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【EDH】《インガとエシカ》100枚解説【レベル7】

こんにちは、かやぶきです。
以前投稿した《インガとエシカ》デッキを強化し、レベル7で戦えるくらいになったと思われるので改めて100枚解説という形で紹介します。
一応前回の記事の続きということになるのですが、先に読んできてくださいと言うのは憚られるレベルの長文でしたので、まずはそちらの要点まとめからスタートしていきます。


デッキ概要おさらい

前回記事を読んできたという方は飛ばしてくださって問題ありません。

《インガとエシカ》は自軍全体をクリーチャー呪文限定のマナクリにする能力を持ち、さらにクリーチャーからのマナ3点以上を使ってクリーチャー呪文を唱えることで1ドローを供給する統率者です。

物凄く雑に言うと、「3マナ以上のクリーチャー呪文にマナ加速とドローを追加する」という、自分のリソースを増やすことに長けたジェネラルと言えます。

この統率者は一般的には横並べからの大型呪文(たとえば《孔蹄のビヒモス》)を狙うスタイルが主流ですが、筆者は別アプローチを選択しました。すなわち、打ち消し内蔵クリーチャーコンボです。

最も効率よくドローを誘発させられる3マナクリーチャーを多く採用してマナ加速とドローを進め、《エリマキ神秘家》などの妨害クリーチャーを構え、じっくりコンボを揃えにいく戦略をとるデッキ、というのが前回です。

今回の強化ポイント

やや遅め志向のデッキでしたが、コンボルートを大幅に増やして軽いカウンター呪文も増量し、ある程度の高速環境に対応できるようにしています。代償として、殴り勝つルートはほぼ不可能になりました。
搭載コンボについては姉妹記事「【EDH】《インガとエシカ》コンボ集」を参照ください。
キルターンは運が良くて5ターンといったところです。普通なら7,8ターン前後、妨害無しで10ターン以上揃えられないこともあります。理論値は2ターンですが、非現実的な確率でしか起こらないことを語っても意味が無いと個人的には思います。
いずれにしても、レベル6以下にはほぼ何もさせずに完封してしまう可能性が十分高く、またコンボでの勝利をレベルいくつ以上から認めるか、という基準にも個人差があります。使う卓は選ばないといけません。

それでは、強化の結果どんなデッキになったのか見ていきましょう。

統率者:1枚

《インガとエシカ》

我らが主人公、マナ加速とドローソースを兼ねられる偉い神様。
ラストの無限パワーパンチか序盤のどうでも良さそうな数点以外で殴れる場面はほぼ無いので警戒付与はほぼ空気です。

クリーチャー:42枚

「(T):好きな色1色のマナ1点を加える。このマナは、クリーチャー呪文を唱えるためにしか支払えない。」
統率者のテキストにこんなことが書いてある以上、クリーチャー主体になるのは必然です。納得の42枚。クリーチャーでできることは全部クリーチャーでやりたい(レギオン)。

《ドライアドの東屋》

初手《緑の太陽の頂点》X=0で出てくる時が一番強いカード。
ここから出たマナも「クリーチャーからのマナ」になるので、緑の統率者の中でも相性は良いといえます。普通に土地として置く場合は実質タップインということになりますがなんとか許容でしょうか。

《ラノワールのエルフ》
《フィンドホーンのエルフ》
《エルフの神秘家》

マナクリの基本形。1ターン目に出せなかった場合バリューが下がりますが、勝つときは7体程度の横並べをするデッキですし、抱えておいても唱えたとき誘発とか《適者生存》の種とかでも使えます。

《極楽鳥》

青マナも出せるところが偉いマナクリ。限定的な条件ですが《ペミンのオーラ》のコンボパーツになり得ます。

《喜ぶハーフリング》

伝説の呪文は《インガとエシカ》《眷者の神童、キナン》《野生の心、セルヴァラ》《造物の学者、ヴェンセール》の4枚のみなので、残念ながらあまり好相性とは言えないカードです。統率者を打ち消せなくする1マナクリ、というだけで採用圏内とは思いますが。

《荒野の囁く者》

統率者がパワー4なので、獰猛達成を前提に動くことができます。
2マナから2マナ出るクリーチャーではありますが、少々パンチに欠ける部分は否めません。

《イリーシアの女像樹》

こちらも獰猛条件で2マナ出ますが、任意の色マナが出るため使い勝手は運泥です。獰猛+《ペミンのオーラ》だけで有色無限マナなのは実に強い。

《花を手入れする者》

もっと色の多いデッキで運用するのが普通でしょうが、2マナから2マナ出る時点でこのデッキでは採用が検討されます。
《真夜中の一撃》を食らうなどの理由で、ごく稀に3マナ出ます。

