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沈黙の闘い〜ありがとう007

今年の夏は暑かったので、いろんなところで影響が出ている。カメムシの大量発生もその一つ。

昨夜、シャワーを浴びてテーブルの前の椅子に座って一息ついていると、何やら右脚の付け根辺りがモゾモゾする。

ボクサーパンツの右の裾をゆっくりとめくる。

カメムシ…

私は何故かこの時ショーン・コネリー演じる初代007の映画のワンシーンが浮かんできた。

そのシーンとは…事件の調査で南国に赴いたボンド。ホテルの部屋で寝ていると敵の刺客が手のひら程の大きさの毒蜘蛛タランチュラを放つ。身体の上を這う気配に気付いた007。左腕辺りにタランチュラ。胸の辺りへ行こうとするタランチュラだがボンドの胸毛に嫌気が差したのか肩の方へ移動する。身体から離れるまで身動きできないボンド。タランチュラが左肩から枕に移動した瞬間跳ね除けたボンド。床に落ちたタランチュラを靴で退治し危機を脱したボンドであった…


007の遺伝子を受け継ぐ008の私。カメムシを刺激しないように動かない。左手だけはテーブルの上にある新聞紙を掴む。額からは脂汗が滲む。シャワーを浴びたばかりなのに…と余計な事が頭に浮かぶ。脚の付け根から股間へ移動するカメムシ。その進行方向にそっと新聞紙を置く。呑気に新聞紙へ移動するカメムシ。カメムシが新聞紙に完全に移動した瞬間、脱兎の如くベランダへ行き新聞紙を払う。明後日あさっての方向へ落ちていったカメムシ。危機を脱した私は額の汗を拭う。敵の罠を破り今日も生き延びた私は風呂場へと向かったのであった…

いや~それにしてもパンツを履く時よくぞ大人しくしてくれてたものよカメムシ!パンツの中で一発かまされたらと思うとおぞましすぎる。当分は着る時一振りした方がいいかもしれない。

小さい頃、テレビでよく洋画を観てたが初代ジェームズ・ボンドを観てて良かった。

ボンドとタランチュラ、私とカメムシ。レベルは違えど似たような場面に遭遇するとは…

しかし、ボンドを暗殺するためにタランチュラを使うとは…ジャック・バウアーやジョン・ウィックとは大違いである。暗殺においても昔はのんびりしていたのだ。古き良き時代というところか。

しかし、世の中は広いもので、人とタランチュラとカメムシの動画があるとは恐れ入ります。この三つ巴の関係は面白い。

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