キャラバン

 ピンクに色づいた桜見物からはや2ヶ月。今では立派な緑の葉っぱが茂っている。公園で葉っぱや葉っぱが削ぎ落とされた裸の木々に見入ってしまうのはやはり変わり者だろうか。
 桜で思い出すのはさくら餅。このさくら餅、昔は嫌いだった。ついでにかしわ餅も嫌いだった。あの葉っぱのついて得も言われぬ匂いがどうも苦手だった。
 歳を重ねて匂いもあまり気にならなくなり、食べれるようになった。さくら餅、かしわ餅が好きだった祖父はニコニコしながらも少し寂しそうだったような気がする。近いうちお仏壇に供えに行こう。
 「嫌いなものは何ですか?」と問われると「自分自身(ドヤッ)」と答えていた。自分嫌いな自分好き…に酔っているのか。これに関してはきっかけは思い出せる。中学生のとき「ナルシー(ナルシシスト)」が流行ったからだ。ちょっと鼻につくことがあると「はい、ナルシー」とからかわれる。それを避けるために卑下してくぐり抜けてきた。
 時代が移り変わり、「自己肯定感」という言葉をしきりに聞くようになった。「ナルシー」を避けるために自分嫌いを続けてきた人間が自信を持ってとか言われても…
 ものは試しで時代に逆らわず、今後は「自己肯定感爆上げ」でいこうと思う。(使い方合ってるのかな…)
#創作大賞2024
#オールカテゴリ部門

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