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羽生結弦選手の感性に心惹かれる

アイスショー「プロローグ」舞台裏密着SPのTwitter。

この動画、大好きで何回も見てしまいます。


羽生選手が空を見上げて

「このまま宇宙が見えねぇかな」


って、

その一言が、私にはとてもとても特別なものに聴こえました。


羽生選手は、澄んだ青空のその先に宇宙を見ている。

そのロマンティックな感性に、私はどうしようもなく心惹かれてしまいます。

彼の目には世界がどんなふうに見えているのだろう?
どんなふうに感じているのだろう?
と、興味が尽きないのです。

なので今回は、そんな羽生選手の感性についてとことん語ろうかなと思います。

いつもながら私の勝手な憶測が満載ですが笑、よろしければお付き合いください。


GIFTで語られた「月」

アイスショー「GIFT」の中で羽生選手は、
「月」をこんな風に語っていました。

月のまわりには虹ができた。
とてもきれいで、すごく儚くて。
心があたたかいもので満たされた。
そして同時に気が付いた。
月にはたくさんの傷があること。
とっても痛そう。とっても辛そう。
痛くないの?どうしてがんばれるの?
「夜になると皆が見てくれるんだ」
「つらいところなんてないよ。これが僕だから」
すごくかっこいいって思った。
僕も月みたいに強くてかっこよくなりたいって思った。

アイスショー「GIFT」より

月のクレーターを傷に見立てて、

たくさん傷ついていてもなお不平不満を言わず、
「これが僕だから」と言って
凛として光る月に憧れを抱く…。

ある意味、月の姿に感情移入しながら、
もっと強くなりたいんだと藻掻いている。
そんな主人公の心情が伝わってきます。


この地球上に暮らしていれば誰もが目にする月。
月に対する気持ちは、それこそ人それぞれです。

昔から私は星空が好きで、幼い頃はよく天体観測をしていました。
(星の知識はあんまり付きませんでしたが笑)
親にねだって買ってもらった望遠鏡で、
月のクレーターを観察するのが好きでした。

地球から遠く離れた未知の世界に想いを馳せ、色んな想像を巡らせたり、
神秘的な星空の世界を畏怖を感じながら眺めて夜を過ごしていました。

でも、月に対してかっこいいとか強いとかそんな感情を抱いたことはありませんでした。
まして、クレーターを傷だと思ったこともありませんでした。

同じ月を見ているはずなのに、羽生選手はもっと色んなことを感じとり、思考している。
その感性に驚きつつ感心してしまうのです。

「GIFT」の物語の主人公、つまり羽生選手自身は
月のようになりたいと願っていますが、
私にとってみたらもうすでに羽生選手は月みたいな存在です。

以前の自分の記事にも書いたことがあります。

羽生選手は、
暗闇の中でこそ輝く、月のような人だと。

完璧な姿だけじゃなくて、
たくさん傷ついて、苦しんでいる姿を隠すことなくありのまま見せてくれる。
悩み苦しみながらも光を見つけ出そうと努力するその姿が、ただただ美しくて尊い。

「これが僕だから」と胸を張って自分を貫き通す強さを持っている人。

だから私は、羽生選手にこんなにも強く憧れるのだなと思います。

私も、そんなふうに生きてみたい。
芯のある強さを持って生きていけたらな、と思って日々を過ごしています。
(なかなか現実は思う通りにいかないけれど)

水たまりの中の光


KOSEのインスタグラムで聴ける「みやびやかなひと刻」第二夜にて、
羽生選手が透明感について語っているのですが、
この時のお話も大変興味深いものでした。

純粋に何かを感じる姿だったり、
ひたむきに一生懸命取り組むキラキラとした姿に透明感を感じるといったお話の後、
自分自身の経験を交えたエピソードを語ってくれました。

一部引用させていただきます。

小学生の頃、台風が去った後の空がすごく好きで、
その時の地面にある水たまりもまた好きでした。
透き通るような青空の下に太陽の光でキラキラと輝いている水たまり。
なんとなく透明感を感じていました。