《培養ドルイド》

最初は1マナですが、条件付きで3マナ生めるようになります。低コストで+1カウンターを乗せる手段は入っていないので基本的に自身の順応能力を使うことになり割高ですが、構えたが使わずじまいになったマナ等で支払えなくはないです。

《ソンバーワルドの賢者》

色自由の3マナ加速は大きく、これが生きてターンが帰ってくるとかなり動きやすくなります。
クリーチャー呪文のみという制限は統率者と被るためデッキ自体が悪影響を抑える方向で組まれていますが、それでも一部のコンボに参加できないなど多少のデメリットを甘受したうえでの運用を強いられます。

《夢の円環のドルイド》

生ける《ガイアの揺籃の地》。凄まじい加速力を持ちますが、出るのは緑だけ。インスタントタイミングで使えるカードはだいたい青マナも要求されるので、自分のターンで寝かせてしまって問題ないケースが多いです。
クレイドルのネームバリューもあってヘイトは高いです。

《野生の心、セルヴァラ》

自陣の最大パワーは基本的に統率者の4なので、1マナ使って4マナ生成、都合3マナを生み出すマナクリと言えます。
上の能力は自分ではほぼ活用できず、対戦相手にドローを与える半ばデメリット能力と言ってよいですが、それを差し引いても色も用途も自由な3マナを生めるのは採用に値します。

《眷者の神童、キナン》

無限マナのパーツになりつつ、注ぎ先でもある。単純なマナ加速と見てもその効率はトップクラス。《インガとエシカ》の用途固定マナ生成から用途自由マナを生みだせる。それでいて2マナ。
強いことしか書いてないですね。《インガとエシカ》用に組まれているはずのこのデッキ、レシピそのままで統率者をこっちに替えたほうが強いんじゃないか疑惑すら否定できません。
なお、上の能力で追加されたマナの発生源はキナンになるので、統率者のドロー条件に問題なく算入することができます。完璧かな?

《ウッド・エルフ》
《装飾庭園を踏み歩くもの》

一般的な緑のデッキでいう《耕作》《木霊の手の内》に相当します。
《インガとエシカ》においては、ドローも狙いに行ける3マナクリーチャーであるという点でソーサリーランパンよりも優先されます。

ここまでマナ加速。ここから先は、それ以外の用途のクリーチャーをマナ総量昇順で紹介します。

《金切り声のドレイク》

古いカードは公式サイトに日本語版画像が無いのです

ETBで自分のクリーチャーバウンスを行うクリーチャーです。基本的には自身を対象に取り、他のクリーチャーの「呪文を唱えるたび」能力を何度も誘発させる役割です。この手のカードとしては最も軽いのがメリットですが、《インガとエシカ》のドローが行えないという一面もあります。

《溜め込み屋のアウフ》

アーティファクトにほとんど頼らない緑のデッキなので入れ得といえます。採用されているアーティファクトは《太陽の指輪》《魔力の墓所》《千年霊薬》のみで、《千年霊薬》で重要なのは常在型能力のほうなので、自分は全然痛くないです。

《フェアリーの黒幕》

瞬速で使えるドロソです。リスキーですが、無限マナから勝ち手段を探しに行ってもいいでしょう。
デッキ内最軽量の瞬速クリーチャーであり、《船砕きの怪物》などを誘発させるトリガーとしても使います。

《グリーン・スライム》

ちょっと変わった置物対策です。普通の破壊と違い、ETB能力や設置即起動に対処できる点で優れる反面、使えるタイミングが限定的という弱点も持ちます。
また、マナ能力は起動型能力ですがスタックに乗らないのでこれで打ち消したり破壊したりはできません。
予顕しておくと1マナで唱えることができますが、基本的には一括で3マナ払ってドローしたほうがいいと思います。絶対に即対処しないといけない置物が出てきそうだけど、3マナ構え続けるのが辛そうなとき……? そんなの予測できませんよ筆者は。

《ティシャーナの潮縛り》

《グリーン・スライム》が青くなったら、カードタイプの縛りがなくなり、破壊しないかわりに能力を失わせるようになりました。
エンチャントに対しては、能力を一度打ち消すことはできますが継続的に失わせることができないのに注意です。

