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福田恆存を勝手に体系化する

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不世出の批評家、福田恆存の思想を読みなおし、系統的に再構成する試み。それは狭義の哲学や形而上学にとどまらず、まさしく文学的な新たな体系化として開示される。
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2024年2月の記事一覧

福田恆存を勝手に体系化する。10   集団的自我の歴史性 

 私は、私にあたえられた世界の中心にいる。むろん、あなたもあなたにあたえられた世界の中心…

神原 伊津夫
5か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。9

福田恆存とD・H・ロレンス ロレンスとの関係性は、いろんな人が書いているし、ここまで書い…

神原 伊津夫
5か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。8  二葉亭四迷 芸術と実行

私小説的現実について 「内発的自己」と「外発的自己」にはとほうもない落差が存在することが…

神原 伊津夫
5か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。7  日本的なるもの

 前節では、福田恆存における「外発的自己」について検討した。  それならば「内発的自己」…

神原 伊津夫
6か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。6   「外発的」自己の歴史性 終末論とはなにか。

西欧精神の中枢に斬り込む いよいよここから、福田恆存における最深部「外発的自己」に錘を下…

神原 伊津夫
6か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。5 戦後の時代 観念論の克服と自我の確立 「私の保守…

福田恆存が生きた時代の歴史的理念の素描  生きるとは、徹底的に私の内部の出来事である。だ…

神原 伊津夫
6か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。4  ルネッサンス 歴史の素描

歴史との最初の小競り合い  歴史とは、過去に起こったこと、過ぎ去った出来事、かつてそのようであったものについて探究することであると一般に考えられている。もしそうだとすれば、人間の歴史は、翩々たる事件の連鎖に還元されてしまうことになる。そうした外部から歴史を観察する方法は純然たる経験論に帰着するほかないのだが、そこには持続するものはなにもなく、歴史はバラバラな現実の継起として記述されることになる。  しかしこれまでのべてきたように、人生に生起するあらゆるものごとは、かれの内

福田恆存を勝手に体系化する。3 社会とは何か 「福田恆存の言葉」刊行!

「社会」という他者 それでは次に、「社会」の定義へとすすもう。まず単純にいって、「社会」…

神原 伊津夫
6か月前
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福田恆存を勝手に体系化する。2-2 他者とは何か。フッサールを超えて

 冒頭にもどろう。まずもって私は、ものに囲まれている自分に気づく。  私が軽井沢のコテー…

神原 伊津夫
6か月前
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