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毒親からのプレゼント

誕生日が近付いてきて、今年も母から「誕生日プレゼント候補の相談」の連絡が来ました。
最近は相談してくれるだけマシになりましたが、本当に要らないものしかくれない母です。


実家を出て物理的に距離を置いてから多少会話ができるようになりましたが、実家住まいの高校生までは私の存在を無視する毒親でしたので、普通の親子がするような情報共有をしないまま家を出て、基本的には会わない関係で安定しているので、母は私の趣味嗜好を知りません。私も母のことは知りません。


知らないし、早く死なないかなと思ってもいますが、子育て中の身としてはお金だけは送ってほしい。ので、母の誕生日と母の日には花と菓子折りを贈るようにしています。
何が好きか、何が必要か知らない相手には消え物一択だと思っています。


ただ、母はなぜだか絶対に残るものしか贈ってくれません。
私の生活状況のことを母なりに考えているのでしょうが、ワイン好きにワインを贈るような、こだわりを持つ分野に食い込んできて「趣味じゃねえな」と処分せざるを得ないものばかり贈られてきます。


包み紙を開ける一瞬に「なんだろう」と期待してしまって、開けてみたら「ああ・・・」とがっかりする、お手本のような期待と失望を贈られる誕生日を想像してみてください。


今まで母に(相談なしに)贈られたものリスト

・スマホショルダー

「子育て中のママの必需品」というような記事を見たのでしょうね。
でもなぜ趣味を知らない相手にいきなり柄ものを贈るのか謎です。
私の嫌いな言葉に「多機能」「2way」などがあります。いろいろ役目を持ってるものに惹かれないんですよね・・・電車にのる社会じゃないからパスケース付いてるのもすごく嫌でした。
メルカリで売れましたが、売る手間を考えたらマイナスです。


・ネイルチップ

私がジェルネイルをしているのを覚えていて「爪を綺麗にしていたいんだな」と解釈したのはわかります。
ジェルネイルユーザーがネイルチップを使わないということは知らないよね、年寄りだもんね・・・見た瞬間「うわ」と思いました。
12個セットみたいなやつで値段はそれなりにしたようですが、絶対に使わないのでメルカリへ。まあまあの値段で売れましたが、嬉しさは特にありません。


・化粧水
恐らく一人住まいの母の買い物の情報源がDoCLASSEのカタログとショップチャンネルと通販生活のみなので、そこから良さそうなものを選ぶのだと思いますが、化粧水と言うのもまた微妙です。
敏感肌だとか言いませんが、いつも使っているものを使い続けたいんだよな・・・とか、もっととろみのあるテクスチャーが好きなんだけどな・・・とか思いました。
例えばSK-Ⅱだったら嬉しいですよ。自分じゃ買えない価格帯のものだったらすげえ!となります。
でも母は吝嗇で貧乏性なので、ブランド力もなく「ちょっと良いもの」あたりの物までしか贈り物候補に入れてくれません。予算的には7000円が上限といったところでしょうか。
一応使い切ったので迷惑ではなかったですが、誕生日プレゼント嬉しいな、という気はしませんでした。


プレゼント候補に挙げられて断ったものリスト

・ミュール

私が靴大好き人間なので、母なりに良いと思ったものを提案したのでしょう。ショップチャンネルで大幅割引の日に。
私と母の趣味の乖離をこういうときに思い知ります。全然違う、全然好きじゃない、全然ほしくない。
値段が安い日に買えたらラッキーという魂胆が伝わるのもなんか嫌でした。
お断りできてまあ良かったと思います。これはメルカリでも売れないだろうしなあ・・・


・浴衣
浴衣ねえ・・・どうせ気に入らない柄を選ぶだろうし、着ないし、高いやつでもないんでしょ?とお断りしました。
まだ小さい2児を見ている私がなぜ浴衣を欲しがると思うのか。
母にしてはまともな選択ではありましたが、絶対に趣味に合わないし売れそうにないので断りました。


・雛人形
地方紙か何かでその郷土の特産雛のようなものがある、欲しければ贈ると言われたのですが、何だか安っぽく、調べてみたら1万円しないくらいのものだったので、というよりすでに娘にはそれなりの雛人形を買っていたので断りました。
「欲しければ贈ります。私なら要りませんが、あなたはどうですか」みたいな文言だったので、嫌な気分になって「要りません」と返したと思います。
なぜ余計なことをいうのか、母は皮肉を言い続けないと死ぬのだろうか、と思っていますが、ただ頭が悪いだけのような気もします。司法書士資格持ってるんだけどな。


まあ他者への共感能力が低いとか言葉選びが下手とか、勉強ができるわりに生きるのが下手な人だなと最近は憐れんでいるので、適切と思われる価格帯でこちらから希望を言って贈ってもらうのがここ数年の通例になっています。
どうにも「相手を喜ばせたい」という気概を感じないのですよね。
贈ったことに満足したいというか、自分の好みが私に通用すると過信しているというか。
ちなみにここ数年で私が希望したものは、エドワード・ホッパーの画集、レストランよねむらのクッキー缶、ルピシアのブックオブティーです。30代の女の希望としては可愛らしいと思っていますがどうなんでしょう。


自分で希望しているので、買ってくれること自体は有難いのですが、「遅れるよりは良いだろうと思ったので、今週末に届く予定で注文しました」と私の価値観の真逆を行く判断をするので、誕生日の1か月前に誕生日プレゼントが届いたりします。
私はどっちかと言えば遅れてくる方がマシだなあ・・・1ヶ月早まるよりは・・・とはまだ言えずにいます。

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