英語講師

本と映画と音楽が好きです。

英語講師

本と映画と音楽が好きです。

最近の記事

私の衝動を解き明かす。

1. はじめに 何か面白い本はないかなと、ネットを散策していると、とても心が魅かれる本に出逢えました。私は漫画が大好きなんですが、なかでも魚豊先生のファンで、代表作である『ひゃくえむ。』『チ。ー地球の運動についてー』は何度も読み返し、反芻をして実生活に反映させています。 そんな作品が帯に使用されているということで私はまんまとジャケット買いをしたわけです。これがなんとドンピシャリ。様々な生き方が尊重される昨今、「自分らしくあること」が必要以上に美化されていると個人的には感じ

    • 【書評】アランの幸福論を主体的に考える。

      はじめに2023年が終わりを告げようとしていた頃に、勤めている会社の上司に1冊の本を勧めていただいた。それが、本ブログの題材となる幸福論(アラン著)である。結論、この作品はとても面白かった。直接的に訴えかけてくる面白さではなく、スルメのようにしがむことでようやく味が出てくるといった具合の面白さだった。 「これがあなたに必要だ」という言葉とともに勧めていただいたのだが、哲学書ということもあり、嚙み砕くのにかなりの工数と時間を要した。また、アランと私とでは生きている時代が異なる

      • 【書評】『推し、燃ゆ』を解釈する。

        1. はじめに先日、勤めている会社の先輩から純文学の作品を勧めていただいた。その名も、『推し、燃ゆ』。作品名が示す通り、「推し」が炎上することを中心として巻き起こる、主人公の行動・内面や周囲を取り巻く環境の変化を切り取ったフィクションである。 結論から述べると、この作品はすごく刺さった。刺さった、というより抉られたというほうが近しいかもしれない。メリケンサックを装備したヘビー級ボクサーの右ボディーブローを、ノーガードで不意に喰らったような衝撃がこの作品には確かにあった。

      私の衝動を解き明かす。