音速の鷲乗りα 05



9月某日 

〜小松基地アラート待機所〜



豊「今日は静かですね…」

理樹「そうだね…静かすぎるぐらいだよ」

樹「まぁ、こんな日もあるやろ。敵さんも休息日なんちゃうか?知らんけど」

尾上「どこからも連絡来ないですもんね。」

豊「来ないのが、1番じゃないですか?俺らの仕事って。」

尾上「それもそうだね。」

発令士官「交代で休憩しとけよ。」

樹「ええ…おやっさんこそ、寝れる時に寝た方が良いっすよ。」

発令士官「若造が何言いやがる。」

樹「へっへっへっ、老体を労ってるんすよw」

発令士官「けっ…自分の頭を労いやがれw」

豊「そういえば…直枝2尉その顔の痣はどうしたんですか?」

尾上「アグレスで殴られたんですか…?」

理樹「これのこと?これは…」

樹「飛行教導隊の訓練で付いた痣やろ?毛細血管が切れて内出血起こすって」

理樹「はい、そうです。もしかしてベアも?」

樹「まぁね、俺は背中と首筋に。」

豊「あそこって本当にヤバい所なんですね…
直枝2尉のベビーフェイスが…」

理樹「もしかしないでも、バカにしてない?」

豊「し、して無いっスよ!」

尾上「噂で聞いたんですけど、アグレッサーの機体ってクラック(ヒビ)が入る程訓練するって聞きました。」

理樹「あぁ、するよ。僕は顔だけで済んだけど…体中に痣がある人も居たね。」

発令士官「せっかくの童顔が台無しだな、」

理樹「ねぇ、皆して僕を揶揄ってる…?」

豊「アグレッサー…恐ろしいですね。俺は怖くて近寄れないっす…」

理樹「学べることも多かったよ。今度隊長に推薦しておこうか?」

豊「勘弁してくださいよ…」

尾上「そのまま、お調子者も治ると良いなw」

全員「wwwww」

待機所に笑いが起こる。やっぱルーキーはイジられキャラだな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜303飛行隊隊舎〜

風子「大崎さん、千秋ちゃんはお元気ですか?」

良樹「あぁ元気だ、306に理樹が居るだろ?理樹の娘さんとよく遊んでるよ。」

風子「直枝さんですか、では今度風子も…」

神田「ほい、風子…お前はこの訓練の報告書出しておけよ〜」バサッ

風子「大崎さん…隊長は鬼です!」

神田「そんなことねぇよ…ほら見ろ良樹だってちゃんとやってらぁ」

良樹「溜め込んだ、風子が悪い。」

竜王「はぁ…相変わらずだな、伊吹 どれ
 見してみな。」

風子「竜王1尉 ありがとうございます!」

良樹「あ、風子ずるいぞ!」

風子「人付き合いの賜物です!」

良樹「絶対違うだろ!」

浅田「仲良いですよね〜大崎2尉と伊吹3尉」

奥原「航学からの知り合いらしいからな。」

神田「ほれほれ、お前ら早く仕事片付けちまえ。帰れなくなるぜ」

一同「へ〜い。」

流石は303飛行隊 神田隊長だ。

部隊のモットーは「適度な適当」だそうだ。
303に来て1ヶ月半、俺はこの部隊の雰囲気に溶け込んでいた。

神田「どうだ?竜、この部隊は楽しいだろ?」

竜王「えぇとっても」ニッコリ

神田「それは良かった。最初は空井に反対したんじゃねぇのか?こっちに来ること」

竜王「ですね…少し反発しちゃいました。」

神田「気持ちはわからんでも無いが、アイツの想いってのも受け止めてやってくれ。」

竜王「はい。」

神田「ま、堅苦しい事は無しだ。報告書は適当に切り上げて、さっさと帰れよ。」

竜王「了解です。」

神田隊長、普段は〔ベア〕のようにのほほんとしているが空に上がると歴戦の戦闘機乗りの血が騒ぐらしい。地上と空では全然人が違う。
一度、一緒に飛んだが思わずビビってしまったくらいだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

刀堂「どうした?アシュラ 元気ないね。」

堀田「いえ…リトルのやつ元気にしてるかなって思いまして…」

銭形「アシュラは顔に似合わず心はセンチメンタルなんですね」

堀田「うるせぇ、顔は余計だッ」

刀堂「確かに彼が居ないと少し寂しいかも…」

銭形「セイバーがそう言うのも珍しいですね。明日は大雪かな?」

堀田「かも、しれねぇな。」

風間「皆 集まってくれ。戦技会についてだ…」

堀田「お、いよいよか腕がなるぜ」

銭形「今年はどの部隊が優勝しますかね。」

刀堂「俺は千歳の201か那覇の304が良いところ行きそうな気がするけど。」

園田「今年はどの隊も粒揃いです。慢心・驕りはいけませんよセイバー。」

刀堂「エデン…いや副隊長…すいません。」

園田 太一2等空佐 TACネーム(エデン)
飛行教導隊副隊長
空井、神田の同期で
303飛行隊時代にTOPGUNへ出向。
米軍のトップパイロット達を次々に撃破した。
米軍内でのあだ名は(ガンボーイ)弾丸男
恐怖の弾丸として恐れられている。

風間「エデンの言う通りだ我々に負けは許されない。肩の毒蛇髑髏(コブラマーク)の本当の怖さを奴らに教えてやるんだ。」

刀堂「了解」

堀田「でも、案外強敵は身近に居るかもですよ…隊長」

風間「あぁ…リトルの事か。あそこまで飲み込みが速いと是非うちに欲しくなるな。」

園田「リトル…彼とやる時だけは中々気が抜けませんでしたね…」

銭形「エデンがそう言うのも分かる気がします。奴こそコブラに相応しい男だ…」


    戦技会まで後2ヶ月…


       続く…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?