愛人との想いで(サラリーマン転期11)
ある日、知美とメールでメッセージアプリを使ってメールのやり取りをしていた時のことだ。
ちなみに、なぜLINEでないのかと言うと過去に、妻に知美とのLINEを見られてしまい修羅場になった経緯から表向きはもう連絡をとっていない事になっている。
住んでいる地域は知美が関西、僕は関東だ。
僕:「東京に遊びにおいでよ」
軽い気持ちで私はメールを送った。
知美:「行きたーい」
かなり乗り気だったのが意外ではあった。と言うのも知美も実は、結婚を前提として付き合っている彼氏がいる。
年明けには入籍する予定だと聞いていた。
もしかすると、結婚前の思い出作りなのか。
少し前にも、かなりマリッジブルーになっているとは言っていたが。
僕:「じゃあ、東京観光ツアープランを考えておくよ!」
知美:「やったー!じゃあ、仕事の都合がついたらまた、連絡するね!」
実は、こういう旅行は結婚してから初めてではないのだ。
過去にも泊まりで九州旅行に行ったこともある。(九州旅行の話は別エピソードで紹介)
それから数日後、知美から1通のメールが届いた。
知美:「仕事の休みが取れたよ!11月と12月!」
「2回!」と内心お金の事が頭をよぎったが、しかしジェントルマンを気取っている僕は、「いいね!早く会いたいね!」と言った。
やはり、遠くから来るのだから、宿泊代と食費くらいは出してあげないといけないだろうし、かと言って東京まで来てもらって激安ツアーもどうかとも思うし・・
モヤモヤしながらもムリだとも言えなかった。
もちろん、僕は妻には出張と言って(定番の嘘)仕事を休んだ。
東京フリンプランはこのような計画になった。
・1日目
⇨待ち合せ
仕事終わり、東京駅に19時頃。知美は、仕事を早く終わらせてその足で東京に来てもらう。
⇨夕食
かなり迷ったが、せっかく東京に来てくれるので銀座でシースー(寿司)
⇨宿泊
豊洲にあるビジネスホテルに宿泊。新しくてかなりオシャレなホテルだ。
・二日目
⇨築地市場
お互い海鮮が大好きなので築地で海鮮三昧
⇨明治神宮
知美の幸せを祈る
⇨表参道
オシャレを満喫
⇨渋谷
スクランブル交差点(ミーハーなだけ)
⇨浅草
特に理由もなが、定番中の定番
どうだ、この東京満喫パーフェクトプラン!
と大口を叩いたが、そこまで東京に詳しいわけでもないので、取り敢えず王道をひだすら観光するみたいにしてみた。
彼女はそれなりに楽しみにしてくれていたようだ。
当日、仕事を終えてすぐさま東京駅に向かった。
なぜか、こんな時に限って、体調があまりすぐれない。心筋梗塞の後遺症で時々倦怠感に襲われるのだ。
神様はやはり怒っているのだろうか・・・
出会った瞬間周りの目も気にせずハグして再会を喜び合う・・
そんなことを妄想してはいたが、そんなはずもなく普通に「久しぶりー元気?」と声を掛けるのが精一杯。
「相変わらず可愛いね!」と台本のようなセリフをしっかりと吐く僕はさすが!ジェントルメンとしてはここまではじょうできだろう。
この日は、愛車のBMWに彼女を乗せて、東京の夜景が流れる中、銀座へと向かう!
すると、真っ赤なタワーが突如目の前に現れた!
知美:「すごい!東京タワーや!めちゃ綺麗⭐️」
目を輝かせて興奮していたので僕は思わず「行ってみる?」と聞いた。
知美:「うん、行ってみたい!」
急遽予定を変更して僕たちは、東京タワーを登る事にした。
時間も20時を過ぎると、平日ともあって東京タワーは、ほとんど人がいなかった。
そう!ほぼ貸切状態!これは思った以上のサプライズだ!
入場料はそこそこしたが、この状況でケチるわけもいかず、最上階までの切符を2枚購入した。
エレベーターガールの案内を聞きながら中層階へと登っていくエレベーターの中は、プラネタリウムさながらの綺麗なイルミネイションが施され、これからの感動を期待させるものだった。
中層階に到着。そこに一面、東京の夜景が広がった。まさに「ダイヤモンドを散りばめた」という比喩がピッタリだ。
知美:「わあー!!すごい綺麗⭐️」
彼女は、少し興奮気味に声を上げた。
少し、歩いて僕が「写真撮らないの?」と聞くと、知美:「うん、撮らない。まあ、一応、彼氏がいる身ですから。」
確かに、東京タワーの写真が残っているのを見られるのはと何かと問題ではある。
さらに上層階へと登って行く。
下界の宝石はどんどん広がっていく。
彼女はこの美しさに興奮したのか、携帯電話を取り出し、写真を撮り始めた。
僕:「あら、我慢できなかったんや。」
知美:「だって、こんなに綺麗やのに勿体無いやん」
そう言って、何枚も撮り始めた。
そして、ガラス越しの僕を撮ってクスクス笑う。
僕:「ガラス越しかい!」
少し苦笑いしながら、芸人ばりのツッコミを入れる。
最上階に到着した頃には彼女の興奮度もマックスで、東京の夜景に完全に心を奪われていた。
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