線維筋痛症の標準治療と新規治療-患者,御家族向け解説
こちらを聴いてくださっていたとある患者さんが、ブレインフォグの方向けにとても分かりやすく要約してくださりましたので、転載させていただきます🍀ありがとうございました!
1. 線維筋痛症とは?
①筋緊張亢進型
②筋付着部炎型
③うつ型
明らかな器質的な原因によって説明できない全身の4/5以上の痛みをはじめとする身体的訴えがあり、それを苦痛と感じて日常生活に支障をきたす。原因不明、と言われることが多いが、研究が進み、発生機序が解明されつつある(仮説が立てられている)。
痛みを感じる神経システムの誤作動・痛みを伝える神経が常に働き続け(痛みのシグナルを出し続けている)、痛みのシグナルを抑える神経もそれに伴い働き過ぎて疲弊している。
アクセルを踏みっぱなしでブレーキを踏みこんだら
ブレーキは壊れて、アクセルはずっと働きっぱなし。というような状態。
2. 治療法
・抗痙攣薬 リリカ、タリージェ、レグナイトなど
神経の興奮を抑える(アクセルを鎮める)
・抗鬱剤 サインバルタ、トリプタノール
痛みを抑えるブレーキ系神経の賦活
(幸せホルモンセロトニンなどを増やす)
問題点:眠くなる、日常の活動に支障をきたす
→ 就寝前に服用すれば睡眠の質も改善に。
・オピオイド系 ドラマドール、ノルスバンテープ、ソセゴン、など
服用管理をきちんとする事が必要
重い副作用が出るものもある
・漢方薬 副作用が殆どないが、効いているかどうかの実感が得にくい。2週間飲んでも効果を感じない場合は主治医に相談を。
・心理療法 カウンセリング、交流分析、認知行動療法など
・鍼灸、有酸素運動などはガイドライン参照
*最新の治療 眠くなるなどの副作用が少ない
痛みを抑える力を付ける
・ノイロトロピン(錠剤、注射)
古くからある薬。試したことのない人は推奨される。末梢神経に効き、筋肉をやわらげる
・グルタチオン(服用、注射)
抗酸化作用の高いアミノ酸
免疫調整力があり、アレルギーにも効く
・プラセンタ( サプリメント、注射)
自律神経を整える 解毒作用
・エルカルチン( サプリメント、薬、注射)
細胞内のミトコンドリアの働きを助ける。
ATPの働きが良くなりエネルギー生産が増える。
*トリガーポイント注射など
神経の誤作動で痛みを感じるシグナルが出し続けられると、筋肉が硬くなり、血行が悪くなり実際の痛みを体感する。痛む部分の血管を広げる薬剤を注射して、血流を良くすることで痛みを感じない状態ができる。数時間だけでも痛みがない状態を脳に覚えさせることは重要。
*エイト
3. 心理的要素
難病だ、分からない、治らないと治療者から言われると患者は不安感を抱き、痛みが悪化することが多い。スペクトやMRIで脳の血行不良や萎縮を調べてもあまり意味がない。萎縮は時間経過で戻ることも多い。鬱病などとの鑑別も難しい。大事なのは脳の大きさより神経ネットワーク。
全部一度に治すのではなく、治せるところから治していく、という姿勢が大切です。PS9 IKUKOさんと一緒に「痛みを癒す方法」をまとめました。
4. コロナ後遺症
コロナの研究は線維筋痛症の研究にプラスになる。コロナ後遺症は2年ぐらいで寛解するケースが多い。
「コロナ後遺症のヒント クラッシュって?」ブレインフォグや治療の主軸となる「ペーシング」について。アーカイブ↓
5. 登壇者紹介
遠隔治療はエルカルチン(薬品)、ノイロトロピン錠剤、エイトのレンタルなどがあります。
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