余談ですが、能力を失わせる部分のせいで、2023年の新カード中で最もジャッジのお世話になったプレイヤーが多かったそうです。
筆者は今のところややこしい処理に遭遇してはいませんが、正直ちょっと使うの怖いです……。

《アボレスの落とし子》

ちょっと変わったヘイトベアー(?)。相手のクリーチャーのETB能力の恩恵を自分も受けることができます。相手側の能力を打ち消したりはしません。
最メジャーは《波止場の恐喝者》ですが、それでなくても大抵のデッキにはETB能力持ちが相当数入っているため何も仕事をしないことは稀です。

《激情の共感者》

重量級生物のサーチカードです。このデッキにあるマナ総量6以上のクリーチャー・カードは、コンボパーツである《船砕きの怪物》《潮吹きの暴君》《大樫の守護者》、低マナ域をサーチできる《森林の怒声吠え》の合計4枚です。だいたいの場合、コンボしなくても制圧力の高い《船砕きの怪物》を選択します。

《再利用の賢者》

緑のデッキにはだいたい入っている(偏見)置物対策。《インガとエシカ》のドロー効率は3マナクリーチャーが最も良いといえるので、本デッキではさらに有用です。

《永遠の証人》

これも緑を代表する汎用カードですね。3マナクリーチャーなところも非常に良い1枚です。

《幻の漂い》

マナ総量3のカードをサーチする実質ソーサリーです。変成はクリーチャー呪文ではなくクリーチャー・カードの起動型能力なので、《インガとエシカ》のマナ能力もドロー能力も適用外です。そういう意味でも実質ソーサリー。
サーチカードとしての性能は決して高くありませんが、緑も青も置物のサーチは苦手なのでこういうカードが入ってきます。幸いと言えるのかはわかりませんが、コンボのキーカードとなる置物は揃いも揃って3マナです。

《大クラゲ》

《送還》付きクリーチャーです。自分自身を能力の対象に取ることもできる(というかそちらがメイン)ので、マナさえ都合できればジェネラルの能力により無限ドローが達成できますし、それでなくても、繰り返し使える3マナ1ドローとしての用途もあります。
多くのコンボの重要なパーツですが、再利用する手段も代用品も結構あります。状況によっては他の対象に使ってしまっても構いません。

《造物の学者、ヴェンセール》

1マナ重くなって瞬速を得た《大クラゲ》という認識でだいたい大丈夫です。
バウンス対象にクリーチャー以外のパーマネントが含まれるようになったほか、呪文を対象に取ることもできますので緊急時の打ち消し(消せてない)としての用途もあります。
上家の終了ステップにとりあえず唱えて自分を戻して1ドロー、のように使うこともできますが、打ち消し(消せない)かつコンボパーツを晒していいのかはよく考えてから。

《神秘の蛇》
《エリマキ神秘家》

打ち消し能力を内蔵したクリーチャーです。
統率者戦におけるクリーチャー呪文は他タイプの呪文より打ち消しにくい傾向にあるところが良いですね。インスタントのクリーチャーサーチからこれを出せると芸術点高めですし、これを期待してキナンの能力を相手の呪文にスタックして起動するプレイングもあります。

《緻密》

クリーチャー呪文のバウンスです。想起で緊急回避しても良いですが、どちらかといえば素キャストして《神秘の蛇》らの亜種として扱うことを想定しての採用になります。

《ティムールの剣歯虎》

悪いことをします、と書いてあるカードです。呪文を唱えるたび~という能力を無限マナから無限回誘発させるのが最大の見せ場ですが、単純にETB能力持ちを再利用するだけでも結構強力です。
味方クリーチャーを手札に避難させ自身は破壊不能と、見えている全除去対策でもあります。

《造化の紡ぎ手》

土地のアンタップを行う、一般的にはマナクリと同列で扱われるクリーチャーです。しかし、こと《インガとエシカ》の場合に限っては、土地からのマナはドロー能力の足しにならないためあまり嬉しくありません。
それなのにデッキに入っているのには相応の理由があり、一つには無限マナの生成条件が比較的緩いこと。そしてもう一つが、共闘相手との噛み合いが素晴らしいことです。

《知識の紡ぎ手》

その「素晴らしい共闘相手」がこちら。4マナ2/2、7マナで2ドロー。リミテ用かな? という程度には酷いスペックですが、タップ無しにマナだけでドローできる能力がある、つまり無限マナの注ぎ先になることが大事です。そして「○○との共闘」は、戦場に出たときに相方をライブラリーから手札に加える能力。つまり、無限マナを作る人と使う人が勝手に揃ってくれるわけです。これは有能。

