福田恆存を勝手に体系化する。4 ルネッサンス 歴史の素描
歴史との最初の小競り合い
歴史とは、過去に起こったこと、過ぎ去った出来事、かつてそのようであったものについて探究することであると一般に考えられている。もしそうだとすれば、人間の歴史は、翩々たる事件の連鎖に還元されてしまうことになる。そうした外部から歴史を観察する方法は純然たる経験論に帰着するほかないのだが、そこには持続するものはなにもなく、歴史はバラバラな現実の継起として記述されることになる。
しかしこれまでのべてきたように、人生に生起するあらゆるものごとは、かれの内