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【月傾けば花嵐】という企画感想


企画趣旨

まずはお誘いただいた「月傾けば花嵐」の企画趣旨を。
これは男性のみのキャストチーム・女性のみのキャストチームに分かれ、シナリオの性別比率は変えずに男性のみ・女性のみで上演するというもの。
男性のみ・女性のみで演じることでシナリオの普段見られない側面を発見したい、また、キャストさんの普段聞くことができないアプローチを聞きたい、という思いで企画したそうです。
今回選ばれた台本は「カサノヴァ」(芥子菜ジパ子さん作)
作品で決められている性別比率は男性2、女性2の作品です

※ご注意いただきたいのは今回は企画なのでこういった配役ですが
このシナリオは無許可での性別変更は不可です

改めて難しい

お話を貰ったときに「え?嬉しい!やったー」ってなりました
まずはロレンツォという役が普通だと絶対できない役だからです
性別のこともありますが、まず自分はやらないだろうという
役どころ:好色?なイタリア男
人物像はかなり好きだけど私からは出ないよね?

なので「やります」と即答したけど
企画のディスコードサーバーに足を踏み入れた時
他のメンツを見て絶句しましたね
男性版女性版ともに声の音、実力ともに納得のメンツ
(私以外笑)

ああ、なるほど
うん、なるほどね
そうだね、なるほどなるほどなるほどねー
とまず自分を落ち着かせるために「なるほど」を5回くらい言いました
そいでもう一回全員の音を想像し、カサノヴァを読み返して
よし「楽しもう」と逆に開き直れました

二つの違い

シナリオは同じなのでストーリーも展開もセリフも同じ
だけど聞いてくださる方に二回繰り返しを聞かせるわけにはいかない

んじゃどうするか?
多分演者全員が同じことを考えたと思うんですが特に後にやる予定の
女性チームは考えましたね

ロレンツォ

ロレンツォをやる私は前半のロレンツォの音と演技を想像し
好色な艶のある女性慣れ?したイタリア男を前半の園長がやってくるなら
後半は艶をあきらめて軽薄でポップに口説いてたまにまじめな顔をするロレンツォで行こうと思ったんです
園長のロレンツォがイタリア製のスーツかシャツにジャケットだとしたら
私は黄色いテロンテロンのシャツに紫色のペイズリー柄にサングラスという
(私の間違ったイタリア観 わかる人は握手)
初手のソファーに座って話すところも
園長が正面から入って行ったとしたら
私はうろちょろ嗅ぎまわっているところをマルチェロにわざととっつかまってお目見えしてるといったところでしょうか

カルメンシータ

カルメンシータも第一声から雰囲気が違いましたね
patyメンシータが男性が女形をやるようなあでやかさと強さがあるのに対し
地球儀さんのカルメンシータは女性ならではのかわいさと強さが同居してました
「涼しい顔で嘘を吐ける男は好きよ」とか台詞の端々に
脅しのニュアンスが込められているpatyさんと
相手の腹の内を探ろうとしている地球儀さんも対照的
腹の探り合いから一気に「カリブ海に永遠のダイブに出てもらう」とはっきり脅してきた台詞で、受ける私も「これはしてやられたかな・・・」(あー退路断ってきましたね)というニュアンスになりました
こういう向こうの出方で受け方が変わるのは楽しいですね♪
相手の出してくる実像が強ければ強いほどワクワクします
二人のカルメンシータの違いで特筆すべきはマルチェロが登場したときの受け答えで関係性の違いが見えるところですね
後半で顕著になってきますがこの第一声からその雰囲気がちゃんと出ているのが素晴らしいです
マルチェロとふたりっきりのシーンでの「殺すわよ」も二つのニュアンスが違いすぎてそこに関係性がにじみ出てて好きでした
怒りなのか愛なのか支配なのか恋慕なのか一言に込められる気持ちの違いが感じられます

マルチェロ

マルチェロはどちらの組も硬派で素敵でした
第一声の「お持ちしましょうか」に殺意がこもっているのが最高です
いや、もう、めっちゃ銃構えてんじゃん?ってなりましたね
この役は凄いイケメンでやる人もいるんですが
二人ともどちらかというとダミる一歩手前くらいの音域で
硬派・強そう・ごつい・顔は傷とかありそうって感じでした
Totoちゃんのマルチェロは私と地球儀さんの音域から
絶対出ないあたりをちゃんと狙って差異を出した上、響かせてきたところに
感動すらしちゃいました
普通の人だとこれで出して来たら途中で芝居の幅が狭くなるんですが
ちゃんと強く出してもブレない帯の声域を狙えるのはさすがです
ついTotoチェロばっかり好きって言っちゃいましたが
実は男性陣の中で一番キャラクター象がしっかりしていたのはにっし~☆さんだと思っています(私見です)

