見出し画像

クコの木は、癒しの象徴

三年前、京都に住む親戚のおばさんが乳がんでこの世を去りました。私の母の姉に当たる人です。母は姉をとても頼りにしていたので、彼女の喪失は母に大きな悲しみをもたらしました。意気消沈し、仏壇に向かい合いながら涙を流すこともしばしば。

もともと心臓が悪かった母でしたが、その後、母の心臓の状態はさらに悪化し、近くのスーパーに歩いて行くのも、やっとの状態になってしまいました。

母の姉、亡くなったおばさんは、クコの実を好んで食べていました。薬膳にも使われているクコの実。乳がんであることを知り、少しでも健康な時間を長くしたいという思いがあったのではないかと思います。

「京都のおばちゃんは、クコの実が好きだったのよね。早くおばちゃんに合いたい。クコの木を植えたい。」

弱気になっている母にとって、少しでも気晴らしになればと思い、クコの木を庭に植えることを提案しました。

今年の春、ネットでクコの苗木を購入し、庭の片隅に植え付けました。
順調に育ったクコの木は、夏には花を咲かせました。


最近、クコの木に立派な赤い実が1つついているのを見つけました。

他にもたくさんの緑の実がついているのが分かりました。

「あ、クコの実が赤くなってるよ。実がついてる。」
うれしそうな母。
亡くなった京都のおばさんに、思いをはせているのが分かりました。
この小さな贈り物は、ほんのちょっとですが、母の心を温かくし、おばさんの喪失という苦しみから希望と癒しを見つける手助けとなっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?