《種子生まれの詩神》
《暗悪鬼のしもべ》

相手のターンにも自分のクリーチャーがアンタップするようになります。
《種子生まれの詩神》ならクリーチャー以外のパーマネントも起きるようになり、《暗悪鬼のしもべ》ならサイズアップのオマケが付いてきます。
瞬速のカードをどれだけ抱えているかで強さが大きく変わりますが、機能すればゲームを畳めるだけの爆発力があります。

《シルバーバックの古老》

かの《イマーラ・タンドリス》と五分に渡り合えるスタッツを誇る大型ゴリラ。基本的には置物対策枠です。無限キャストができれば、ライブラリーの土地を全部出して相手の置物を全部割って無限ライフになります。

《チャクラムの受け手》

生きている《侵入警報》です。コストは重いわアンタップできるのは1体だけだわで性能はかなり劣りますが、クリーチャーであるためサーチが容易という唯一無二の利点があります。
なお、これも紡ぎ手たちと同様共闘能力を持っていますが、《チャクラムの投げ手》は入っていませんので相互サーチはできません。(そもそも投げ手は赤のクリーチャーです)

《森林の怒声吠え》

サーチ内蔵のクリーチャーです。「マナ総量3以下」「伝説でない」「緑」という条件がどれも結構厳しく、実際探すのは《溜め込み屋のアウフ》《イリーシアの女像樹》《激情の共感者》《ソンバーワルドの賢者》《再利用の賢者》《永遠の証人》の6択でしょうか。条件がどれか1つでも緩和されていたら、と思わざるを得ません。

《大樫の守護者》

普通に使えばクリーチャー付きのコンバットトリックですが、《ティムールの剣歯虎》と組んだときのみドローとマナとパワーとタフネスを無限にできる生物です。まあ先に戦場に出ていても問題ないので、普通にバットリとして使ってしまってよいです。

《船砕きの怪物》

自分が呪文を唱えるたび、パーマネントか相手の呪文をバウンスします。
インスタントか瞬速を持つ呪文すべてがさながら打ち消し呪文のように機能するようになるため、制圧力の非常に高いクリーチャーです。
パーマネントバウンス側を使えばETBの再利用やコンボにも活用でき、いざという時は自分を対象にとって手札に逃げることも可能。7マナの重さに見合う以上の働きをするカードです。

《潮吹きの暴君》

呪文キャストごとにパーマネントバウンスを行う、《船砕きの怪物》と似たクリーチャーです。
しかし1マナ重く、瞬速や打ち消されない能力は持たず、呪文をバウンスすることもできない、と全体的に下位互換じみた性能です(あっちが強すぎるとも言う)。
ただ唯一、バウンスできるパーマネント・タイプに制限がないという点においてのみ勝っており、無限キャスト成立の暁には対戦相手全員の盤面を土地含めて全滅させられるという魅力があります。

アーティファクト:3枚

統率者の能力的に、デッキ全体をクリーチャーに寄せることにメリットがあるため、採用数は非常に少なくなっています。躊躇いなく《溜め込み屋のアウフ》を使えますね。

《魔力の墓所》

反則じみたマナ加速アーティファクト。構築上3マナのカードが多いですが、初手から出して強いカードはそれほど多くないジレンマ。
最も強いパターンとしては、《ソンバーワルドの賢者》で2ターン目に7マナ使えたり、《リスティックの研究》でクソゲー開始したりでしょうか。

《太陽の指輪》

説明不要の、統率者戦御用達マナファクト。ここまでカードパワーが高いとさすがに抜けません。

《千年霊薬》

《金切り声のドレイク》と組んで無限キャストを行うための置物です。2マナ以上出すマナクリが多いため、アンタップ能力によって多少のマナ加速を行うことも可能ではありますが余技ですね。

エンチャント:8枚

替えの利かないコンボパーツが多く含まれます。アーティファクトもそうでしたが、クリーチャーでないパーマネントは絞っています。

《復活の探索》

《暗悪鬼のしもべ》と同様、クリーチャーのアンタップ機会を4倍にします。
有効にするためには自分のクリーチャーを累計4回タップ状態にする必要がありますが、統率者が全体にタップ能力を付与するため簡単に達成できます。
達成する際の小技ですが、使う予定の無いマナを出すなら自分のターンの終了ステップにしましょう。
メイン2でやった場合は終了ステップに無防備なタイミングができてしまいますが、終了ステップであれば何か除去を撃たれたとしても予め出しておいたマナで対応が可能です。そして終了ステップを乗り切れば、次に各プレイヤーが優先権を得るのは下家のアップキープなので、既に自分のクリーチャーはアンタップしています。

