見出し画像

39話 体育祭開始

1週間が経ち体育祭本番の日がやってきた。
教室では先生がホームルームをしている。
「皆さん、本日は待ちに待った体育祭です。怪我のないように楽しんでください」先生がそう言うと全員が威勢よくはい、と返事をした。
「これからグラウンドに移動してもらいます。各自椅子を持って移動を開始してください」先生の指示に従ってクラスメイト達は教室を出てグラウンドへ向かって移動した。
「待って相澤くん!」僕が教室を出た時、後ろから声をかけられた。
「どうしたんですか?先生」教室は皆が移動を始めた後のため誰もいない。
「えぇ、ちょっと話があってね」
「話?あの、後にして貰えませんか?皆移動してるので」
「君、椎名さんと付き合ってるのでしょう
「なんのことですか?」なんで先生が僕ともみじの関係を知っているのか分からないけどここはとぼけておくことにした。
「とぼけるのね」
「もしかして。この前、学校の掲示板に噂を書き込んだのは先生なんですか?」
「さて、どうかしらね」これはたぶん先生の仕業で間違いないだろう。
「先生、体育祭が始まりますよ」
「そうね。また後で話しましょうか」僕は頷いて教室を出てグラウンドへ向かった。
「ふむ、やはり日本。面白いことがありそうじゃ」1人残ったニヤニヤと笑うこの人物はいったい何者なのか僕らにはまだ知る由もなかった。
「おい!相澤、何してたんだ」
「すみません、担任の先生と話をしてて遅くなりました」
「お前、何年何組だ?」
「1年1組です」
「1の1だと担任は美咲先生か」
「そうですね」
「でも、美咲先生なら開会式の時からここにいたぞ?」
「え?それはおかしいじゃないですか」ここに美咲先生がいたのならさっきまで自分が会っていたのは一体誰なんだ。
「まぁいい、早く戻れ!もう競技は始まっているぞ!」
「はい!」先生と話し終わってから僕はクラスメイト達と合流した。
「みんな!遅れてごめん」
「気にすんな!どうせ怒られてたんだろ?」
「おい、お前じゃないんだから怒られてたわけじゃないよな?相澤」
「うん、怒られてた訳じゃないよ」
「そっか!次は借り物競走だ!相澤も出るんだよな?」
「うん」僕はクラスメイトに見送られて集合場所に向かった。
『続いて、借り物競走に出場する選手は入場門に集合してください』 競走が始まるアナウンスが聞こえてきた。
「さて、勝ちに行くか」周りの人間はやる気満々だ。
「もみじも参加してるのか」
『それでは!よーいドン!』最初の障害は縄跳びだった。前飛びを10回すれば先に進めるらしい。僕は早々と縄跳びを終わらせて次に進んだ。
「次はダンボールの中に入ってまえに進むやつか」慣れない行動をするのは大変だ。少し時間がかかったが早めに抜け出すことが出来た。
「次は借り物だな」
「皆さん、この4枚のカードの中から好きなものを選んでゴールを目指してください」
「えっと、僕はこれにするかな」選んだカードは親しくなりたい人だった。近くにもみじがいたので連れていくことにした。
「もみじ!僕のお題、もみじだからちょっと付き合って貰えないかな?」
「いいよ」どうやらもみじのお題は僕じゃないらしい。僕はもみじのおかげでゴールすることが出来た。
「1年1組相澤くん、ゴールイン!」他の人もゴール出来たみたいだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?