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もう一つのXマウント オールドフジノン X-Fujinon 50mmF1.6DM

2024年の5月は太陽フレアの活動が活発らしくオーロラが東北でも見えたようですが、その影響かどうかわかりませんが、つい手が滑ってレンズを手に入れてしまいました。みんなフレアのせい。
X-Fujinon 50mmF1.6DM という、オールドレンズです。以前もフジノン見かけたのですがマウントアダプタが無かったのでアダプタ付きの出物を購入しました。

今回はフレアのせいですので、衝動買い状態。買ってから少し調べてみましたので、かいつまんで。
フジにはかつてフジカXマウントという、フィルムの時代に出していた一眼カメラの最後期のモデルに採用していたバヨネットマウントが存在していました。当時のフィルム一眼カメラはFUJICA AX-1,3,5と名付けられていたので、区別のために現在はAXマウントと呼ばれるようです。M42マウント時代のFUJICA STシリーズはまだ検索で出てくるのですが、AXについてはマイナーなため解説されているサイトもほぼない状態。でも幸いなことに下記のサイトに記載がありました。

対応するカメラを見ると輸出モデルが多いこと、販売時期も1979~1985年と短いのですね。。。なので出回るレンズも少ないのか、国内で入手可能なものはPIXCOのマウントアダプタぐらい。中国発送?K&Fでは見つからず。
ということで、その珍しいマウントアダプタ付きで売られていたものを購入してみました。
レンズの解説は最近のものが下記にあります。

この記事にもある通り、F1.6ってあまり聞いたことありませんが、どのような写りなんでしょうか。。レンズの名称にある通り、EBCというコーティング技術が採用されています。
それでは現代のXマウントのカメラに取り付けてみましょう。まずはX-T5に装着します。
絞りリングに黄色いマークがあり、すぐ横の小さな銀色のピンを押して合わせると、カメラ側で絞り操作ができるようになります。マウントアダプタ側に銀色の調整リングがあり、黄色マークに合わせてからアダプタのリングを回すと無段階で絞り調整ができます。レンズ側ではクリックがあるので段階的な調整になります。

写真はXF90mmF2 このマークの位置は現在のXFレンズにも受け継がれています。ちょうどAの位置に来るとカメラ側のAE機能が働いて、ボディのダイヤルでの操作も可能。
XFレンズが代々絞りリング付きということからも、このような操作性の思想は引き継がれたのでしょうか。

最近の代替わりしたXFレンズには、絞りリングにAポジションロック解除ボタンが追加されてます。押してAポジション、押して解除という操作は、X-Fujinonの銀のピンと同じ。Aポジションの誤操作に不満がでての追加と聞いていますが、あえて物理ボタンでの対策をとって、先祖返りしているところが興味深いですね。

XF23mmF1.4の2代目の絞りリングに追加されたボタン

これはXF56mmF1.2WRのでかい前玉。XFレンズはSUPERとついていますが、EBCというコーティング技術も引き継がれています。いやあ、それにしてもでかい前玉です、XF56mm。

これはAXマウントより前のM42のFujinon 55mmF2.2 このレンズにはEBCは記載されていません。レンズキャップはかぶせキャップ。

AXレンズのキャップはM42とデザインが変わっています。形状はかぶせタイプなんですが、

ロック機構がついていてつまみを押して外す、現代でも使われている機構が追加されています。
かぶせタイプでロック機構があるキャップは(´・ω・`)は見たことないです。

少しレンズの話で引っ張りすぎましたが、それでは試写した写真を。
X-T5とX-E4で使ってみましたがX-E4の小さなファインダでも、ピント合わせは意外としやすかったです。
開放で撮ってみましたが、現代レンズのシャープさはありません。

ピントが若干ずれているのかもしれませんが、標識の文字は甘い描写。
それでも、EBCコーティングの威力かフレアやゴーストは出ませんでした。

少しだけパープルフリンジは出る。

ベルビアで撮ったということもありますが、色ノリは良い印象。

若干オーバーインフになっているので、アダプタで調整できればしておきたいところ。ソフトレンズみたい。

ピント部分はしっかり描写されています。

練馬駅前にて。背景の柔らかい暈け、ピントを合わせたガラス表面の描写も良く撮れています。

デッキのタイルもしっかり描写されています。奥を歩く人の足も良い感じ柔らかくぼけています。

ボケの柔らかさが出ています。

池袋にて。ピントは手前の柵に合っています。イケバスの赤が鮮やかに出ました。

拡大してみれば、遠景などソフトなヴェールがかかったような幻想的な描写が出たりしますが、逆光耐性も問題なく、コントラストが良く出ていて、オールドレンズという先入観を持って臨むと期待?外れの優秀なレンズでした。なので味のある描写を指向する方は、SMCのないころのタクマーやロシアレンズにいった方が良いかと思います。
ということで、フレアのせいでうちにやってきたオールドレンズは優秀でフレアは出なかったという落ち。
だけども今のフジのレンズがお好きな方にはXFレンズの先祖を一回試してはいかがでしょうか?
(´・ω・`)ノそれでは、また。

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