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【N/S高政治部】初めて市議会を傍聴した高校生が若者の目線から感じたこと

みなさんはじめまして!

N/S高 政治部4期生 Dチームのショウと申します。

今回私が書くのは市議会の傍聴についての記事です。
政治部では個人活動として地方議会を傍聴することを求められるのですが、具体的にどのようなことをするのか、どんな準備をして臨むのか一つの例として私の事例を紹介していきたいと思います。


事前準備

まず、議会傍聴をするために政治部事務局から言われたのは、「議会傍聴したい地域について総合計画などを調べる」ということでした。
私は市議会を傍聴することで、自分の暮らす自治体にはどのような特徴があるのか、どんなことに力を入れているのか調べることにしました。
総合計画の中で特に気になったのは、「オーガニックなまちづくりの推進」と私にとって身近である図書館についての記載でした。
まず、市は4つの「基本的視点」を掲げており、その中の1つとしてオーガニックなまちづくりの推進というものを掲げていました。
しかし、住んでいる私にとってオーガニックのイメージが全くなかったので調べていくと、「オーガニック」というのはいわゆる有機農作物のことではなく、「持続可能な未来を創るため、地域、社会、環境等に配慮し、主体的に行動しようとする考え方」らしいということが分かりました。
ただ、具体的な政策は「学校給食米の全量をオーガニック(有機農作物)化」というもの以外明確なものが見つからず、名前として分かりにくいし、何をやりたいのか明確でないと感じました。
また、図書館をよく利用する私としては、約14万人とそれなりに人口が多い市なのに老朽化が進んだ図書館しかないことや、蔵書が少ないことなど課題が多くあると感じました。
実際に調べてみたところ、市は図書館の老朽化という課題は感じており、遊具のない公園に新しく図書館と公民館の複合芸術施設を作る予定があることを知り、新しく図書館ができることは知らなかったのでとても嬉しく感じました。
また、市の総合計画の中でDX化について様々な記載をしていますが、「若者の政治参加」についての記載が少ないなど、住んでいる市がどんなことに力を入れているのか、逆に課題と感じていないところはどこなのか、市の現状について興味関心が高まりました。

議会傍聴

総合計画などを調べ終え、あとは市議会の傍聴をするだけだったのですが、傍聴は平日しかできず他の予定と体調不良が重なってしまい、現地を観に行くことができませんでした。
ただ、議会傍聴は一部自治体ではサイト上で公開されており、私の住んでいる市でも配信されていたので、自宅でそれを観ることにしました。
オンラインで観ることのメリットは現地に行けない人が観られるのはもちろんのこと、過去の議会を振り返り、これまでにどのようなやりとりがあったのかを調べることができることです。
私も実際に観る前は知らなかったのですが、オンラインで議会傍聴をする場合、中継で観るものとは別に過去の一般質問を見ることもできます。
私は図書館に関する質問に興味があり中継で観たのですが、それとは別に市のホームページを調べてもあまり情報が出てこなかった「若者の投票率」や「政治参加」についても詳しく観ることにしました。
図書館についての一般質問で「一日図書館員体験」や「子ども司書」の取組について「それぞれ推進していく方向」という答弁があったのですが、図書館関係者のみで検討されていると思っていたので、このようなことも市議会で話し合っているのかと驚きました。
また、その後の一問一答では「図書館にSDGs関連のコーナーを設けることが可能なのか」という質問に対し、教育部長が「検討をしていく」という答弁をしたのですが、この話は本当に必要なのか疑問に感じました。SDGsについて理解を深めることが必要なのはわかりますが、それは教育部長に聞くことなのか、また今この場で質問することなのか、本当にSDGsのコーナーを作りたいなら図書館に伝えるべきことであり、目的と行動が間違っているのではないかと感じました。
ただ、その質問をしていた議員は今回の本会議でもそうですが、過去の会議を観てもとても多くの質問をしている議員で、聞きたいことを全て聞く議員なのではないかと考えました。たくさん聞くというのは何も間違ったことではなく、SDGsのコーナーを作るというのも、図書館利用者の声を議会に届けることが目的であれば納得できます。
次に「若者の投票率」についての質問を視聴したのですが、若者の政治参加について一般質問したのが前回の選挙で議員になった方で、年齢も若くそれだけで好感が持てました。質問では、若者の投票率の向上について選挙権年齢引き下げの効果から具体的な取り組みについて聞いており、市の答弁では若者の投票率の向上について年齢引き下げの効果は少ないとし、具体的な取り組みとして出前講座を挙げていました。
私はこの答弁を聞いて、若者が政治に関心がない中で出前講座を行う効果性が低いのではないか、少なくとも力を入れていないように感じました。
また、若者の投票率について5年前までの会議録を調べてみても、出前講座以外の政策が見つからず、若い世代の市政への参加推進のための政策についても、パブリックコメントや市民アンケート、ワークショップ等を通して意見を取り入れる以外に見つかりませんでした。
私もその対象者の1人としてこれらの政策は周囲の認知度が低いし、興味のある人しか参加しないのに効果があるのか疑問に思いますが、効果が出ていないのにやり続けるのはなぜなのか。個人的にはSNSなどを利用し、政治を身近にするべきだと思うのですが、なぜそういった指摘をする議員が出てこないのか気になりました。
ただ、これは議員が熱心にやっていないのが悪いということだけではないと私は思います。
なぜなら、政治家たちもどうやれば若者の政治関心が高まるのか調べようにも、若者が興味がないためちゃんとしたデータが取れずそのままになってしまうし、課題感として出てこないという悪循環というか、流れが止まってしまっているというのが大きな原因になっていると考えているからです。

議会傍聴を通して

私は恥ずかしながら、これまで議会が傍聴できる、過去どのような質問をしていたのか調べられることすら知らないほど地方議会に詳しくなかったのですが、今回オンラインで議会傍聴することで私の住んでいる市について興味関心を持ち、政治を身近に感じました。そして、私は地方議会の傍聴の魅力はまさしくそこなのではないかと思います。
国会など国政では、私たちの暮らしにも関わってはいますが、国会では大きなテーマを扱うため、当事者意識が持てないものが多いように感じます。
しかし、地方議会で話し合われるテーマは私がよく利用する図書館であったり、通っていた学校であったり、とても身近なテーマについて話し合われています。
そのため、政治に詳しくなくても「図書館のこういう部分は不便だと思っていたんだよね」とか「この議員は自分が変えて欲しいと思っているところよく指摘してくれているな」など自分の意見を持つことにもつながり、政治について考えることが楽しくなれるのです。
上記のように、私は若者の政治参加には「若者が行動すること」が必要だと考えています。これは若者だけでなく、政治に興味がない人全員に言えることだと思います。自分の住んでいる議会について調べてみたり議会傍聴することは、そこまでハードルも高くなく、何よりも政治を自分ごととして捉えられ、次の行動に結びつけやすいので、政治に興味がない方も是非行動してみて欲しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回の記事がきっかけで議会傍聴に少しでも興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
N/S校政治部マガジンでは、他にも「一風変わった街頭演説の楽しみ方」や「1年間を通したチーム活動について」など、面白い記事がたくさんありますので、併せてご覧ください。

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