どうする家康 第16話 感想 大河?銀河?ドラマ
うーん…どうも私は間違っていたかもしれない。何が間違っていたかと言うと、「どうする家康」という大河ドラマの見方がである。
パラレルワールド
このドラマの第1回目から感じていた違和感。回が進むにつれ乖離していく感覚。その理由が分かったのかもしれない。
それは異なる世界線ということではないだろうか。つまり、私の生きてきた世界線と「どうする家康」の描く世界線が違うということである。多次元世界、あるいはパラレルワールドなのだ。
そう考えると、私の歴史観と「どうする家康」の世界観が合わないのも理解できる。もし私がパラレルワールドへ行ってしまえば、馴染みはあるが何かが違うという感覚に襲われるだろう。このドラマを見ていると、そんな気分になってしまう。
大河ドラマではなく銀河ドラマなのだ。どこか別の銀河系に存在するであろうパラレルワールドの家康の物語と解釈し、その観点から、この「どうする家康」第16回を見ていけばいいかもしれない。
井伊直政
冒頭、踊っていた美少女が突然短刀を抜き家康に襲いかかる。その身のこなしたるや手練の忍びを思わせるほど。「もしや武田が放った歩き巫女の一人か!」などと私は思ったものである。しかし、その美女の正体は女装した井伊直政であった。
井伊直政って今川と確執があったはずで、どうして家康を恨むのだろうかと謎なのだが、この別次元の直政はそういう時間軸を過ごしたのだろう。
於大の方
於大の方は、武田の人質となっている息子の松平源三郎の安否が心配で服部半蔵を呼び出し救出を命じる。
現在、徳川家の当主である家康を差し置いて家康の家臣である服部半蔵を於大の方が直接呼び出すなんてどうだろうと思わないでもないが、私はこの演出は嫌いでもない。
と言うのも、このドラマでは於大の方は一貫して身勝手で勝気な女性として描かれており、そんな於大の方ならやりそうな事だと納得できるから。少々変な設定で筋を通してくれればね。
呼び出された服部半蔵は自分が忍びではない事を主張しつつも於大の方に押し切られており中間管理職の悲哀が出てて可笑しい。半蔵はその後にきちんと家康に話を通しているし(まぁ、そうしないとタダ働きになりかねませんしね)。
松平源三郎と嫡男武田勝頼
ここからがヘンテコリンな設定をしたため矛盾に次ぐ矛盾となっていくわけで…。
まずは源三郎ですが、家康が源三郎に武田へ人質となるように要請。
うーん、源三郎はいきなり武田の人質となってしまうとは…。本来なら今川家の人質となり武田が駿河に侵攻してきた際にドサクサに紛れ武田の人質になってしまったという経緯があったはずで。
徳川と武田は同盟関係にあったので、一方的に徳川が武田に人質を送るというのも変な話です。それなら武田からも人質をもらわないとバランスが取れませんしね。
「そんな細かいことはいいんだよ!」と突っ込まれそうですが、それなら人質として保護されるべきですが、それが山賊の砦みたいな所で手荒い扱いを受け洞穴みたいな所に住まわされている様子。
いやいやいや。
武田氏といえば清和源氏の河内源氏の一門源義光を始祖とする甲斐源氏の宗家(長い!)ですぞ。昨年度の大河ドラマでは源頼朝と覇権を争った家柄。武家の棟梁となってもおかしくありません。そんな名門の誉れ高き武田家が人質を虐待するなんて!
で、後にあれは虐待ではなくて訓練であったと。自分はまだ優遇されており一番凄かったのは嫡男武田勝頼であったと。
なんで名門武田家の嫡男が虎の穴(例えが古くてすみません)みたいな過酷な訓練を受けねばならぬのか?
おまけに嫡男!?
勝頼は四郎という通称があるように信玄の四男です。おまけに母は側室ですから嫡出でもありません。でも、この次元の勝頼は嫡男ということですね。
忍びの割には派手な立ち回りをした服部半蔵に助けられた松平源三郎。足の指を凍傷で失う重症を負いますが、結局は信玄の伝言を家康に伝えるメッセンジャーだったとは。
トホホ。源三郎が可愛そうじゃ。この必然性が全く理解できませんでした。
家康の苦悩
その信玄の伝言とは?
「弱き主君は害悪、 滅ぶが民のため。 生き延びたければ、 我が家臣になれ!」
とのこと。
いやいやいや。
それなら正式に使者を立てて決断を迫ればいいだけ。わざわざ源三郎を見逃してメッセンジャーにする必然性が分かりません。そもそも源三郎を人質に取っているのだしね。足の指を失くした源三郎が可哀想過ぎる。
こんな頓珍漢な信玄なら、そりゃ天下はとれませんよ。
で、このヘンテコリンな伝言で悩む家康。家臣一同を集め相談する始末。
いやいやいや。
姉川の戦いの時は、浅井に見方するんじゃ!って叫んでたやん。独断でね。
まぁ、その時から成長したと思えばいいのかも。
やはり別次元だと理解するのも難しいですね。
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