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どうする家康 第21話 家康に過ぎたるものが三つあり 瀬名と信康に亀姫様

私のドラマの視聴パターンは二通りあります。一つはリアルタイムで視る。もう一つは録画して後で視る。

で、この「どうする家康」は後者のパターンで、かつ、途中で再生を止めては他の事をして時間をあけ再び再生という感じですね。集中力が続かないからです。

しかし、この第21話は途中で止めることなく最後まで完走できました。それくらい面白かったです。もちろん突っ込みどころも多々ありましたが、それを凌駕するくらい面白かったですね。

この回は有名なエピソードである鳥居強右衛門(すねえもん)がメインテーマでしたが、裏テーマとして女たちの戦いが描かれていましたね。

以下ネタバレありです。未見の方は御注意を。

瀬名vs千代

百戦錬磨の千代も同じ女性である瀬名の言葉には胸を抉られたようでした。千代の中で何かが確実に変わりましたね。今後の千代がどのように変化するか楽しみです。同時に、私の推しである千代の出番も多くなりそうで、そういう意味でも満足です。

ただ瀬名のセリフ「わたくしとあなたが手を結べば、何かができるんじゃないかしら。徳川のためでも、武田のためでもなく、もっと大きなことが」

気になります。うーん、危なすぎる。幕末に幕府側からも薩摩長州からも狙われた坂本龍馬並みに危なすぎる。瀬名の場合、織田武田徳川の三者から狙われる危険性がありますぞ。

この言葉(思想)が瀬名と信康の悲劇へとつながっていくのだろうか?

亀姫

千代が去った後、娘の亀姫が走り込んできます。

倒れている正体不明のものを発見したとのこと。

ここでツッコミ

(お姫様が独りでそんなところを歩くんかい!)

しかし、そんな私のツッコミは次の瞬間に別のツッコミで木っ端微塵となりました。

正体不明の生死を確かめるべく、亀姫は石をぶつけていたけど反応の無さに大きな石を抱え上げようと。

(姫!それはアカンて!ホンマに死んじゃうって!)

か細い腕で大きな石を抱え上げようとするその可憐な姿と面白さに、私のハートは射抜かれましたよ。

更に、亀姫は私に対する攻撃の手を緩めませんでした。小癪にも追い討ちをかけてきたのです。

というのは、その正体不明のものこそ長篠城から駆けてきた鳥居強右衛門であり、力尽きて倒れていたわけです。

その強右衛門のために握ったおにぎりが亀姫の顔の大きさに匹敵するかもと思えるくらいの巨大おにぎり。

(いや、それは流石に大き過ぎ!)

こんなあどけない表情でこんな巨大おにぎりを出されたら、そりゃ強右衛門も元気百倍にもなりますよね。

(今回は亀姫無双やな。亀姫にやられる予感がしました)

さすが勝頼

武田勝頼は、どうしても父信玄の名声に隠れ評価も低くなりがちです。しかし、私は勝頼の力量は信玄に勝るとも劣らなかったのではないかと思っています。ただ、時代の背景が違っていたとしか言いようがありません。

信玄は言わば地方の練習試合レベルで勝頼は全国大会レベルだったと思います。だから同じ一敗でも回復可能だった信玄と致命傷となった勝頼の差となったのでしょう。

そんな勝頼ですが、今回、その才能の片鱗を見せてくれました。

強右衛門が長篠城を抜け出たことは武田も察知しており、その旨が勝頼の元に。

「捨て置け」

と一言だけの勝頼。

この場面をさり気なく入れたことで、勝頼の聡明さと強右衛門の悲劇が強調されるんですよね。

逃亡兵?→城の兵力が減る(追うのは無駄)

岡崎城への密使?→行きより帰りの方が重要な情報を持っている可能性大

→帰りに捕縛→何らかの利用価値あり

と、一瞬で判断した勝頼の聡明さと強右衛門の悲劇、それぞれを感じさせてくれました。

邂逅

援軍として岡崎城に到着した織田信長。出迎えた家康信康父子と徳川家臣団。廊下の端には瀬名と五徳と亀。

あ~あ~遂に出会ってしまいました。信長と瀬名。これで悲劇への階段を一段上ったのですね。

援軍が遅れた事を家康に素直に詫びる信長。そして女性たちに丁寧に声をかけていく。「いつも主人がお世話になってます」てな感じで現代風な返事の瀬名に笑ってしまいました。

そして、亀には「長篠城が持っているのは姫のおかげ」と労う信長。その言葉に皆の頭の上に?マークが…

家康、またやらかしましたよね。

これは後で一騒動起こる予感。

信長vs家康ファミリー

宴席にて話しを切り出さない家康に業を煮やした信康が「舅殿」と切り出す。

嫡男信康、成長しましたね。やはり信康は頼れる兄貴でなくっちゃね。成長した信康の姿に私も嬉しくなりました。

信康は言いました。長篠城の奥平と亀姫の縁談は白紙にしてほしいと。

対して信長は徳川との同盟を白紙にし、敵となるか臣下となるかの選択を家康に迫る。

家康は言う。

「桶狭間の戦い以来わしはこの手でこの国を守ってきたんじゃ。今さらお前の臣下にならんといかんのじゃ!」

(そうだったけ!?)と私はツッコんだし、家康家臣団も心の中でツッコんだはず。

「この場で決めよ!さあさあさあさあ!どうする家康!」

スタッフたち、信長にタイトル言わせたかったんだろうなぁ。

結局、答えが出ず立ち去る信長たち。信長の足元にすがりつく大男。

(強右衛門!どっからきたんじゃ!この城の警備はどないなっとるんじゃ)

とツッコむ私を上回る速さで信長の足元に平伏す亀姫。

「お怒りをお鎮めくださいませ。亀のせいで、このようなことになってしまい申し訳ございませぬ。父上、亀はもうわがままを申しませぬゆえ、どうか仲直りしてくださいませ!亀は奥平殿のもとへ喜んで参ります!」

で瀬名もまずは長篠の救援をと取り成す。

信長もこんなかわいい姫に「仲直り」とか言われたら苦笑するしかないだろう。

「怒ってはおらぬ。余興じゃ」と亀姫に優しく言葉をかける信長であった。

「長篠は助ける」との言葉を残し立ち去る信長。

強右衛門の手を取り喜ぶ亀姫。涙する強右衛門。

まぁ男どもの幼稚な意地の張り合いは女性が間に入らないとだめなのかもしれませんね。

信長が言った通り、家臣云々は余興だったのでしょう。信長は武田を殲滅する秘策を持って援軍にきたはずだし。武田滅亡後に家康は遠江を信長から拝領したから実質的に家臣扱いだったでしょう。

亀姫と強右衛門の心の交流が描かれたので、強右衛門の最期は一層涙を誘いましたね。

ただ、この流れ、前回と似てるなあと思いました。私としては今回の流れは納得しましたし、涙を誘われましたよ。

結局、今回、家康はどうすることも出来ず、どうにかしたのは亀姫と瀬名と信康だったわけですね。家康ファミリーの優秀さと危険性を信長も感じたことでしょう。

悲劇への階段を二つ三つ上がったような回でした。

どうなる家康ファミリー!

最後に、井伊直政の演出は相変わらず好きになれない。演出家はどういう意図でああいう演出をしているのだろうか?

太刀持ちの小姓なのに軍議に口は出すし、主人の太刀の柄を持って肩に担いでるし、主人より先に織田軍を見に行ってるし。ちゃんと仕事せーよとしか思えない。役者さんが可哀想です。

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