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flumpool 15th Anniversary Live『SINGALONG 2.0』

2008年10月1日配信デビューしたflumpool。
2023年10月6日に日本武道館で行われたflumpoolのデビュー15周年記念ライブに行ってきました。

flumpool 15th Anniversary Special Thanks Giving 『SINGALONG 2.0』at NIPPON BUDOKAN

正式なタイトル長いです。
しかしflumpoolは健在でした。
一時期彼らの音楽を聴かない時期があっても
本当に彼らはいつも。温かい。
アニバーサリーだからか激しいアップテンポの曲を次々に叩きつけ、バラードは少なめでした。新曲『泣いていいんだ』も聴けてスクリーンの映像とともに楽曲を堪能しました。


ちょうど15年前私が仕事で重大事故を起こし精神的に参っていたときにふとテレビから流れてきた曲が
『花になれ』
でした。

季節はちょうど秋。
中性的なルックスと声、なんとも憂いのある曲調が秋にぴったりでした。

いつしか私の心の傷は消え失せていました。


このバンドはどんな人たちなのだろうと興味を持ち始めました。


あれから15年。
彼らも年相応にいろんな不安やら葛藤やら複雑な思いを抱きながらただひたすら走り抜けてきた。そして迎えたこのライブ。
自然と涙が、、決して年のせいだけではない、、はず笑


ボーカルの山村くんは今こそ肩の荷が下りたような?悩み悩んで長いトンネルをくぐり抜けて解放されたような落ち着きを見せているけれど、真面目であるがゆえに壁にぶち当たることがたくさんあったんだろうな、とふと感じさせます。

デビュー曲もその次に世に出たドラマ主題歌になった曲もどちらも他の人が作曲した提供曲でした。それを演奏するって、、主に楽曲の作曲を手掛けているギターの一生くんにとっては当時いくらレパートリーが少なかった、勝負曲がなかったとはいえ非常に屈辱的だったに違いありません。

ベースの元気くんはデビューから一貫して飄々としている風に見えるのですが、一時期やる気が全く感じられませんでした。たぶん現状に満足していなかったんでしょう、バンドを辞めたかったんでしょう。
どこか投げやりに見える時がありました。

このあまりまとまりがない(ゴメン)幼なじみ三人を客観的に見ることができたただ一人、リーダーでドラムスの誠司くんはホントにこのバンドでやりたい曲をやっているのかな?もっとハイスタのような激しいロックがやりたいんじゃないのかな?と疑問に思ったことがあります。

彼らは常に逆境に立たされてきたように思います。
華やかな世界に入ったとたん配信デビューという目に見えない得体の知れない実感のなさ。外からはシンデレラ・バンドかのようにラッキーに見えていたでしょう。
事務所の猛プッシュもあり「ゴリ押し」だの「○○のバーター」だのと罵られ、整ったルックスや自分たちが作った楽曲でないからと「アイドルバンド」だと当時でもネットによるバッシングが少なからずあったように思います。
長年にわたる山村くんの声の不調(ポリープや機能性発声障害)による活動休止、「エンターテイメントは不要不急」と言われたコロナ禍で今までのようなライブが出来なかった時期。

そんな状況にも関わらず、彼らは自分たちを信じて応援してきたファンを決して蔑ろにすることはなかった。

山村くんははいつもファンに向かって言う。

「みんな優しすぎる」
「いろんなことを我慢ばかりして」
「認められなくて、評価されなくて」
「だけどきっと誰かが見てくれているよ」

その言葉。そのままそっくりあなたたちにお返しします。

こんな不器用なバンドはflumpool以外見たことがありません。

瞬時に時代をキャッチする能力はないかもしれないけど。

誰もが目を引くような真新しいところはないかもしれないけど。

いつも賢く計算高くて人を振り回すくらいの勢いがあるわけではないかもしれないけど。

2年前に事務所を離れレーベルと業務提携した時はとうとうクビになったと世間では思われたかもしれないけど。

なんか悪口に聞こえるな笑

今、ライブが出来るってことはあなたたちは確実に実力がある証拠です。

もっと堂々と自信を持ってほしい。


なーんて、すごくえらそうに言いました。
すべてはflumpoolというバンドが好きなだけです。

15周年にリリースされるベストアルバムに新たにボーカルを録り直してアレンジを変えた曲が収録されているのですが、その中でもシングルカットもされなければ特別人気というわけでもなかったであろうアルバム曲が一曲入っていました。
『僕はここにいる』という曲です。
私はこの曲の2番のフレーズが特に好きです。


   僕は僕の過去を
   否定も肯定もしない

   きっと明日だけを
   ただ見据えてきたからさ 


もう、いいかな~なんて彼らの音楽から離れようかなと思う時も多々あったんですけど、なーんかほっとけない魅力があるんですよね。なんだろ。

不思議な魅力のバンドです。

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