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十一代 桂 文治

この一週間というもの、落語に関する講義に挑戦していた。内容は濃いわ、講義は長いわ、で骨が折れたが、本当にとって良かった。
今後の良い趣味が増えたと満足。

幸運なことに、師匠ご本人と少しお話しさせていただいた。
観客の反応を想像し、どう場を創っているのかについての回答は

「そのお客様方がご常連なのか、ご新規が多いのか、或いはご年齢層によっても間の取り方は変えます。それから、持ち時間によっても同じ話を伸び縮みさせる。セリフを繰り返したり、はしょったりしてね。会場の規模によっても、話し方は違う。というのは、1000人目の遠いお客様が笑うまでは、少し時間があるの。前席での笑いが、じわじわと後席に伝わっていくものですからね。それを計算して、ちょっとバランスを取ったりはありますね。あと、何ていうか、空気ですね」

とのお言葉。その場、その時だけの時空をはかっているのだ。まさに、日本の芸事の職人。

「お客様から声を掛けられるときは、〇〇の会場で観た、と言われますよ。その場その場で、同じ演目でも違いはありますからね。そこが、お芝居とは違うところじゃないでしょうか。役を演じるのになりきるわけではなく、そこにいるお客様の水に合わせるわけです」

役柄の身振りなどは、様々な落語家や、志村けんさんから持ってきたりしているそう。初めてでも相当楽しめた。
落語は、寄席の現場でぜひお楽しみください。







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