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医薬品のリスクとベネフィット

記事に来てくださりありがとうございます!
マイトンです。

記念すべき第一ブログ。何を題材にしようか悩みましたが、やはり避けては通れないコロナワクチンについて少し書いてみようと思います。

ちなみに私は製薬企業の研究者ですが、ワクチンの開発は行っていません。あくまで論文を色々と読んでみての記載を客観的にまとめただけですので、気楽に薄目で読んでいただければ幸いです!

コロナワクチンにまつわる巷の話題

あらためてコロナワクチンに関してどんな話題があるかネットやSNSで見てみました。やはり否定的なコメントが多い印象ですが、ざっくりまとめると以下の3つに集約されると思います。

① ワクチンって本当に効くの?(有効性に対する疑念)
② ワクチンで深刻な副作用が起きるんでしょ?(副作用に対する不安)
③ 安全と言い切れないワクチンを国民に接種させていたのが許せない!(行政、製薬メーカーへの不信感)

以下に三つの観点について調べたことを並べてみます。

① ワクチンって本当に効くの?

これに関しては効果がある、というのが科学的な答えです。
医薬品が薬として世の中に出るには、厳しい試験を通過する必要があり、これは如何にパンデミックのような緊急事態でも同様です。細かく言えば今回は長期間の安全性まで確認する前に仮承認となっていますが、効果についてはしっかり確認されています。
また、様々なワクチンが人に投与された結果が、実際どうだったかを見返してまとめた論文(こういうのをシステマティックレビューと言います)が、最近出ていますが、いずれのワクチンも有効である、との結論でした。(Beladiya J, et al. Rev Med Virol. 2024.)

でも皆さんの周りでも、ワクチン接種したのに感染した、という方は少なくないと思います。
ここが一番違和感の原因ですよね。
・ワクチンの予防効果は100%ではない。
・新たな変異株が現れる。
その結果、本当に効果があるのかは常に疑念がつきまとうものと思われます。

② ワクチンで深刻な副作用が起きる?

これについては確かに副作用を示す可能性は否定できません。
ざっと調べてみてもワクチンとの関連が疑われる症例報告や、副作用の懸念に関する報告が散見されます。
例えば、アジュバンドというワクチンの効果を高める成分が心血管への副作用の原因では、という報告も最近ありました(Ther Adv Vaccines Immunother. 2024; 12: 25151355241228439.)

もちろん人に投与されるまでには様々な試験で毒性が低いことは確認された上で世に出てきていますが、mRNAという新しいタイプのお薬であることから、十分に分かっていないことがあるのも事実です。
mRNAをくるむLNPという膜が副作用を起こす懸念、遺伝子の一種であることによる副作用の可能性、など当初から想定できるポイントは入念に検査されていますが、それでも近い将来、より明確に副作用が分かる日が来るかもしれません。

一般論として、薬は良い作用もあれば、必ず飲み過ぎると副作用が出ます。
水みたいに副作用が少ないものはその効果も低く、とてもよく効くお薬ほど副作用も強い、というのがセオリーです。

そこでお薬が承認されるかどうか、にはリスクとベネフィットの考えが適応されます。

とても重い病気では、多少副作用が強くてもしっかり効くお薬が認められますし、一方で風邪のような症状では重い副作用は許容されません。
今回のコロナパンデミックが起きた初期のように、ウイルスの感染する強さや症状の重さが分からないタイミングで、確かに予防効果はありそうだけど、どれくらい副作用が出るかは明確にわからない、といったワクチンを人に使うべきか。これは非常に難しい判断だというのは容易に想像できるかと思います。

問題は、リスクとベネフィットはタイミングで逆転し得る、ということです。

市販後にベネフィットよりもリスクが上回ったと判断されればそのお薬は販売されなくなります。

③ 安全と言い切れないワクチンを国民に接種させていたことが許せない!

上の二つが科学的な話であったのに対し、この三つ目はもっと複雑です。

自分も今回調べて初めて知ったのですが、「vaccine hesitancy(ワクチンを使用する事に対する躊躇)」という主題で研究されているようです。

副作用の可能性だけでなく、企業の説明が足りない、とかワクチンに対する正確な知識が足りない、など下図のように様々な要因が指摘されています(J Diabetes Metab Disord. 2022.)

一つなるほど、と思ったのは、ワクチン反対の世論の背景に、ワクチンの価格設定の不透明性、製薬業界に対する不信感がある、という論文がありました。(Vaccines (Basel). 2023 Aug; 11(8))
開発費用からすると数倍高額な薬価がつけられ、さらに特許で守られ独占できることから、ワクチン開発はとてもモウカルとのこと。実際に途上国ではワクチンが行き渡らなかったという話です。
その反面、モデルナ社はケニアでワクチン製造するということで、人道的な企業であることをアピールしています。

少なからずお金の匂いや利権を感じることから、感情的になる方が多いのも頷けると思いました。

まとめ

コロナワクチンについて改めて最近の論文など調べてみました。
分かったのは、
① ワクチンの予防効果は確かにある
② ワクチンの副作用は否定できない
③ ワクチン打ちたくない、は世界的に普通の反応

その上で、今ワクチンを打つべきか、は国や偉い先生が決めてくれる話ではなく個人が考えるべきこと、と感じました。

誰もはっきり答えを言ってくれないのは、まだ情報が足りないから。一番怖いのは周りに流されて考えないこと、と思いました。

当たり前の結論となりましたが、長くなりましたので今回はここで終わりにしたいと思います。

最後までありがとうございました!

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