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【創作大賞感想文】白い春〜君に贈る歌〜

仲川光さんと三鶴さんの共作小説「白い春〜君に贈る歌〜」を読みました。


もう色んな方が感想文を書いていますし、私が今更ごにょごにょ言おうが大した応援にはならないと思うのですが、私の感じたことを書かせてください。

【あらすじ】
三浦蓮(38歳)は、ホスピスで働く作業療法士。
人生への違和感があり、仕事を辞めたいと思っていた矢先、甲状腺がんを抱えた上野紗良(33歳)が入院してくる。
ある時、紗良は密かに蓮のエッセイ集を読み、アーティストだった過去を知る。
ホスピスでの日々を日記に綴る中で、紗良はある夢を抱くようになる。
死の瞬間が刻々と近づく中、病院祭がやってきて……。
余命わずかの紗良と、夢を諦めた蓮。
2人が出会った時、起きる奇跡は?

原作より引用


2ヶ月に渡る長編。本編だけで21本。
2人のnoterさんが今作で初めての共作。
それぞれが書いた作品を融合して一つの小説に。
そして光さんがこれまで作られた詩なども盛り込まれている。

まさに異色ずくめと言っていいと思います。

その存在は知っていたものの、noteで長編を読む時間なんて無いと言い訳にしていた私。
実はこの作品を読んだのはかなり後になってからです。

もしかしたら、この感想を読んでくださる中にもまだ読んでない、って方がいらっしゃるかもしれません。


そんなあなた、是非読んでください。


泣きます。
そして絶対後悔しません。


読み終わった私の中にある感情を書きます。

感動。
寂しさ。
愛。
暖かさ。
切なさ。
やる気。
希望。

作家のお二人に対しては、

尊敬。
感謝。
愛。


この辺りの感情がごちゃ混ぜになって襲ってきます。それはもう強烈に来ます。

私も物語が進みラスト直前になると当然身構えました。

この後起こる展開に心を持って行かれて日常生活に影響が出るのは困りますもの。


それなのに、


それなのに、最終回の最後の数行で完全に打ちのめされました。


それは実に静かに、優しく、それでいて力強く、感情を揺さぶられます。



あれだけ心の準備したのに…


でも好き…。



この感情をまだ味わってないラッキーなあなた。

是非とも味わって欲しいです。



さて、ここからはネタバレしない程度にもう少しだけ書かせていただきます。

私にはこの作中のレンのような苦しい過去も、打ちのめされるような現実も体験したわけではありません。そしてレンにとっての音楽、つまり自身を輝かせる特別な武器も持ってはいません。


それでもレンという人物に強く共感しました。


レンは繊細で優しい人物として描かれています。
決して無敵のヒーローではありません。


自分自身が光を与える存在ではなく、影として光を際立たせる存在であれ。


利他の心。思いやる心。その優しい心を人一倍持ちながら、優しすぎるが故に傷つきやすい。


そんなレンの人生に現れた紗良という存在。
まさに光の象徴のような明るく可愛らしい女性。

でも出会った場所はホスピス。


いつかは訪れる結末にゆっくりと向かう中で、変わらず紗良と向き合うレンに私はすごく感情移入しました。


途中出てくる憧れのスターSeijiという人物も実にロックでかっこいい。



全てのピースがはまって物語はリアルな世界として展開されていく。


読みながら、途中何度も思いました。

これ、ほんとに2人で別々に書いてるの?


それくらい息ぴったりでした。


気付けば時間を忘れて読んでいる自分がいました。


そして、全てを持って行かれるラスト。





素敵な映画を見終わったような満足感。


いや、ほんとに映像化されて音楽も付いたなら。


いやいや、それは本当にこの世界から抜けられなくなるかも。

でも抜けられないのもいいかもしれない。


それくらい素敵なお話でした。



> 光さん、三鶴さん


ありがとうございました。
noteをやっててこの作品に出会えてよかったです。


また、機会があったらお二人の別の作品も読みたいという欲張りな私です。


さらに、自分もこんなお話を書いてみたい、という新たな目標もできました。



最後に本当にありがとうございました。
どうか1人でも多くの方にこの作品が愛されますように。



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