見出し画像

心許せる場所

人ならぬ、場所。
人との出会いもしかりですが、初めましてから変わらず同じ居心地を感じる場所は、特に海外では貴重だと思います。
その一つが表題の場所なのです。ドフィーヌ広場|パリ観光地|パリ観光サイト「パリラマ Paris-rama」
画像は、昔懐かし使用していた "PARIS PRATIQUE" という地図から引いてきました。地図というものも、眺めると楽しいですね。今は、検索で事足りるのでめったに見ませんが。
どんな空間なのかといいますと、過去に書いたものがありまして、それを引用してみます。

フランス・パリの中心を流れるセーヌ川に、シテ島という小さな中洲がある。近隣にあるのは2019年の火災被害を被ったノートルダム大聖堂や、サン・シャペル教会であり、大勢の人々で賑わう界隈である。その土地に、常に圧倒的な静寂の中にある小さな三角形の空間がある。ドフィーヌ広場である。右岸と左岸を繋ぐポン:ヌフ橋を渡り切らずに右に折れると、突然、凪の中にいるような異空間が始まる。30年の間に、何度訪れても、一日の時間帯を変えても、常に静寂に包まれる不思議な空間である。
1607年に建設されたパリ最古のこの広場は、ポン:ヌフと裁判所に挟まれ、周囲はV字型に豪奢な民家に囲まれている。その一階のカフェやビストロに席を取っても、広場のベンチに腰掛けても、視界に入るのは三角形の地面と空間のみである。そこから醸し出される安全な独特の空気を吸い、旅人の興奮や疲れは鎮まる。パリジャン達もそっと訪れては過ごしていく。あたかも温泉に入って癒しを貰い受けるようなはこびで、ひとはこの空間から「凪」を心の中に呼吸して、一種の瞑想状態を受動的に体験する。

すぐ近くを車がぐんぐん走っているのに、ナゼか空気が変わるのです。
今はオリンピックの影響で変わっていると思いますが、わたくしにとっては、常にリラックスを感じさせてくれる場所です。
パリに行かれる方は、ぜひ訪れてみてくださいませ。

引用した文章の方は日本の場所に繋げて続けたのですが、生きているとそのような心許せる場所って、必要になってきますね。
セカンドホームのような日常的なものではなく、折々に、必要な時にだけ行って確認する場所。今は実家のないふるさと、というのもあるかもしれません。
色々あっても「悪くないじゃないか」と自身に確認させてくれるような気がします。
歳を重ねれば重ねるほど、無形の財産が増えていく。
豊かなにんげんになりたいなぁと思います。

【Londonderry Air】 人生の晩年に楽しみたい曲。 若かったころの傷や成功も、美しく同じ価値に変わる。 https://www.youtube.com/watch?v=GPYADWWenX|美恩 (note.com)


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?