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『月夜の森の梟』

グリーフ界隈の何人かがこの本の名をあげていた、好意的な受け止めをしていた。

著者も、その亡くなった伴侶の方も、失礼ながら存じ上げず、私はてっきり小説なのかと思っていて手が出なかった。

ふと思い出して調べたら図書館にあったので、取寄せてはじめてエッセイ集だと知った、しかも死別の3〜4ヶ月後からの週刊連載だったと、巻末で知る。

文筆家のなめらかなストレスのない文章、滑らか過ぎて2/3ほどまでは正直、自分とは違い過ぎて得られるものを感じられなかった。
もう、読むのやめてしまおうかな…
生真面目に頭から最後まで読む癖を、最近は半分位でリタイアする事も多くなった、全く読めない本もある。
感情移入できないまま、でも、あと少しだし…と読み切ったのは、今日が夫の4回目の命日だから。
よくよくみれば、著者が伴侶を見送ったのは、私が夫を見送った半年程前らしい…コロナ禍の時代性もほぼ丸被りだ。
そして、後ろに行くに従って、文章が泣き声として立ち上がって来て、静かな慟哭にシンクロ出来た。

母親との関係に最後まで苦しんでいたと言う、亡き藤田氏の事も気になって、著作をまた図書館にリクエスト入れた。

月夜の森の梟 (朝日文庫) https://amzn.asia/d/05wQoaGJ

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