むずかしいことをやさしく ふかいことをおもしろく…
術後1週間、ようやく眼帯もとれて日常の生活(車の運転以外は)に復帰した。
とはいえ、まだ細かいスケッチや色彩の調整は疲れるのでイラストは過去の作品の掲載で大目にみて頂きたい。
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一人きりのランチタイムや夏の静かな海辺で過ごす時によく聴くライトミュージックのギターデュオ、ゴンチチ。
「放課後の教室」
さり気なく添えられた意味深なタイトルとシンプルなサウンドの間に広がる“余白”が醸し出す物語性。
これなどもそういう曲だ。
“マルセルでさえも”
ゴンチチの演奏動画で。
高度な音楽性とギターテクニックを持っているのだが、基本はあくまで海辺に吹く潮風のように快適でアコースティックな清涼感と軽みの世界。
その飄然たる大人の佇まいが好ましい。
だがそれはけっして容易くできることではない。
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ゴンチチの奏でる音楽を聴いていると、僕はこの言葉を思い出す。
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
ゆかいなことをいっそうゆかいに
(井上ひさし)
衒学趣味の難解で気取った表現は、けっして誰の心にも届かない。
文章や絵を人目に晒す時、僕は必ずこの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく•••」のフィルターに何度も通すよう心がけている。
※ ゴンチチのプロフィール