ルカ

ルカはかわいかったですねーこれも二つで全然違いました
シナリオを読むとわかりますが男性版ルカはややこしくて難しい
特にπの身さんがされていたルカは初手から、もう、ほんと、めちゃくちゃ小悪魔的にかわいかった
園長もいってましたが「ワンチャン抱けるのでは?」と
思わせる危うさと隙を感じましたね。え?誘ってる??って。
逆にイヴァさんは最初から警戒心が出ていて
それでこそ危うい小鹿のような子という印象とラストの印象の対比が出てたし、攻略のしがいがありそうな・・と思わせるかわいさがありました
二つの違いとしてはおでこにキスをしたときの
「何を!?」という台詞
いやπの身さん、性別何っ?て思うくらいかわいくてドキっとしました
逆にちょっと怒りと拒絶を含ませたイヴァさんに対して
まだ少年だと思っている私としては「親愛だよ?」(怒んな怒んな減るもんじゃなし)というとんでも失礼な態度になってしまいました
これも「何を!」がウブ可愛かったので受けが変化した瞬間ですね♪
イヴァルカとは「子供の聞くようなものじゃないぞ」(オデコチョンって感じ)あたりから少しうちとけた気がしました
ルカの台詞まわしは二つのチーム比べると全然違いすぎて面白い
「どうせ僕は子供です」もしゅんとかわいいのと、ぷんすこかわいいのと
ラストシーンのルカの違いと合わせて4通り位のルカが楽しめました

どうしようかなーと思ったシーン

夜のカルメンシータの部屋ですよね
まず入って行く第一声を考えましたね
「すみません」
男声ならではの「この後を予見させる艶」は絶対出せないので
私が入って行くなら?カルメンシータに「遅い」と言われて答えるなら?
「よく言うわ」と言わせるなら?
ですよね
え?もうこのシーンの第一声から困ってんの私?って話ですよ(笑

先にやった男性版聞いてますから、patyさんってすげぇなーって
花魁の部屋に入るならこんな感じなんじゃないだろうかって。
そして女帝、地球儀さんのお部屋に行ったときの艶やかな誘いに
普通に鼻血吹きそうでしたね
ちゃんと誘惑してくる
「このとおり・・・」とかめっちゃ近づいてきた
確実に食いにきてますよね。最高ですね?(違
なのでここで気にしていたのは体勢の変化
襲われかけてる状態から逆転して押し倒すときの身体の動きと向きと距離、
もう、その辺りを重視しなければ男性版に勝てないんですよ(勝ち負けではない)
リハしたわけでも打ち合わせしたわけでもないのでこういうのは賭けなんですけど、ちきゅメンシータは明らかに触ってきてたので触り返しました
おかげで良き「やめて!」がもらえたなぁ・・・・(鼻血)
それがあったからこその「そこまでだ!」ってマルチェロ登場なわけです
キタキタキターですよ。「待ってたよ」ってそりゃ言いますよね。本心です
ここのちきゅメンシータの「マルチェロ・・」は助けてのニュアンスも少し乗ってて美しかった

ラストシーンに向けて

とはいえロレンツォとしては絶対絶命。
心情としてはしゃべりながらもこの窮地を突破しようと思ってんですけど、ここは経緯を説明する役でもある
ポイントはカルメンシータを挟んで前に居るマルチェロの距離と
カルメンシータに話しかける時の位置の変化
そしてルカが乱入してきたときの位置

これがこの4人で大体合致していたからかとても奥行きの出るシーンになっていたと思います
そこに関係性の距離があわさって
端から時々説明を挟む役割の私も聞いていてドキドキしました
この3人を崩さないようにその雰囲気に合わせて驚き、補足する
ここからの私は極めて真顔です

Totoチェロの「なんだって・・・」の困惑と絶望、最高でしたね
にっし~チェロは驚愕だった感じがしたが
どちらのマルチェロも表情が見える様でした
ロレンツォの「仕事としては変わらない」と感情のないことを言った後の
「止めてほしいのかい?」も冷たくならないように
でもルカの決意は変わらないだろうから寄り添いすぎないように
3人の邪魔にならない位置を存分に探してやってました

「かあさん…」かみつぶすようなイヴァさんの言い方よかったですね
やってる最中もいいなーと思っていましたが
アーカイブでゆっくり聞いてやっぱりここの3人はほんと素敵でした

全て個人の感想ですからね?

普段芝居はどう演じたとか言っても伝わらなかったら意味がないので、それは観客の皆様が感じてもらって全てだと思っています。
なので、あまり芝居に関して自分はどうやったってのは言わないんですが
2つの違いから見えた企画ならではの面白さがあったので、だらだらと書き連ねてしまいました
こうなってくると、覚書みたいな感じです

さらにこういう企画だからこそ・・というか、
今回濡れ場?は男性的な欲を我慢するという感じだったので
痛みをこらえる息みたいに聞こえないように結構呼吸止めてたのでフィジカルも汗だくでした
こ・・これはダイエットになるのでは?(なりません)

アフタートークで企画主のにゃんこぉ!さんやコメントで地球儀さんが意図した雰囲気をちゃんと受け取ってくれていて、それで芝居を返してくれていたことがわかって嬉しかったです
参加させていただいて、良き劇を聞かせていただいて、聞きに来てくださって、
全ての参加者、企画の皆様に感謝です。

感想フォームもあります

私の感想はともかくとして感想フォームもありますのでもし興味がでてアーカイブを聞いてくださった方いましたら是非一言いただければ嬉しいです⇩

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お借りしたシナリオはこちら

芥子菜ジパ子さん作「カサノヴァ」
カリブ海が臨めるメキシコの雰囲気ある洋画のようなシナリオ
是非文字でも楽しんで、そして演じてください⇩

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