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オフコース

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オフコースの曲の感想等
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記事一覧

オフコース『NEXTのテーマ』から小田和正『君のこと』へ

桜の花が散り始める季節になると思い出す詩があります。 年年歳歳花相似、歳歳年年人不同 年…

淡月
1か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その7 十三夜

十三夜  彼の転帰はいきなりだった。  その夜。  消灯時間がきたので私は読みかけの本に…

淡月
6か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その6 蝉時雨

その6 蝉時雨 夏の昼下がり。  青い空に入道雲が湧き上がっていた。中庭の木々からは…

淡月
7か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その5 春セーター

その5 春セーター 春になり暖かな日が多くなると、私たちは場所を食堂のストーブから中庭の…

淡月
7か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その4 石油ストーブ

その4 石油ストーブ それから私は出来るだけ彼の側で過ごすようになった。  周りから特…

淡月
8か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その3 小春日

オフコース「思い出を盗んで」より その3 小春日 「新人さん?」    その声に私は我に返っ…

淡月
8か月前
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短編小説「思い出を盗んで」その2 冬の日の午後

オフコース「思い出を盗んで」より その2 冬の日の午後 私が彼と初めて出会ったのは一年ほど前の初冬の頃だった。 その日は小春日和で暖かな日差しが心地よかった。婦長に施設の中を案内された私は戸外ヘ出た。デッキにはベッドが十台ほど並べられており、その半分くらいに人が横たわっていた。皆気持ちよさそうに目を閉じている。  「暖かい日はなるべく日光浴してくださいね」  婦長の言葉に私は頷いた。  「この病気には紫外線が良く効きますからね。あなたは若いから

短編小説「思い出を盗んで」その1 序章

オフコース「思い出を盗んで」より 序章 部屋のドアを開けると何もなかった。正確に言うと…

淡月
8か月前
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オフコース 「NEXTのテーマ -僕等がいた-」

「流れゆく時の中で」で五人のオフコースの活動を終えた鈴木さんに対して、小田さんが五人のオ…

淡月
9か月前
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オフコース 「流れゆく時の中で」

この曲は、1982年9月29日にTBSで21時から放送されたオフコースのテレビ番組「NEXT」のサウン…

淡月
9か月前
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ドラマ「真夏のシンデレラ」とオフコース「夏の日」

今期のフジテレビの月9は「真夏のシンデレラ」 湘南で生まれ育った幼なじみの3人娘と東京在…

淡月
9か月前
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オフコース アルバム「I LOVE YOU」 哀しき街

メロディメーカー松尾一彦の面目躍如ともいえる逸品ですね。 このアルバム「I LOVE YOU」を初…

淡月
11か月前
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オフコース&小田和正「秋の気配」その1

今年は本日8月7日が立秋とのことですが、立秋とは暦の上では秋の始まりということですね。夏の…

淡月
1年前
20

オフコース&小田和正「秋の気配」その2 「夏の終り」

前回、オフコースの名曲「秋の気配」について私なりの解釈を述べたわけですが、この「秋の気配」の1年後とも言うべき情景を描いた曲があります。それが名曲「夏の終り」です。こちらも作詞作曲は小田さんです。 「秋の気配」と「夏の終り」の関係を検証する前に、もう一度簡単に「秋の気配」の情景をおさらいしておきます。 「秋の気配」は、売れていないミュージシャンの男と彼女の別れの情景を描いた作品です。舞台は「港の見える丘公園」が見えるカフェの窓際の席。男は音楽活動をまだ続けていく為には彼女