実はいちゃラブな『悪役令嬢レベル99 その2』
木曜はラノベ愛の日。今回は、少し前に紹介した作品の続編について語ります。因みに、前回の記事はこちらです。
今回紹介するのは、七夕さとり先生の『悪役令嬢レベル99 その2~私は裏ボスですが魔王ではありません~』です。
前作で断罪を免れた主人公ユミエラ。学校を卒業したユミエラは、伯爵位を継いでドルクネス領に戻ります。あまり目立った産業がなく借金が多めの領地を再建し、平穏な生活を手に入れるため、気合いを入れて頑張るユミエラ…ですが、やっぱり天然でズレています。そのため、次々と騒動を発生させ…と言うのが概略です。
う~ん…概略だけ読むと、何か、前作と違わないですね。
でも、安心してください。前作よりパワーアップしている部分があります。それが、ラブコメ…いや、もしかすると「いちゃラブ」かな…の要素なのです。
前作で恋人になった…と思われるパトリック・アッシュバトン。もちろん、ユミエラはパトリックの事が大好きなのですが、天然でズレている上、極度の恥ずかしがり屋なので、恋バナは一向に進みません。
でも読んでいると、ズレているなりに、いちゃいちゃしている印象を受けます。何と言いますか、ラノベ世界で言う「痛い子」的な展開なのですが、いちゃいちゃしている感じも強いって言いますか…。
前作は、かなりカチッとまとまった作品でした。伏線なども概ね回収され、あれ1作で終わっている感じの作品です。ですから、続編を書くとなると新しい要素を入れる必要があり、それがラブコメ(いちゃラブ)要素の増強なのでしょう。
私は、これは概ね上手くいっていると思いました。ユミエラとパトリックの間で、まるで漫才みたいな会話がなされる時があるのですが、天然要素とラブコメ要素が混ざっているので、そんなに無理なく読み進める事が出来たからです。
話のまとまりは前作の方が上だと思いますが、楽しく気軽に読めるライトノベルに仕上がっていると思います。
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