私と死神

私はいつも普通に生きている。
周りと同じ様に流されるまま普通に…
本当はつまらない。
いつも学校に行って、勉強をして、そこそこの点を取る。
この作業がつまらない。
いつもつまらないのだ。
「生きてる意味がわからない」
ある日の下校中、呟いてしまった。
すると目の前にカマを持ったいかにも死神的な奴が現れた。
驚いて尻もちをつく。
周りを見渡すと時間が止まっている様に見える。
そしてその死神がカマをふるう。
目が覚めると近所の河川敷で寝ていた。
死ぬかもしれないと言う感覚、しかし恐怖はない。
そして家でいつも通りのルーティンで次の日を迎える。
朝起きたら雨が降っていた。
スクールバスをいつも利用しているけど、今日は歩いて行く事にした。
ふと思い出がよぎる。
幼稚園児くらいの時、お母さんとの思い出が…
幼稚園での思い出が…
時系列順で少しずつ思い出していく。
涙が…でr

居眠りで信号を無視するトラック…
押される感覚のあと、つんざく悲鳴と衝突音…
急いで起き上がる。
見ると昨日の死神がいた。
それも引かれて致命症の様だ。
駆け寄ると死神は少しずつ姿を変える。
昔、幼い頃祖父の家で飼っていた犬と似ている姿に…
「お前はいったい…?」
程なくして、警察や救急隊が到着した。
救急車でひとまず運ばれる。
その後事故なので欠席にはならないもののこの日は自宅待機となった。
家に帰ると犬がいた。
今朝の犬と似ているが少し小さく見える。
母が、「おじいちゃんのとこのワンちゃんが今朝死んじゃったんだけどおじいちゃんももう歳だからって子犬を預けてくれたの。仲良くしてあげて」
その後母が警察に行き事情を聞いてる間、犬が喋った。
「君お母さんが押さなかったら死ぬつもりだったでしょ?」
「え?どうしてそれを?」
「僕のお母さんが死神さんに頼んだんだよ!君は生きないといけない」
「…」
「僕のお母さんの分も生きてよ!」
「わかった…」
死神は、あの犬と一緒に僕を救ってくれた。
だから今度はこの子を守らないと!
その日以降犬の声は聞こえない。
けれど何を考えているかはよくわかる。
生きる指針を見つけた私はお母さんから「前よりもイキイキしてる」と言われた。
今日も私は生きている。

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