《適者生存》

何度も使える万能クリーチャーサーチです。コストには後半持て余すマナクリを使います。5マナとクリーチャーカード1枚があれば、いつでもどこでも《エリマキ神秘家》が飛び出すのはさすがにズルい。

《リスティックの研究》

青の汎用ドローソース兼マナ拘束です。1マナクリも多くいるので2ターン目設置も現実的ですし、入れない理由は無いですね。

《侵入警報》

最も条件の緩いコンボのキーカードです。コントローラーに関係なく盤面全体に影響を及ぼし、《インガとエシカ》以外でもコンボパーツとして採用されることがあります。
つまり友情コンボのおそれがあるので、最終局面以外では手札に抱えておくのが無難です。

《ペミンのオーラ》
《現実からの遊離》

貼ったクリーチャーを《カブトガニ》にする……もとい、青マナひとつでアンタップできるようにするオーラです。
青を含む2マナ以上を生むクリーチャーに付けることで簡単に無限マナを実現することができます。それ以外の用途はなく、純然たるコンボパーツです。

《豊穣の力線》

ジェネリック《眷者の神童、キナン》です。追加のマナは緑限定、マナファクトのマナ能力には反応しない、これから出たマナはクリーチャー由来ではないので《インガとエシカ》のドロー能力に寄与しない、とキナンに比べると劣る点が目立ちます。
とはいえ無限マナの発生源と注ぎ先を兼任し、統率者由来のマナ能力から用途指定なしのマナを発生させられる部分は同様。間違いなく優秀なカードです。

《予期の力線》

すべての呪文をインスタントタイミングで唱えられるようになります。元々瞬速やインスタント呪文に寄っていますが、これを貼ることで《種子生まれの詩神》等のアンタップを最大限に生かせるようになり、隙を晒すことも少なくなります。初手に無かった場合はこれ自体を貼るときの隙が気になりますが……。

ソーサリー:2枚

《心を一つに》

デッキ内のクリーチャーの内訳は、人間7と人間以外35。統率者が人間なので、大抵の場面で1マナ2ドローです。

《緑の太陽の頂点》

汎用的なサーチ呪文ですが、これ自体はクリーチャー呪文ではないため統率者のマナ能力が使えず、青単色のクリーチャーも選べません。
初手《ドライアドの東屋》のほか、《溜め込み屋のアウフ》《再利用の賢者》《永遠の証人》をシルバーバレットしたり、《種子生まれの詩神》で隙を補ったりといった使い方が主となります。
無限マナを達成しているなら《眷者の神童、キナン》を呼んでゲームエンドできますね。

インスタント:11枚

《急速混成》

《猿術》と並ぶ、青のクリーチャー除去です。代わりに与える3/3がこちらの統率者で止まるのも良いですね。

《白鳥の歌》

1マナの打ち消し呪文のひとつです。非クリーチャーであっても、アーティファクト呪文(あとPWとバトル)は対象に取れないので注意しましょう。

《俗世の教示者》

緑の汎用カードです。これだけクリーチャーの多いデッキでこれを入れない理由はありません。

《むかしむかし》

「クリーチャーか土地であるカード」はデッキの4分の3を占めるので、大体何かしら悪くないカードを引き込めます。甘えたキープを許容してくれるのが一番偉いですね。モダンパイオニアスタンダードヒストリックの4階級を制覇した実績は伊達ではありません。

《対抗呪文》

MTGにおいて最も有名な打ち消し呪文です。ダブシンがキツイとかも特にないので、普通に採用します。

《遅延》

色拘束の緩い《対抗呪文》と言ってしまってよいかもしれない1枚です。
今撃たれると致命的なカードも、3ターン後にはほとんど意味がなくなっている可能性は高く、それどころか待機が明ける前にゲームが終わっている場合も多々あります。

