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「専門家」を疑え & 「素人は口を挟むな」と素人のお前が言うな。

無能で無責任な安倍晋三君へのバッシングが日々高まっていて、かねてよりあの大嘘つきが大嫌いだった僕としては、この悲惨なコロナ禍の中にあっても、唯一それだけは小気味良い。
だがしかし。
ちょっと待てよという事態も同時進行しているのだった。

「タレントの誰々がワイドショーで政府のコロナ対策に物申した」的なYahoo!ニュースの記事に対して、「素人は口を挟むな!」といったコメントがずいぶん目立ってきている。

特に、普段から政権に批判的なタレントやコメンテーターの発言だと、一気に火がついたように「お前は黙ってろ」のオンパレードになる。
まあこれもJ-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)などネトウヨ応援団の組織的犯行によるところが大きいのだとは思うのだが、どうもそれだけではない感じもするのだ。

「煽るな」
「政権批判している場合ではない」
「こんなときこそ一丸となって」

云々(でんでん)。

で、枕詞は必ず「専門家でもないくせに」

あのときと同じだ。
2011年3月。福島第一原発が爆発した。
テレビに出ている専門家たちはというと、ひたすら「メルトダウンはしていません」と言い続けた。
僕は「専門家」ではないけれど、それでも原子炉の構造やこれまでの原発事故の記録など公開されている資料、書籍などを一ヵ月も勉強すれば、少なくとも「メルトダウンしていない」と言い切ってはいけない事態だと言うことははっきりわかった。

東電がメルトダウンを認めたのは2ヶ月以上後。

「武藤(当時・東電)副社長が説明している最中にメモが渡されて、(当時)社長の指示だと。官邸からこの用語を使うなと。炉心溶融(メルトダウン)と使うなと指示された
(2016/06/16 https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000077152.html)

しかもこの段階でもまだ嘘をついていた。官邸(当時の民主党菅内閣)からの指示などなかったのである。

東京電力が、福島第一原子力発電所の事故のあと、2か月以上メルトダウンいわゆる炉心溶融が起きたことを認めなかったことについて、新潟県と東京電力が合同でつくる検証委員会は26日、当時の清水社長の判断であり、当時の民主党政権の官邸からの指示はなかったとする調査結果を公表しました。(中略)清水元社長は「官邸から炉心溶融を使うなという電話などはなかった」とした
(2017/12/26 https://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20171226/1756_meltdown.html)

どこまでも卑怯で薄汚い東電には呆れるばかりだけれど、今夜書きたいのはそこではない。
まさに「専門家」たちが右へならえとばかりに「メルトダウンしていない」と言い張っていたのだ。

結局のところ電力業界(いわゆる原子力ムラ)お抱えの「専門家」たち(原子力推進の講演会とか電力会社のPR誌に登場したり、研究費をもらっているような「飼い犬」たち)は、自己保身のために嘘をついていたとしか考えられない。(あるいは単なる馬鹿・無能なだけかもしれないけれど)

要するに、「専門家」だからといって、まるごと信じてはいけないのである。
ヤブ医者の言うことを聞いて死にたい人は勝手に死ねば良い。
同様に、安倍昭恵さんが一緒に大分の「宇佐神宮」にお参りに行ったという「神ドクター」を信じる人は信じれば良い。(写真は「神ドクター」こと松久正氏の公式サイト https://drdolphin.jp/ )より)
彼だって私学最難関の慶應医学部を出たというのだから「専門家」だ。
「皆さんが宇宙または地球の、いつ、どこに、どのようにいようとも、私が対象の方の松果体DNAの高次元エネルギーを修正、書き換えした上で、修正、書き換えしたエネルギーを時空間にアップロードし、対象者は、いつでも、どこからでも、自由にそれをダウンロードできます」(松久氏HPより)って僕には理解不能だが、そんな「専門家」を信じたければどうぞ。

って言ってる場合ではないのだ。

もしも「専門家」が言ってること、やってることがおかしければ、我々はそんな疑問を投げかけなければならない。マスメディアに登場するタレントやコメンテーターならなおさらのことだ。
「専門家でもないのに煽るな!」という口封じは、単なる正常性バイアス、現状肯定、白紙委任、奴隷根性に過ぎない。

ていうかさあ、「専門家でもないくせに」って書き込んでるお前はネットの専門家でも、社会心理学の専門家でも、メディアの専門家でもないだろ? もしも「専門家でもないくせに」というのなら、お前こそそんな書き込みはやめて黙って家で寝てろよな。
文句を言いたいのなら「素人が」「専門家が」ではなく、その内容に対して言え。

政府は「37.5度以上の熱が4日以上続いた場合に相談センターに電話」と言い続けてきたから、国民の大部分は「熱が出ても4日は家で待たなくちゃいけないんだ」と思っていた。「検査を増やすと医療崩壊する」といういかがわしい話も信じ込まされた。
だが、検査を渋っているうちに、今、特に首都圏は医療崩壊寸前だ。
これは、検査体制の拡充を図らずオリンピック延期が決まるまで呑気にだらだらしていた政府の失策以外の何物でもない。
今や検査も受けさせてもらえずに死亡という例が頻出しているのだから、政府はまず潔く「これまでは間違っていました」と謝るべきところだが、無能なくせにプライドだけは高い安倍晋三君が決して頭を下げないことはまあ思った通り。

ところが、「専門家」が、そんな安倍の姿勢を真似している。

釜萢敏氏(政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議委員)は「4日間、経過の様子をみてくださいというようなメッセージというふうに取られたんですが、それはそうではなくて」とし、「いつもと違う症状が少なくとも4日も続くというのであれば、普段はあまり受診されなくても、今回に関してはぜひ相談していただきたい、まず電話で相談をして、その相談の結果、受診が必要になれば医療機関を受診していただきたいということでありました」
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202004240000187.html

今更なんだよこの言い訳は?
「幅広く募ったが募集はしてない」を思い出した。


(この問題について、じつに的確なのが水島宏明氏のこの記事 https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200423-00174802/ 政府の新型コロナ専門家会議が、いつの間にかこっそり方針転換していたことを「モーニングショー」が指摘していた。
すなわち、最初は「メルトダウンしていない」→2ヵ月以上経ってからメルトダウンを認めた→何年も経ってから「官邸の指示でメルトダウンとは言わなかった」→「じつは官邸の指示などなく社長の指示だった」
3.11のとき、この過程がリアルタイムで明かさなかったのだけれど、今まさに、それと同じことが起きている)

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