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エシカルで繋ぐ未来への架け橋[Footwork&Network vol.25]


エシカルショップってなんだ?あまり自分と馴染みがないな。ゼミでフェアトレード、SDGsについて学んでいる中でエシカルな商品を取り扱っているお店があることを知った。エシカルという言葉から連想されるのはサステナブルであったりフェアトレードであったりオーガニックなどのワードがぱっと思いつく。そしてそれらのワードが付いている商品は値段が高く、値段の割には質がついてきてなかったりする。自分の当初のエシカルアイテムに対する偏見としては一部の使命感を持った意識の高い人が使用しているどことなく日常に馴染んでいないモノだ。サステナブル、SDGs、エシカルに興味関心を持ったところで同じゼミに所属する学生がえしかる屋というエシカルショップがあるから行ってみようと誘ってくれたので行ってみた。


えしかる屋

えしかる屋は神奈川県鎌倉市にあるエシカル・SDGs商品を取り扱うセレクトショップだ。「エシカルを日常へ」をテーマに掲げ、フェアトレードやオーガニック、廃棄物を再利用して作られるサステナブル素材の服や小物、日用品、食品を日本のみならず世界からセレクトし取り揃えている。衣から食、インテリアなど何か特定の領域に限られたものではなく本当に多種多様なエシカル商品が陳列されている。

えしかる屋を始めるまでの道のり

ここでプロデューサーの稲葉さんと店長の黒崎さんにお会いした。お二人ともとてもアットホームで商品についてや世界のエシカル事情について詳しく教えてくれた。今となってはエシカルショップを出店しているが、黒崎さんも稲葉さんも最初から今のスタンスになった訳ではなく異なる経験を経て現在に至っている。プロデューサーの稲葉さんは東京大学に進学したが学内での思想対立など人と人が分かり合えない社会に対して希望が見出せず大学を中退し引きこもりの状態になったという。しかしその後コンビニや人材紹介業での経験から「人と人が手を取り合って協力する社会」に希望を見出し、その後エシカルのみならずジェンダーなど様々な領域に足を運んで人と人を繋げる役割を担っている。店長の黒崎さんは元々テレビ業界で働いており、その後娘さんの紹介でエシカル商品を取り扱う「エシカルペイフォワード」で働くようになった。2020年にエシカルペイフォワードは閉店することになったが「エシカルを多くの人に伝えたい、繋げたい」という思いからエシカルペイフォワードで出会った稲葉さんに声をかけ2021年にえしかる屋をオープンした。

エシカルな商品とは

陳列されている商品はエシカル、サステナブル、フェアトレード、オーガニック、ジェンダーに関するものなど多岐にわたる。全ての商品に背景があってその商品を生産する前の段階から全て言語化できることがとても素敵だ。生産者側の活動自体もとても魅力的だがそれに加えて商品の質とデザイン性もとても秀逸である。仕入れの段階から生産者側と密にコミュニケーションをとり理念に共感し、素材、デザイン、縫製など商品の質を加味した上で商品をセレクトしているという。一時的で衝動的な買い物になってすぐ使わなくなる活発な「消費活動」にならないよう、商品のセレクトには妥協を許さず素材、デザイン、縫製、生産者の活動や理念、オリジナリティのあるものを仕入れ、実際の商品を手に取り購買者に心の底から本当に良い商品だと思ってもらい長く日常で大切に使用してくれればそれは理想的なフェアトレードであり結果としてサステナブルに繋がるという考えだ。お店、生産者、購買者の繋がりが強く、えしかる屋という場所を通じて誰でも気軽にエシカルについて考え、実践できるような印象を持った。

実際に購入したsalasusuの手提げバッグ


双方向の繋がり

えしかる屋は「繋がり」を強く感じられる場所だ。通常のお店では生産者のgive⇨購買者のtakeの一方向の関係性しか感じ得ない。生産者の顔もわからないし理念、背景、ストーリーを購買者が感じ得ないからだ。しかしえしかる屋では生産者と購買者のgive &takeの双方向の関係性が成り立っている。稲葉さん、黒崎さんが生産者側と直接コミュニケーションをとり理念に共感した上で商品を仕入れ、またふたりから生産者の理念、背景、ストーリーを購買者にエシカル商品を通して伝える。購買者は生産者の理念、背景、ストーリーに共感、興味関心を持ってまた繋がりが生まれる。稲葉さんと黒崎さんのお話を聞くと生産者の理念、背景、ストーリーを「伝える」ことによって購買者にエシカル商品を心の底から良い商品だと感じてもらい、またそこから購買者が「伝える」ことによって円形の循環する「繋がり」が生まれているのだと感じられる。
えしかる屋及び稲葉さんと黒崎さんはまさに人と人を繋ぐ架け橋だ。


最後に

近年になってますますエシカル商品に注目が集まっている。えしかる屋及び稲葉さん、黒崎さんは商品の背後にある物語や理念を購買者に共有し、また新たな繋がりを作ることによって生産者と購買者を繋ぐ架け橋となっている。また今回えしかる屋及び稲葉さん、黒崎さんを通じて、自分がエシカルな消費活動を日常に取り入れるための魅力的なオプションを提供してくださったことによってさらにエシカルに興味関心が湧いた。これからもえしかる屋に通ってエシカルだけでなくその外縁にあるものに関しても勉強を続けていく。


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