見出し画像

#4【読書録】

子どもの中学受験をぼんやりと考えているときに出会った作家、朝比奈あすかさん。まったく存じ上げなかったのですが、ネット記事をザッピングしている最中にヒットし、気になって小説に向き合ってみた。

小説を読む、なんて本当に久しぶり。どちらかというと好きなことだったのに、日々のことやほかのエンタメに押されて縁遠くなっていた。

小学6年生の主人公には教室の中での立ち位置がそれぞれにある。それを崩さぬように、はみ出さないように自分の居場所を確保する様子が繊細に描かれている。
小学生の気持ちがどうしてこんなに詳細に描けるのだろう、そして今の小学生も本当にこんなことを考えて生きているのだろうか。そうだとしたら、自分にはわからな過ぎて怖くなった。私にも小学生の子供がいる。通っている小学校で子どもはどんな振る舞いをしているのか心配になってきた。年齢が上がっていくにつれ、子どもの環境は変わっていく。親との関係性より、友達との関係性が重要になってくると知人から聞いた。自分の子供もそうなるのかな。本に出てくるような友人関係のしょっぱさを体感するのかな。

子と向き合うときいつも思うのは、参考になるのは自分の経験しかないということ。自分が小学生の時どうだったかを思い出してみる。でも状況が違いすぎていて本当に戸惑う。昔は無くて、今はあるものが増えた。たとえば、しなくていい心配事。

できればクラスの中で孤立しないようにと願う。
ただ親が思っていることなど届かないくらいの複雑な関係が教室には渦巻いているような気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?