あの日の☆1番星

ニュースキャスター「今日は76年に一度の彗星が観測できる日です…〜」
朝のニュース。
「今日は彗星が見れるのか〜」
そのニュースの冒頭を聴いた後に家を飛び出して学校に向かった。
今日は彗星を観測してみようと思う。
学校が終わりのチャイムが響く。
家でお母さんに頼みサンドウィッチを作ってもらった。
そうして天体望遠鏡を抱えて裏山に登った。
まだ明るいので1番に光った星を望遠鏡で覗いて観測していた。
はずだった。
「覗いた」と思うと聞こえてくるのはニュース。
内容は今朝聞いたものだが、声が違う。
視界が開けると仰向けに寝ていた。
直感的に死が近い老人になってしまったと感じる。
衰えからか声が出ない。
いろいろな機械が繋がっている。
悔しく思った。
誰かと入れ替わったのだと思った。
瞼が重くなって視界がぼやけ涙が頬で乾き意識が…亡くなった。

ニュースキャスター「今日は76年に一度の彗星が観測できる日です…〜」
あれからどのくらいが経っただろう。
小学生くらいの時彗星を見ようとしていた。
せっかくの二度目のチャンスだが、年老いて身体も動かない。
年老いた僕は技術が発展した事でもう一度あの日の1番星と彗星が見れるのでは…と思い医師に相談した。
すると過去に意識を飛ばすと言う事が出来るらしい。
自分を検体にしてもらい試す事にした。
そうして実験は成功した。
あの日の天体望遠鏡であの日の1番星を見れた。
その後彗星の観測もした。
しかし戻り方を知らない。
しょうがないのでそのまま知っている通りに事が進みまた老いた。
同じように発展して技術も同じくらい進歩した。
老いて身体が動かなくなった時、予想外の事が起きた。
思ってもいないけれど勝手に医師に相談してしまいまた過去に戻る事になった。

そうか僕は関節的に自殺をしていたのか…
研究結果も伝えられない、過去に起こった事は変わらない。
そうしてちょっとだ気持ちで夜空に浮かぶ星の様な永遠を過ごす事になった…。

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