《サイクロンの裂け目》

青の強力なリセットボタンですが、自分のクリーチャーも対象に取れる《共に逃走》も捨てがたいものがあります。

《内にいる獣》

汎用除去です。打ち消しが多いため普通の除去にはあまり枚数を割けません。

《激情の後見》

強力な統率者ピッチスペルです。再録されたとはいえまだまだ高価ですが、価格の問題をパスできるなら採用しない手はありません。

《否定の契約》

0マナ確定カウンターとしては高層ビル《意志の力/Force of Will》もありますが、代替コストにできる青のカードの量に少々不安があるためこちらのみ採用としています。
自分のターンが回ってくる前にマナクリが焼かれて契約死というパターンも有り得ますが……そんな状況ならどのみち勝てない気がします。

《召喚の調べ》

《緑の太陽の頂点》と似ていますが、こちらはインスタントで、緑以外のクリーチャーもサーチでき、召集を持つかわり種火のコストが重いといった違いがあります。あとライブラリーにも戻りません。
インスタントであるのが最も大きく、《神秘の蛇》などのインタラプト内蔵クリーチャーを呼び出すこともできるので、打ち消し呪文の勘定に入れることも可能です。

土地:34枚

《ドライアドの東屋》はクリーチャーのカードタイプも併せ持つ関係で既に登場したので、こちらでは残りの33枚を紹介します。

《島》×6
《森》×6

基本土地は計12枚の採用です。

《統率の塔》
《繫殖池》
《ヤヴィマヤの沿岸》
《溢れかえる果樹園》
《植物の聖域》
《内陸の湾港》
《回復の温泉》
《樹皮路の小道》
《夢根の滝》
《蔦明の交錯》
《冠水樹林帯》
《反射池》
《風変わりな果樹園》

2色出る(かもしれない)土地が13枚。デュアランは持ってないです。あとクレイドルも。

《耐え抜くもの、母聖樹》

ネオ神河の魂力土地、緑は置物と特殊土地への対策です。置物だけでなく《ガイアの揺籃の地》なども割れることは重要です。
また、補填として与える土地は「基本土地タイプを持つ」なのでデュアルランドやショックランドやトライオームも可能で、タップイン指定ではないので1マナ立てさせてしまう点に注意が必要です。

《天上都市、大田原》

同じく魂力土地サイクル、青はバウンス。クリーチャー以外のカードタイプにも色々対応しています。

《カルニの庭》

《インガとエシカ》がいれば植物トークンもマナクリです。タップインですが、《森》+《ラノワールのエルフ》をやっているようなものなので問題ありません。

《ハイドラの巣》

1枚だけミシュランも採用です。無限マナからのワンパン要員でもありますが、別に回避能力があるでもないのでどちらかといえば相手の半端なサイズのクリーチャーの攻撃を牽制することが採用理由です。コンバット向きなクリーチャーが少なく、マナを立てておく場面が多いこのデッキと嚙み合っています。

《ペンデルヘイヴン》

本デッキに10体もいる1/1クリーチャーを、1~2点火力から守ることができます。主に《オークの弓使い》でしょうか。
とはいえタフ1組の中で特に守りたい《ソンバーワルドの賢者》が0/1、《夢の円環のドルイド》が2/1と絶妙に噛み合わないのが悲しみ。
まあ最悪でも実質《森》だと思えば……。

《錬金術師の隠れ家》

実質3マナ追加することで瞬速を与えることができます。効果は「次に唱える呪文」だけではなく、「このターン」の間継続します。
《種子生まれの詩神》と組むと、各対戦相手のターンに起動して悪さをし続けることも可能です。

《眷者の居留地》

獰猛条件でのドロー付き土地です。マナを構えたが呪文に使わなかった場合の振り替え先として優秀です。

《イス卿の迷路》

良いブロッカーが基本的におらず、これや《ハイドラの巣》をこれ見よがしに立てておくことでそもそも殴られにくい状況を作ることが大事です。
実は《造化の紡ぎ手》《知識の紡ぎ手》とコンボがあったりします。

おわりに

以上100枚が、現在の筆者の《インガとエシカ》デッキとなります。
とはいえ、これがベストであるなどとは露ほども思っていません。デッキの最低限の部分以外は、言ってしまえば雑多なコンボのパーツの寄せ集めに過ぎません。耐えているうちにどれか揃えばいいなぁ的な発想しかありませんので、「コンボ実験用デッキ」と位置付けるのが適当でしょうか。
これからも対戦を重ねていく過程で(おそらくコンボルートを厳選する方向に)少しずつ変わっていくことでしょうが、あくまで現在の記録、ということでここに書き残してみました。

今回も長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が貴方のMTGライフの一助となったなら、もしくは一時の娯楽を供せたなら幸いです。

2024.1.27 かやぶき


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