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『ワールドブルー物語』 全力少年

この物語はワールドブルー物語フィクションです。

前回のお話



初めて波姉ちゃんと会ったその日から、僕たちは公園で遊ぶようになった。

そんな2人を見て、周りの小学生達が相変わらず冷やかしてきたけれど、波姉ちゃんがいれば無敵だった。

ある日、その近所の小学生達で野球の試合があったんだ。

運動が得意な波姉ちゃんは男の子達に混じって4番でピッチャー。

カッコよすぎだよね。


そして僕は当然仲間に入れてもらえず公園の外から見てたんだけどそこで事故が起きたんだ。



波姉ちゃんが投げたボールをバッターが打ち返したら、運悪く波姉ちゃんの腕に直撃。


幸い骨は折れてなかったけど腕が赤く腫れ上がってとても続けられる状態じゃなかった。


チームの人数がもともとギリギリだったから、1人抜けたら試合にならない。そこで波姉ちゃんが思わぬ一言を発したんだ。


「マイトンくん、あなた私の代わりに試合に出て!」


突然の事態に戸惑う僕。
エースが抜けてボッチを入れることに対して不満の声を上げるチームメイト。


でも僕を入れないと試合ができない。


結局チームメンバーに僕を加えて試合は再開した。


ここで、皆がびっくりするくらい僕が大活躍!!
みたいな話だと良かったんだけど、正直野球の経験はほとんどなかった。


バットを振ってかろうじて当たるもボテボテのゴロ。必死でスライディングしたけど余裕のアウト。


守備もとりあえず外野に入ったもののボールがどこに落ちるかなんて分からない。
フライが飛んできても落としまくる。
皆に怒号を浴びせられながらも必死に走って拾って投げた。

正直できないのが悔しくて恥ずかしくて帰りたくて堪らなかったけど、ベンチからまっすぐこっちを見る波姉ちゃんの顔を見ると頑張るしかなかった。


結局試合は僕が入ったせいで大負けさ。


試合が終わってしょんぼりとベンチに戻った僕。

服は泥だらけで膝と腕は擦りむけて血が滲んでいた。

でもケガなんかより胸のところがぎゅってなってよっぽど痛かった。


「波姉ちゃん、ごめんね。僕のせいで…。」


謝ろうとして言葉を出したら我慢してた気持ちが一緒になって飛び出して、僕はポロポロ泣いてしまった。

男なのにカッコ悪い。そう思ったら余計泣けてきた。


横で波姉ちゃんは何も言わずに僕が泣いてるのを静かに見ていた。


少し僕が落ち着いた頃ようやく波姉ちゃんは口を開いた。



「全力で頑張ってるマイトンくん、カッコよかったよ」



波姉ちゃんはかっこよくて面白い。

当時の僕にとって天使でヒーローだった。

僕もいつか波姉ちゃんを守れるヒーローになりたい。そう思った。





1週間飛びましたが久しぶりの更新です。
蒼社長もバイク旅から帰ってきて記事を出しましたし、ここからまたゆるりと皆さん参加いただければと思います。
創作大賞の募集期間も終わりましたからね。


さて、波とマイトンの恋の始まりを書こうとしたのですが、年上のお姉さんがなんでもない少年を好きになるってどういうことかな、と考えに考え今回の話に至りました。
これが恋の始まりだったのかはマイトン自身知りません。

そしてオールグリーン発動と絡めて書こうと思ってたのですが、無理が出るのでとりあえず次回に持ち越しました。

なんだか久しぶりだとマイトンの自分語り口調忘れますね😅

でも一歩前に進んでとりあえず満足です。



ワールドブルー物語って何?という方はこちらにこれまでの記事をゆにさんがまとめてくださったサイトマップがあります。

また毎週まとめているウィークリーの最後に皆さんで作った設定と人物相関図を入れています。こちらも参考にしてください。




参加してます。

全力の28日目

#ワールドブルー物語
#66日ライラン

サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー