短編小説『ブレーメンと欠片探し』①
「やばい、間に合わないかも!」
反対側の道路をちょうど数人の学生たちが走って、通り過ぎていった。今日は僕の通っている高校で入学式がある。制服のスカートを折って短くしていないあたり、彼女たちは新入生ではないだろうか。まぁ、正しく制服を着ていても遅刻しそうであれば意味はないのだが、などと考えつつ僕も学校への道を歩く。そんなことより今日の昼は何を食べようか。いつもはコンビニでその日の昼食を買ってから登校するのだが、今日は少し寝坊してしまったためコンビニに行く時間がなかった。あぁ、僕