さまよう三十路
三十路といわれる年齢になった。
10年ほど前、まだ学生だった頃の私にとって、20代後半は「かっこいい大人」だった。真剣に楽しみながら仕事をしていて、稼いだお金でちゃんと自立し、余裕があって、家族に恩返しをして。そう思っていた。
20代後半の今、思い描いていた姿とまったく逆の生活を送っている。
新卒で入った会社を1年で辞めた。やりたいことが無く、「受かったから」「安定しているから」で入社したものの、会社の体質や業務内容が壊滅的に合わなかった。慎重・丁寧に時間をかけてやりたいシングルタスク型の私と、迅速かつ精確・臨機応変・マルチタスクな業務。水と油だ。自己分析と就活ちゃんとやったのか。
もちろん、努力や工夫をして出来るようになること、継続することも大切。
でも、当時の私には無理だった。お客様や上司・先輩に迷惑をかけまくり、同期と比較され、できない自分を責め、元から低かった自己肯定感がマリアナ海溝レベルになった。毎日ただ必死だった。失敗するのが怖かった。心は泣いているのに、涙が出なかった。
正社員を辞めた後は飲食店のアルバイトをした。しかし、ここも同じ理由で辞めた。陰キャな私は「アットホームな職場」に馴染めなかった。
そこから3年間無職。家族に金銭的・精神的な負担をかけた。あっという間に減っていく貯金。同い年の子たちは、仕事で経験を積み重ね、趣味に没頭したり結婚したり前へ進んでいく。もうずっと仕事できないんじゃないかという焦燥感と、将来への不安。10年前の私よ、まさか無職になるとは思わないだろ。
無職になって唯一良かったのは、時間と心の余裕ができたこと。
まずは自分を顧みて、深い呼吸ができるようになった。会社員時代、反省ではなく後悔ばかりしていた。失敗の原因と改善方法を具体的に考えれば良かった。あと、寝不足が原因で頭がうまく機能していなかった。
次に、出来ることや長所に目を向けられた。今までの人生、欠点や出来ないことばかり見ていたなと反省。少しずつ、前を向けた。
断捨離と大掃除もできた。明らかに不要なものや、黒歴史、嫌な記憶にまつわるものを捨てて、今の自分に必要なものや大切なものだけが残った。今まで積もった汚れを一掃し、新しい道へ進む準備が整ったように思う。
今年に入ってフリーターにレベルアップした。バイトといえど仕事は大変だし、ミスもしたし、早起きつらい。でもやっぱり、自分で稼いだお金最高!
本当は、私は文章を書く仕事がしたい。学生の頃思い描いた「かっこいい大人」になりたい。そのために挑戦したい。
まずはnoteから。さまよう生活のなかで考えたことや感じたこと・好きなことを、ゆったり書いていく予定です。気が向いたときに立ち寄っていただけたら幸いです。よろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?