれて息子の頼んだ
ハーブティーの花がグラスの中で開いた頃には

転がっていた箸置きも片付けられ

さっきまであった事などなかったみたい


それから1時間もたてば私達家族の席もすっかりと片付けられて

なんにもなかったみたいになる

今日は「お母さん役」と「妻役」の
「私」も「あたし」もいつかどこかへ片付く



と、11月に夫の誕生日に行った洋食屋さんのことを書いてみていたら
先週の頭くらいに、なんだか身体の不調を感じました。
一日寝ていたら回復出来る予定で休んでいたら高熱が出て
病院に行くと顔見知りの看護師さんは歌う様に
まるでゴージャスな特賞いただけたみたいに
「出ましたよう〜インフルエンザA型!うふふ」って伝えに来てくれ
先生は一回飲めば良い薬があるから「とっとと飲んじゃってね」って言われたので、子供達が罹患した時に飲んでいたお薬よりも随分楽になっており、ともかくお薬さえ「とっとと」飲んでしまえば「とっとと」回復するに違いないと思ったのですが、中々どうしてインフルエンザA型の症状のフルコース日替わりでご丁寧に堪能する一週間でありました。
思えば人生初のインフルエンザであり、ちょっぴり体重が減った事がせめてもの幸い?でありました。

一週間note から離れていたのは久しぶりで
皆さんの記事をいつものように読めておりません

少しずつゆっくり訪ねさせて下さいね。

どうぞ皆様もご自愛くださいませ。

遥華さま♪
マガジンに追加してくださりありがとうございました
「もみの木」を

最後まで読んでくださりありがとうございました。
こうして好きなこと出来ている今に感謝します。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集