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流産について知っておきたいこと

こんにちは。子育てママのゆきです。

せっかく授かった命が「流産」という形で終わりを告げてしまう…
その不安や悲しみは計り知れません。
今回は流産の原因と、その後のケアについてまとめてみました。

流産の9割は妊娠初期に起こる

流産とは「妊娠22週に達する以前に妊娠が終了してしまうこと」をいいます。
原因の多くは、受精卵に染色体異常などの問題があるためで、流産の9割近くは妊娠初期に起こります。
まず出血があり、その量が増えたり、腹痛が加わったりしていくのが一般的な症状です。
ほとんどの人は「まさか私が流産をするなんて」と思いますが、実は流産は、妊婦さんの5~8人に1人に起きているといわれています。
流産に詳しい東京大学医学部附属病院の藤井先生は「普通に生活していて、流産の多さを実感しないのは、流産が『触れてはいけないこと』と思われて話題に上がりにくいこと、そしてまだ他人に妊娠を告げない妊娠のごく初期に起こることが多いためです。
だから流産は隠れた悲しみになりがちなのです。」と述べています。
細胞分裂を始めて間もない受精卵を調べると、半数近くは染色体に異常があることが知られています。
その多くは、生まれてくることが出来ません。
妊娠は、母親も妊娠に気付かないくらいの早期に、ひそかに終わっていることもあるのです。

なぜ流産がおこるの??

「流産」を経験した多くのお母さんたちは「どうして私だけ」「あのとき無理を
したから…」と自分を責めてしまいがちです。
でも本当は、避けようのないケースがほとんどなのです。

12週未満に起こる初期流産について

原因の多くは赤ちゃんの染色体異常です


まずは妊娠12週未満に起こる初期流産についてです。
妊娠の過程で起きるさまざまな異常には、まだ解明されていないことがたくさんあります。
染色体異常も、誰にでも起きていることです。
正常な卵子と正常な精子が出会っても、受精の時に何らかの異常が起こることもあります。
その原因はわかっていません。
流産をしても自分を責めることはありません。
いずれにしても母親が何かをしたから、あるいはしなかったから流産になるということはありません。
ただしウイルスによる流産の一部は防げる可能性があります。
ウイルスが原因の流産は稀ですが、サイトメガロウイルスは要注意です。
妊娠中に初感染すると、胎児にも感染して、流産を引き起こしたり、胎児の発達に影響を与えることもあります。
サイトメガロウイルス以外にも水痘など様々なウイルスがあるので、妊娠したら、手洗い・うがいを励行し、妊娠初期は人混みを避けるなど注意しましょう。

またトキソプラズマという原虫にも、妊娠初期に初めて感染するとお腹の赤ちゃんに異常を引き起こします。
妊娠中に猫を飼い始めること、生肉を食べること、土いじりは感染の原因になるのでやめておきましょう。

流産後はどうするの?

手術が必要な場合と、自然な経過を待つ場合がある


初期流産がわかったら、「手術をして中身を出す」「自然に出てくるのを待つ」という2つの道があります。
まずは子宮の内容物がどの程度出ているかで違ってきます。
完全流産(胎児や胎嚢など、子宮の内容物が全て体外に出た状態)の場合は手術の必要はほとんどありません。
内容物がまだ残っている不全流産、稽留流産の場合は選択の余地があります。
一般的なのは手術の方。
基本的には、中絶の手術と同様に、麻酔をかけて、子宮の内容物をすべて掻把します。
子宮の中に何かが残っていると感染を引き起こす可能性があるためです。
一方自然な経過を待つ場合は、出血や生理痛のような痛みを伴って子宮の内容物が出てきます。
初期流産では赤ちゃんがまだ小さいので、自然と周囲の組織に吸収されてしまうことが多く、出てくるのは血の塊のようなものであることがほとんどです。
しかし中には、生命に危険が迫るほどではないものの、かなり大量に出血する人がいます。
その場合は直ちに手術を行って出血を止めなければなりません。

「手術」と「自然な流産」の間に大差はない

産婦人科学会のガイドラインも、「原則は手術だが自然な経過を待つことも可能」「どちらが有効かわからないのなら本人の選択も尊重されるべき」という内容になっています。
人によって、どちらの方法を望むかは違います。
生まれない子が子宮にいるのは辛いと感じ、「すぐに出したい」と思う人や、逆に流産という事実が受け入れられるまでは今のままでいたいという人もいます。
いずれにしても、一番大事なのは慌てて手術をしないことです。
何としても避けたいのは、正常に経過している妊娠なのに手術をしてしまうことです。
早く手術をしたいと思う人も、赤ちゃんの実際の週数が小さいから心拍が見えない、という可能性を完全に否定できる時期(妊娠8週頃)までは手術を待ちましょう。

次の妊娠は?

月経が来たら、妊娠可能


手術後数日間は安静にします。
多くの病院では、約一週間後に再度子宮内を検査し、異常がなければ普通の生活に戻ることが出来ます。
子宮内にまだ内容物が残っていることがわかった場合には、再度掻把することもあります。
性生活も再開して構いませんが、次の月経が来るまで避妊をしましょう。
子宮内に傷のあるうちは感染の危険があります。
月経が来る前に妊娠すると、傷が付いている所に受精卵が着床することがあり、そこに胎盤の組織が入り込んでしまった場合は、出産後胎盤がはがれず、子宮ご
と摘出しなくてはならなくなる危険もあります。
基本的には、次の月経が来れば、子宮が回復したという合図になり、妊娠しても大丈夫です。

いかがでしたか。流産について意外と知らないことってありますね。
流産についての正しい知識を、お母さんや、パートナー、ご家族にも知っていただけたらと思います。
長くなりそうなので、今回は初期流産についての内容で留めたいと思います。
次回は、妊娠12週以降に起こる中期流産についてお話したいと思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。
参考:日本産婦人科学会HP、著書「流産ーもう一人で苦しまないで」


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