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発達の専門家が解説「育てにくい子」にどう対応すればいい?


こんにちは。子育てママのゆきです。
さて子育て中の皆さん、毎日の生活で、うちの子は他の子と違いちょっと育てにくいな…と思うことってありませんか?
人見知りがひどい、好き嫌いが多い、大きい音を怖がる…等。
今日は、乳幼児のあいだの考え方を発達の専門家が解説している面白い記事を見つけたので、そちらを参考にお話していきたいと思います。
困った場面別に、どうしたらいいのかのヒントをお伝えできたらと思います。

もしかして、と思っても


「寝つきが悪く毎日寝かしつけに何時間もかかる」
「人見知りがひどくて保育園に毎朝預けるのが大変」
「落ち着きがなく、すぐに姿が見えなくなってしまう。」
日々の子育ての中でうちの子は育てにくい、と感じて、もしかしたら発達障害かもしれない、と思っているパパさん・ママさんがいるかもしれません。

しかし3歳、4歳頃までは発達障害かどうか診断することは困難な場合が多いようです。
明らかな場合は療育を行っていきますが、そうでなければ経過観察をしていくことが多いようです。
その場合は、発達障害の有無を気にするよりも、まずはその子の持って生まれた特性を理解し、苦手なことをサポートすることが大切です。

発達障害って?


そもそも発達障害とは何でしょうか。
まだはっきりした原因やメカニズムは分かっていませんが、脳のなんらかの不具合が原因で生じている状態で、生活や学習に問題が起こることと言われています。
強調したいのは、育て方の影響ではなく、その子が持って生まれたものだということです。

たとえば、物音や赤ちゃんの泣き声などで大泣きをしたり、同じ服しか着なかったりするのは、発達障害の特徴である感覚過敏の表れかもしれません。
落ち着きがなくて、すぐに迷子になってしまうのも発達障害ゆえの特性かもしれません。
しかし、その特性は成長と共に変わる可能性もあり、赤ちゃんのうちは診断を受けることよりも、その子の好きなこと、嫌いなことと向き合ってやることが大切です。

不快や不安を泣いて表現する子に対して


たとえば、掃除機の運転音がすごく嫌いで、機嫌が悪くなる子がいるとします。
親から見ると「掃除機の音ぐらい、どうして気になるのかしら。我慢できないのは、どこかおかしいのではないかしら。」と思うかもしれませんが、その子にとっては、それがものすごく苦痛かもしれないのです。
実際、掃除機の運転音を聞くと「脳が槍で刺されるような気持ちになる」という人がいますから、人によってものの感じ方は違います。
その子にとっては、とても我慢できる刺激ではないのですね。
赤ちゃんは言葉で感覚や思いを表現できないので、泣いたり、機嫌が悪くなったりすることで不快な気持ちを表現します。
そんなときは、「大丈夫だよ」「こわかったね」などとその子の感じた不快や不安に言葉で共感しましょう。
気持ちに寄り添い、言葉で表すことで、赤ちゃんは安心感を覚えます。
その子が嫌いなものがわかり、言葉で説明することができれば、たとえば「眠いのが辛くて泣いているのだから、寝床に連れて行って寝かせてあげればいい」と対応ができます。
掃除機の運転音が嫌いなら、その子がそばにいないときに掃除機をかける、音がほとんどしない掃除道具を使う等、生活を工夫することもできますね。

その子の持って生まれた特性は、その後完全になくなることはありません。苦手な度合いは薄まっても苦手なこととして残るかもしれません。
しかし、その子が安心して生活できるような工夫をしたり、サポートしたりすることで、その子や親御さんが困ることは減っていきます。
心配や困りごとがあれば、まずは保健所や子育て支援センターの相談窓口、かかりつけの小児科医に相談してみると良いでしょう。

音やにおいに敏感すぎてしまうHSCとは?

発達障害と混同されやすいのが、人一倍敏感な子として知られる”HSC(=Highly Sensitive Child)”です。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏が提唱し、ここ数年で日本でも広く知られるようになりました。
5人に1人はあてはまるという研究結果もあります。
音やにおいなどの感覚が敏感で感受性が高いがために、人の声や、がやがやとした騒音などでストレスをため込んでしまい、生活に支障をきたす場合もあります。
5人に1人という確率から考えると、障害ではなく、個性の一つだと考える方がいいでしょう。
発達障害は医学的にきちんと定義された疾患です。
HSCは共感力が高い点が発達障害と異なるといわれていますが、HSCはASD(自閉症スペクトラム障害)と似ている特徴があるようです。
不安が強い子には「大丈夫、こういうことが起きるんだよ。」と不安を和らげる説明をしてあげましょう。
また母親が不安に思っていると、お子さんも不安が強くなります。
お母さんはできるだけ不安に思わず、お子さんが安心できるように配慮してあげてください。

こんな場面どうしたらいい?

