底辺絵師がオリジナルオンリーでアカウントを育てる記録~11

SNS絵師がよく患う「描かなきゃ病」

あなたは罹っていませんか?私はたまに罹ります。
その戒めとして今回の記事を書きます。

・イラストを描いてアップすれば反応が得られる
・アップするためにイラストを描く
・沢山描けばたくさんフォロワーが増えるだろうと1枚に掛ける構想や取材を怠る

中身もメッセージもないらくがき量産アカウントの出来上がりです。
別に「こうするべき」という表現のアプローチはありません。
それでよいならどうぞ皆さんの自由です。

「なにか描かなきゃ・・・」と焦る、焦ると何も思い浮かばない。こんな感覚ありませんか?

わたしはそれを「描かなきゃ病」と呼んでいます。
本来創作物とは、「こういうシチュエーションってエモいよな・・・」とか「こういうキャラクターって良くない??」みたいな『構想や閃きを誰かに伝える際に生まれた副産物』だと考えています。
絵はそれ自体が作品のメインではなくて、込められた「エモさ」とか見たときに心を揺さぶってくる「何か」がメインではないかと思う。
その「何か」を伝えるために、人は絵を描いたり、曲を奏でたり、詩を書いたりする。
『創る』というのはその構想や閃きを形にして人に伝える『手段』であり
形にした構想や閃きを人に見せるのが『目的』
それであるなら、ついてくる賛同者やファン、アンチも含めてその創作活動の『結果』です。

何の構想や閃きもなく副産物を直接作ろうとすればそりゃ悩んで当然です。途中をすっ飛ばしてぼんやりと「フォロワーを増やしたい」と考えているならなおの事。

ただただ闇雲にイラストをアップロードすることを目的にすると陥りがちです。

人間は決まっているゴールへと進む為の道順を考えるのは得意です。
ですが、道順だけ考えてあてもなくさまようのは迷ったり時間を無駄にしたりと苦痛が伴います。
描かなきゃ病とはここでいうゴールの存在を忘れているという状態。

もし思い浮かばないなら私の思考プロセスを試してみてください

描きたいキャラクターがいる!

すばらしい
例「○○ちゃん」

まって?!このキャラクターのこんな表情を描きたい!

なるほど、かわいいかも
「泣いてる○○ちゃん」

それなら!?表情を描くためにこんなことをさせよう!

ストーリーがうまれた、見どころもいくつか増えて面白い
「アイスクリームを落として泣いてる○○ちゃん」

まだまだ!構図も考えよう

ストーリーやシチュエーションが伝わりやすくなった
「アイスクリームを落として泣いてる○○ちゃんを俯瞰で描いて、落ちてるアイスクリームも画面内に入れる」

もういっちょ!心情を表現するために色使いや背景にもこだわった演出をつけよう!

エモーショナルになった
「アイスクリームを落として泣いてる○○ちゃんを俯瞰で描いて、落ちてるアイスクリームも画面内に入れる。ロケーションは遊園地のベンチとかが良いかな?雨を降らせてより悲壮感を演出しよう。だけどあまり悲壮感を出し過ぎないように、色使いはかわいいポップなものにして○○ちゃんの可愛さとか純粋さを表現しよう」

タイトルも考えてみよう、とにかくわかりやすく!伝わりやすく!

伝わりやすくなった
『アイス落としてギャン泣きする○○』

やたらまどろっこしい「冷たい涙」とか「雨、憂鬱、命」みたいなタイトルやキャプションはやめとこう。
おそらく理解されないからだ。
見てくれる人は馬鹿ってわけではないけどフォロワーの99%は、実はあなたの絵にあまり興味がない。タイトルと絵を見比べて考察するほどあなたに掛ける時間はないのだ。
Twitterとかはぱっと見で伝わるタイトルの方が良い。
「疲れすぎておかしくなってる○○」とか「○○が初めて心を開いてくれた」みたいな。

ここで初めて資料を集めつつラフを描き始める

必要な資料は○○ちゃんとやらのキャラクター資料、泣き顔、落としたアイスクリーム、遊園地のベンチ、雨と水たまり、俯瞰の参考、色使いの参考、などなど。

タイトルは描き終えてからでもいいんじゃないの?と思うかもしれない。実際それでもいいけど、自分の場合タイトルを考えると更に描きたいイメージの解像度が上がるのでお勧めです。泣き方は「しくしく」ではなく「びえーん」とか「うわああああああん」の方がいいか、とかね。

以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
良い表現者ライフを

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