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(日記)京都で観光客。本屋さん。ゼリーポンチ。満月。

2023年9月29日。金曜日。晴れ。

ひとりで気ままに京都にお出かけ。
でも、どうしても今月中に行く必要があった。
編集者、文筆家の故・鈴木るみこさんと写真家、戎康友氏の共同作品、「みどりの王国」という本が発行され、それにまつわる展示を見るため。
場所は、河原町丸太町にある書店「誠光社」さん。
るみこさんは、雑誌オリーブ、を経て創刊時から初代クウネル(今は次世代と思う)の仕事に携わった。

るみこさんは、私のように活字を読まず写真だけ見る人間に、雑誌の中で“読む“愉しみを教えてくれた(会ったことのない)恩人である。
いい文章だな、と思うと、いつも「文・鈴木るみこ」とあった。
亡くなったことを知ったのは、帰国してすぐ。
まだ50歳半ばの急逝で、残念で仕方ない。
勢いで、知らない方だらけの、「るみこさんを偲ぶ会」に、一読者として出席した。
その主催者の方に今回のイベントを教えていただいた。

誠光社の店主さんに、本完成までのお話など伺ったり、マガジンハウスがるみこさんのために作った追悼文集(入手不可)を読んだりして、るみこさん唯一の自費出版だというA6判の小さな本、『山口さんの椅子・記憶』を買ってお店を出た。

ここへ到着する前に、一乗寺の「恵文社」に行った。
まだ暑い平日の住宅地は、意外にも静かでのどかだった。
ずーっと昔に住んでいた頃の、観光地を意識しない日常生活の場としての京都がそこにあった。
だ・け・ど。
今日、私は観光客。
なぜなら、断然、お買い物気分だから。

今日買った本。
* 『たやさない』vol.3 。hoka booksから出版されているA 6サイズの本。“ものづくりをつづけること“をテーマにしたエッセイ集。

* 『じゃむパンの日』(赤染晶子)どこかで薦められていたのでメモしておいた。芥川賞作家さんだそうだが、何も知らない。
帯に“岸本佐知子との「交換日記」併録“とあった、その一行で購入。

*『花の絵』(qp)キューピーと読むのかな
パッと見たら、可愛いお花のモチーフ図、みたいだけど、じゃあ描いてご覧、と言われたら絶対真似できない何かがある、アート本。
見終わる頃にまた最初から見たくなる和みの本。

他にもノートや活版印刷のラベル、今度会う友人のためにトートバッグなど購入。

私にしては、かなり気前の良い買い物だが、その前に既に別の会計を済ませていた。

一乗寺駅から恵文社さんへ向かう間にある糸のお店、AVRIL。
店頭のセール糸を買うだけ、のつもりが中に入るとカシミヤの糸で作るハンドウォーマーセットが私を待ち受けていた。
2年前、右手首を骨折してからは、手首の冷えが堪えるようになった。
「色は選べますよ」「四角く単純なメリヤス編みを編むだけです」「30%オフです」
と言われたら、もう、作るしかない。
その場で、糸を巻いてもらった。

迷う時は、お店の方のアドバイスに従うべし。

一乗寺は、ラーメン激戦地区だそうで、その一軒に入ってみた。
おじさんに挟まれて、カウンターで中華そばを食べた。
チャーシューがいっぱいで、満足した。


さて、京都を去る前に一息つきたい。
四条河原町から、阪急電車に乗る前に。
「喫茶ソワレ」。
あの青い光の中で食べる、ゼリーポンチ。
今日はそれにアイスクリームがのった、フロートにした。
初代オーナーと東郷青児がよく座っていたという席に案内された。
そこは、7年前、友人のジルたちを連れ、初めて訪れた時とも同じ席だった。
ぼんやりと見惚れながらゼリーをすくって食べる。

レインボーフィズみたい。しばし魅惑の世界。

最後の目的地、梅田の紀伊國屋に寄ったけれど、さすがに疲れてもう何も選べない。

暗くなった帰り道に、コンパクトの鏡のように輝く満月が見えた。
ああ、今日が中秋の名月だ。
曇ひとつない澄んだ空に一際明るい。

2023年9月30日。土曜日。晴れのち曇り。

昨日のその続きの月を期待して窓を開けたら、
金柑の甘露煮のように柔らかいオレンジ色の月が出ていた。

食事。焼肉定食!みたいにドカンと大盛り。カボチャの煮物もつけた。
それにお味噌汁。母のぬか漬け少々。

これから寝るまで読書三昧。

以下、ご参考までに。


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