①偏食がひどい


「特定の好きなものしか食べない」「ある食べ物を極端に嫌がる」という偏食の悩みは離乳食が始まってしばらくすると出てきます。
嫌いなものが特定の食材に限られるのなら、その食材を細かく切る、加熱するなど食感を変える工夫をしてみれば大丈夫になることもあります。
ただ、食べられる食材の数が少ない場合は、まれに栄養が偏り成長に支障が出てくる可能性もあります。
お子さんが嫌がらない程度に刻んで混ぜ込んだり、味付けしてごまかしたりして少しずつ食べさせていくといいですね。
そして「おいしそう」「ちょっと食べてみようか」といった言葉がけも同時にしていきましょう。
食べてみようかなという気持ちに働きかけることが効果的です。

②新しい場所が苦手


新しい場所が嫌だという、いわゆる場所見知りをする子がいます。
「初めていく家で大泣き」「新しい公園などで遊びたがらない」という子です。
大人でも新しいことをするときは、戸惑う人は多いですよね。
場所見知りをする子はそんな戸惑いを強く感じているのかもしれません。
物事を同じものだとおおまかに捉えることが苦手な子がいます。
公園ならどこも似たようなものだと思えず、公園1つ1つが全く違った場所に見え、大きな不安となっているのかもしれません。
そんな時は以前経験したことと同じ、というスタンスで声かけしてあげましょう。
初めての公園に行くときは「砂場と滑り台があるから、いつもの公園と同じだね」と、これまでにやったことと、今日やることが同じであると説明してあげます。
さらに「こんな面白いところがあるよ」「楽しそうなところだね」などプラスの言葉がけをすると、子どもは前向きな気持ちになれるでしょう。

③人見知りがひどい


「いつも登園している保育園でも預けるときに大泣きしてしまう」
「初めての人と会うとギャン泣きしてしまう」という赤ちゃんはいます。
そんな時は「びっくりしたね~」「こわかったね~」
などその子の気持ちを代弁してあげるといいでしょう。
人見知りする子にとっては、いつも慣れている家族以外の大人に会うことは強い刺激なんですね。
人に会う前には「この前も会った人だよ」「ママのお友達だから大丈夫だよ」と赤ちゃんを安心させる言葉をかけてあげるといいでしょう。
言葉がきちんとわからなくても雰囲気でその言葉の持つ意味を推測できます。
ひどい人見知りがある子の中には、自分以外の人がいることに気づきにくいという特徴があります。
相手の存在に気づいていないから、他の人が目を合わせようとしても目が合わず、コミュニケーションが取りにくいのです。
しかし2歳半~4歳ぐらいになると、ほとんどの子が自分以外の存在に気がつき、相手とのコミュニケーションが始まるきっかけが生まれます。
その時は、心を代弁してあげるなど積極的に関わってあげてください。

それでも心配な時は…

これまでの記事を読んでも、やっぱりうちの子は育てにくいという範疇を超えているのでは?と心配な親御さんもいるでしょう。
ご参考までに発達障害として診断される3つの症状についてお伝えします。
ごくまれに小さいうちから専門医にかかるなど対処してあげることが必要なお子さんもいます。
当てはまる場合には、小児発達専門医がいるクリニックに相談に行くといいでしょう。

発達障害は、次の3種類です。
「自閉症スペクトラム障害(ASD)」
「注意欠如・多動性障害(ADHD)」
「学習障害(LD)」

ASDの子は次の2つの特徴があります。
1つは対人関係や社会性に乏しい。
つまり、2歳頃になっても人と目が合わなかったり、人とコミュニケーションを取ろうとせず、言葉が遅かったりします。
もう1つは、視覚・聴覚・触覚やにおいといった感覚が過敏で特定の服しか着たがらない、特定のものしか食べない等こだわりが強いです。
1歳頃からだんだんとASDの特徴が見える場合もありますが、3歳頃までは診断が難しい場合もまれではありません。

ADHDの子の特徴は年齢相応の自己コントロールが難しいことです。
目の前の褒美に飛びついてしまうので、おもちゃ屋さんに行ったら好きなものを次から次へと見つけて、どこかに行ってしまうといったように、あちこちに関心が飛んで落ち着きがないといった特徴に表れます。
我慢ができるようになること、つまり衝動性をコントロールできるようになるのは4歳頃だと言われていることから、ADHDは4歳頃にならないと診断をつけることは困難です。

LDは「聞く」「話す」「読む」「書く」といった学習能力のいずれかに遅れや困難がある場合をいいます。
「本に興味をもたない」「本の音読がスムーズにできない」「字が覚えられず、書けない」といったことから、就学前後に気づくケースが多いです。

これらの診断を受けたら、その子に合わせて、理学療法士や作業療法士、言語療法士といった専門家のもとで言葉やリハビリを行うことが一般的です。

こうしたリハビリは、早くスタートした方が効果が高いと言われています。
とはいえ、たとえ発達障害の特性があっても、保育園や幼稚園、学校、家庭生活がうまくいき、社会生活をうまく送れるなら、診断の必要はありません。
園になじめずに困っている、日々の生活に子や親が困っているということが診断名をつける根拠になります。
診断の有無にかかわらずその子が苦手なことをどうすればできるかを、周りの人が考えてあげることが大切です。
もっとも身近な存在である親の声かけは有効な手段です。
例えば、ASDで感覚過敏の子が声かけにより不快感が減るということはよくあります。
一例ですが、焼き鳥屋の前で煙の匂いが嫌だと不機嫌になった時、「お客さんを呼ぶために煙を出しているんだよ。お客さんがたくさん来てくれると嬉しいでしょ。」と説明してあげる。
嫌な気持ちになった時、その状況がどうして起こっているのかを説明することで、匂いの不快さが減ることがあるんですね。
ADHDなら興味があることや、目の前のことに夢中になる傾向があるので、人が話しているときでも、人の話を聞かず遮ってしまうことがあります。
その場合も、叱るのではなく、「途中まで聞いてくれたね」と褒めてあげる。
その積み重ねで、次も人の話を聞こうという気持ちにつながります。



いかがでしたか。

少し専門的なお話になりましたが、子育てって少なからず皆さん悩みや困っていることがあると思います。
今回のお話も、当てはまったり当てはまらなかったりの部分があると思いますが、まずはお子さんにとって、どんな関りをしてあげるのがいいのか、そして親御さんご自身も含めどうすれば生きやすくなるか、考えてみましょう。
そして心配な方は専門家のいるクリニックで相談してみてもいいかもしれませんね。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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