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49話 いざ!ダンジョンへ

「おい、あんた」
「なんですか?ライアンさん」宿の部屋で寝ていると宿の従業員に起こされ目が覚めた。
「あんた、今日は早くからダンジョンへ行くって言ってただろ!今、午前8時だよ!時間大丈夫かい?」
「え?」やばい、寝坊してしまった。
「ほら、言わんこっちゃない。朝食の準備出来てるから早く食べて出発しな!」
「はい!」朝食を済ませた僕はダンジョンへ向けて町を出発した。
「ここがダンジョンの入口か。町を出てから20分と行ったところだな」
「さて、遅れてるからさっさとクリアするか」この時の僕には知る由もなかった。まさか、あんなことになるなんて。
「うわぁ、なんか気味悪いな。臭いし。それにさっきからこのダンジョン妙だ。魔物が全然いない」
『だ、、れ、か、、』
「何!?急に声が」
『最深部、、まで、、来て』
「最深部?もしかして、賢者の書の声かな。でも、書物が喋るわけないよな」とりあえず最深部まで行くことにした。
「このダンジョンどんだけ深いんだよ。潜ってからだいぶ経つぞ」そんなことを言っていたが最深部はすぐそこのようだ。
「お前、増援部隊か?」
「なんのことですか?」
「なんだ!違うのかよ」
「あの、これはいったい」
「あそこにいるモンスターが邪魔で奥に進めないんだ」
「はぁ」何言ってるんだこの人は、モンスターなんかどこにもいないじゃないか。
「頑張ってください」手伝って上げたいが肝心の敵が見えないため手伝いようが無いので失礼して先に進ませてもらった。
「やっと、最深部にたどり着いた。さて、賢者の書はっと」辺りを探すと賢者の書を見つける。僕の願いは決まっている。それは魔法を使えるようにすることだ。
『そなたは、何を願う?』
「魔法を使えるようになりたい!」
『叶えよう』すると書物が光だした。
「やっと魔法が使えるようになった」そう安心している間にダンジョンに入った時に聞こえてきた声がまた聞こえてきた。
『ようやく、、ここから、、でら、、れる』
「君、ずっと僕に声掛けてたよね?何者なのかな?」
『我は、神で、、ある』
「神様?」
『左様。ソナタには、我の使徒に、、なってもらう』
「僕が神の使徒に?そんなの無理に決まってるじゃないですか」
『何故だ』
「学生だからですよ!まだ子供だし」
『我の使徒になれば世界を渡り歩けるゆえ問題ない』
「世界を渡り歩く?世界って2つだけじゃないんですか?」
『いな、世界は全部で9つ存在する』
「なんで、あなたがそんなこと知ってるんですか」
『それは、我が作ったからじゃ』
「あなたが?世界を作った?」
『さっきから何度も言ってるじゃろ』
「なら、なんでこんな所にいるんですか」
「それはじゃな、勉強が嫌で抜け出して来たからじゃよ、本当は第三世界に行くはずじゃったのだが、あのアマめ座標をズラしおった」
「座標?」
『あぁ、魔法なしで世界を渡るには座標が分かってないといけないんじゃ』
「あなた、神様なんだから魔法使えるんですよね?」
『まぁな』
「じゃあ、なんで使わないんですか?魔法」
『その、苦手なんじゃよ魔法が。だからソナタが来てくれて助かった。これで元の世界に帰れるわい』
「あの、僕まだ引き受けるっていってませんよ」
『もちろん、報酬はだす』
「報酬?」
『世界を渡る魔法と飛行魔法。それに瞬間移動能力じゃ』
「ありがとうございます」
『さっそく、契約するかの』
「はい!」我、汝に力を与えることを誓う。汝、我に従うことを誓え!
『これで契約成立じゃ!それじゃあ、さっそく出発しようかの』
「はい!」僕はこの神様の指示に従い神様の世界に行った。
「姫様、やっと帰ってきましたか」
「悪かったのぉ」
「それで、そちらの方は?」
「向こうの世界でトラブってるところを助けて貰ったのじゃ」
「そうなのですか!ならお礼しなくては」
「礼ならしたよ!充分過ぎるほどに」
「ならいいんです」
「それより腹が減った!何かだしておくれ」
「かしこまりました」
「そういえば、まだ自己紹介してなかったの」
「そういえば、まだでしたね」
「我は9つの世界を束ねる統一神アスラ。お主は?」
「私は、トモキ・アイザワといいます。気軽にともきとお呼びください」
「そうか、ともきか!良い名じゃ」
「姫様、お待たせ致しました。食事の準備が出来ました」
「ご苦労」そこから僕たちは2時間ほど食事と会話を楽しんだ。
「神様。そろそろ帰らないと行けません。だいぶ暗くなりましたし」
「おぉ、もうそんな時間か。また遊びにかふんじゃぞ!」
「また遊びにきてもよろしいのですか?」
「もちろんじゃ」
「そのお言葉に感謝します」
「またな!」
「はい!」僕の住んでる世界でどれだけの時間が経ってるか気になるな。帰る前に領主様に依頼達成の報告へ行くことにした。
「領主様!お客様です」
「誰ですかこんな朝早くに」
「アイザワ様という方です」
「アイザワ殿?」
「領主様、このような時間にお邪魔して申し訳ありません」
「いえ、いいのですよ。それで用件は何かしら」
「ダンジョン調査、無事に完了しました」
「そうですか!良くやりました!アイザワ殿」
「ありがとうございます」
「今日は夜まで飲むわよ!」この時、この場にいる誰もがこう思ったことだろう。この人、本当に領主なのか?と。そう思うくらいに衝撃的な発言だった。
「領主様、美味しかったです。このような宴会を催していただいてありがとうございます」
「喜んでくれたのならいいのよ」
「ありがとうございます」
「それよりあなた、魔力があるわね」
「え?分かるんですか?」
「そりゃ、長い間魔法使ってますから。そんなことより、あなたは学生?」
「はい。学校に通ってるので」
「そう、ならしばらくは学校休んだ方がいいかもね」
「なんでですか?」
「明日になれば分かるわよ」領主様は僕にそう言って部屋を出ていった。
「僕も帰るか」世界を渡る者と唱えて自分の世界に帰った。
「なんか、今日は頭が痛いから早く寝よう」
翌日。
「なんか、頭痛いな」朝から頭痛がした僕は顔を洗いに洗面所え行った。
「あれ?誰だ?」僕は昨日領主様に言われたことを思い出した。
「そういえば、学校休んだ方がいいって言われたな」考えごとをしている時、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「ともき!いる?」もみじの声だ。
「どうしよう。この姿で会う訳には行かない。そうだ!」僕は創造魔法を使って元の見た目に変えた。
「おはよう!もみじ」
「もう!1週間も休んで何してたの?」
「1週間?僕そんなに学校休んでたの?」
「そうよ!皆心配してたんだから」
「そっか!心配掛けてごめんね」
「いいのよ!それより早く学校に行きましょ」
「あぁ」
「ともき、風邪ひいた?」
「ひいてないけど、なんで?」
「声が違うような」
「声変わりでもしたんじゃないか?それより遅刻するぞ!」
「あ!大変」この日、僕ともみじは遅刻した。



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