「羽生結弦のみやびやかなひと刻・第二夜」より

このお話を聞いた当時、羽生選手の感性を「素敵だな」と思ったものです。

すぐに影響を受ける単純な性格なので笑、それまでなんとも思っていなかった雨上がりの水たまりがとても特別なものに思えたり。

太陽の光を受けてキラキラ輝いている水たまりを見つけると、
「あぁ、これが羽生選手が感じた透明感なんだな」
と想像したりしていました。

羽生選手のおかげで、何気ない風景が鮮やかに色づいて見えてくる。
自分にはない感性に触れたことが新たな発見と感動をもたらしてくれるのです。


ちなみに…
「みやびやかなひと刻」第二夜を久しぶりに聴いて思い出しました。
最後に羽生選手が
「皆さんも身近な透明感のあるものを探して癒されてみてください」と言って終わるんですけど、

透明感?癒されるもの?
…いやいや、探すまでもない、

「それは、あなたでしょ!!!」

と即ツッコミを入れた記憶があります笑

(一生懸命でひたむきな姿に透明感を感じるって、それ全部羽生選手にあてはまることなんだけど…透明感が具現化したみたいな人だってこと、果たして本人は自覚しているんでしょうか。
さすがに自分で自分のこと透明感があるなんて言わないと思うので、無自覚なんでしょうねきっと。そういうところが好きですけど!)


この記事を書きながら、なんとなく「GIFT」で語られていた草や花、星などといった自然のことを思い出しました。

けれど自然は大好きだった。
光を浴びて、水をキラキラと輝かせて。

アイスショー「GIFT」より

あったかくてキラキラしているものたち。
透明感に溢れたものたち。
「GIFT」の主人公は、そういったものに囲まれて成長していったのでしたね。

強く憧れたり、
時には嫉妬の念すら向けたりしながら。

子どもの頃から自然に対して豊かな感性を持っていた羽生選手だからこそ、独創的で美しい物語が生み出せたのかもしれません。

公式YouTubeでのこだわり

2022年8月7日、そのお知らせは全羽生ファンに衝撃を与えました。

「羽生結弦公式YouTube開設」

競技時代は一切SNSをやらず、スマホさえ持っていなかったとされる羽生選手でしたから、突然の公式チャンネル開設のお知らせには本当に驚きました。

誰かのSNSにチラ映りした羽生選手の姿を見て「あ、元気でいるんだな」と確認することしかできなかった状況に慣れていた私にとって、本人自らが情報を提供してくれるという状況はありえない事で、全くの想定外の出来事でした。
大袈裟に書いているみたいですが、本当に当時はそのくらいの衝撃的なニュースだったんですよね。

「これがプロの世界なのか!」
と、それまでとは明らかに違う活動の流れに、自分の推し活も変化の扉の前に立たされているんだと自覚して、戸惑いつつもワクワクしていたことを思い出します。

そして、その記念すべき第一回めの投稿「はじめまして。」の日付は、8月7日。
この日付に重要な意味が隠されていました。


情報によると、この日は仙台の「七夕祭り」が開催されている時期なのだということです。
地元仙台の七夕の時期に合わせている、これだけでもロマンチックだなと思うし、動画の時間が「1分11秒」というのもものすごくこだわりを感じますが、
さらに極めつけは
BGMがもっぴーさうんどさんの「ながれぼし」という曲なのですよね。

(実は、自分のnoteのアカウント名はこの曲名をヒントにつけさせていただきました。)

仙台における七夕の日に、
1分11秒の動画で、
「ながれぼし」という曲を使用する。

このロマンを感じるこだわり。
言い方が悪いかもしれないけど、ある意味直球というか、ベタな感じ?が私にはものすごく刺さるんですよね…。

そして、こだわりを決して動画の中で表立って説明してる訳じゃなくて、気づく人にだけ気づいてほしいみたいな、そんなスタンスにもたまらなく心惹かれてしまいます。

もちろん、日付も曲名もたまたま偶然、という可能性も否定しませんが。
でも、羽生選手のやることには、ほとんど全てと言っていい程意味があると思うので。

その意味はなんだろう?何を意図しているんだろう?と考える時間が楽しくて仕方のないオタクな私です…。

音楽のセンス

羽生選手のスケートの魅力は数え上げたらキリがない程ですが、そのひとつとして
ずば抜けた音楽センスによる音ハメの技術が挙げられると思います。

音楽と一体となった彼のスケート。
それは、イヤホンをつけて見てみると特に強く伝わってきます。
視覚と聴覚に集中して彼の演技を見ると、全ての演技、振りが音楽に合っていることがより一層体感できます。

