社長はなぜ社員の名前に「くん」を付ける?

僕はチームの子たちには〇〇くんと必ず呼ぶようにしている。
その理由は上下関係なく会社のみんなで和気あいあいな雰囲気で、楽しく仕事をする為じゃない。

理由は…ある社長がそうしていたから。

その社長は僕が初めてサラリーマンとして働いた会社(世界の高級筆記具をインターネットで販売する会社)のトップだ。僕はそこで会社で働く事についての全てを1から教わった。初めは自衛隊出身の僕にはなぜ社長が部下や社員の名前に「くん」を付けるのか理解出来なかった。組織の中で命令・指示は絶対で強制力があり、呼び方には階級を表している。それが強固な組織を維持出来る事と信じていた。ある日会社の飲み会の席で、社長にその疑問を聞いてみた。すると社長はこう答えた。

「みんなは今は僕の会社の社員だけど、いつか会社を辞めて転職するかもしれない。どこかの社長になる事だってあるかもしれない。僕より偉くなっているかもね!」
「僕は筆記具の会社の社長。僕以外は社員のみんなも含めて全ての人がお客さんなんだよ!

衝撃的だった。若い僕には想像もつかなかった答えだった。そして僕がその会社を辞めて数年後、僕は仲の良いベトナム人社長へのプレゼントとして、その会社からペンを1本買っていた。僕はその社長に感謝している。
まともに会社で働いた事もない僕を拾ってくれて、多くの挑戦とチャンスを与えてくれた事に。

僕は今もその社長のお客さんだ!

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