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生て遺す 第14節

冬樹の学園生活にまたマサシが加わった、まだ校内での友人は居ないが敵対者は減った。

 確実にマサシの影響だろう、他者に話し掛ける事を積極的に始めた冬樹は持ち前の特技で相手の感情を感じ取り、興味の有無を察知しては正確に話題を変える事ができた、相変わらず他者の敵対心には直球に感情をぶつけてしまう為いざこざは絶えなかったが、確実に高感度は上がって行った。

冬樹の1番の楽しみは放課後にマサシと遊ぶ事だった、服を買いに行ったり、書店に行ったり、ゲームショップに行ったり、駄菓子屋に行ったりと、遊びは方にはバリエーションがあった、行動する範囲も小学時代より広くなっていた、今なら何でも出来る気にさえなっていた。

 中学2年の夏、マサシはある事を打ち明けた、マサシの自宅から少し離れた神社の裏手、夕焼け時の人気が無い場所でマサシが取り出したのは煙草とライターだった。

第15節に続く


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