何と文章で表したら良いのか…
私の拙い語彙力ではとても書ききれない。

よく、「羽生結弦選手の身体から音楽が奏でられている」と語られているのを目にすることがありますが、それが一番表現としてしっくりくるかな。

まるで羽生選手自身が楽器になったような。
流れる音楽をそのまま羽生選手が演奏しているみたいに見えてくるのです。

フィギュアスケーターなんだけど、音楽家みたい。

さらに、
アイスショーを見ていると、羽生選手は演技以外でも音楽に没入しているなと感じることが多々あります。

ショー終わりの周回の時、
笑顔で観客に手を振る羽生選手をよく見ていると、
常に音楽を口ずさんでいたり、ノッていたりするんですよね。
リンクの真ん中で出演者全員で手を繋いで挨拶する時も、羽生選手は音楽をよく聴いて、その調べのタイミングに合わせて動いているように見えます。

他にも、
「GIFT」の最後、back numberの「水平線」が流れる中
「やっぱスケート好きでよかったです!」
と言った感動的なスピーチも、感極まって滑り出したタイミングも曲の盛り上がりに合っていたように思います。

感情のままに溢れ出そうになる言葉をまとめるために沈黙するその一瞬でさえ、
言葉を発するタイミングを音楽に合わせるために間を取っているように見えることがあります。
あの「水平線」は、羽生選手の言葉とスケートと音楽が一体となった演出で、すごく感動的でした。

羽生選手にとって、音楽はただのBGMではないんだなということがよく分かります。
演技中はもちろんの事、演技外の言動においても神経を研ぎ澄ませて、音楽を聴いて、感じて、演じている。
「羽生結弦」を表現するための大事な要素として、全てにおいて音ハメを大切にしているのかな?

それが意図的なのか、自然とそうなってしまうのかは不明ですが、
天性の音楽センス、感性が並外れているんだなと感じます。

そうやって、私たち観客の前では1秒たりとも隙を作らず「魅せて」くれる羽生選手。
だから何回見ても飽きるどころかもっともっと見たい、となってしまいます。

自分の感性を大切に

カメラが回ってる前で「このまま宇宙が見えねぇかなぁ」とナチュラルに呟くところ。

月に自分自身を重ねるところ。

子どもの頃に感じた透明感を大人になっても覚えているところ。

分かる人にしか伝わらない、秘密の暗号のようなこだわりを持っているところ。

音楽に没入する姿を惜しげもなく見せてくれるところ…。


他にも、ここには書ききれない程羽生選手の感性について心惹かれるところがまだまだたくさんあります。

私たちが今見せてもらっている羽生選手のスケートの表現は全て、彼が生まれてからずっと培ってきた感性によって生み出されたもの。

その豊かな感受性のありのままを人前で素直に表現してくれる人でよかった、と思います。

変に恥ずかしがって「人前だから」と躊躇するようなタイプではなく、
常に純粋な子どものような感覚でいられる方だから、思ったことをストレートに表現する能力に長けているんでしょうね。

(もちろん、TPOをわきまえつつ。
公の場ではいつも神対応で知られる方であることも忘れちゃいけません。)


これからも、羽生選手だけが持つ感性にますます磨きがかかり、素晴らしい芸術を生み出していってくれることでしょう。
期待しかない。

一体これからどんな「唯一無二の羽生結弦」が見られるのか…楽しみで楽しみで仕方ありません。


それと同時に、羽生選手の感性を特別だと思い、心惹かれている自分のことも、大切にしていってあげたいなって思います。

私も私の感じるままに、
他の誰が何と言おうと関係なく、
綺麗だな、美しいなと思う自分の感性をちゃんと大切にしていきたい。


そうやっていけば、いつかは私の憧れの人みたいに、芯の強い人になれるかな…?

なんて、ちょっと思ったりしてます。



終わります。

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