画像1

【深夜22時の創造しい会|6月7日(水)】タクシー会社ときくらげ

企画参謀|小島章裕
00:00 | 00:00
#みんなの企画部 #知財じかん #企画参謀 #事業創造 #Google Bard


タクシー会社ときくらげ

日経MJ2023/6/5

埼玉県産のきくらげ「あの日のはごたえ」が売り上げを伸ばしている。スーパーや飲食店に販路を広げ、学校給食にも出されるほどの人気ぶりだ。

さらに驚くのは、このきくらげの生産者がタクシー会社という点である。配車を行う本社の窓口でもきくらげを販売しており、月に300セットが売れるという。

「コロナで売り上げが8割減となり、会社をたたむことも考えました。そんな中で従業員と新しい事業を模索していたところ、きくらげの生産というビジネスに行き着いたんです」

そう話すのは日栄交通(さいたま市)の清水雄一郎常務。きくらげについてネットで調べたところ、栄養分が豊富で育てやすく、競合する農家や企業も少ないことから、他の農産物よりもビジネスチャンスが大きいことが分かった。試しに社内できくらげを育ててみたところ、1カ月後には肉厚で食べごたえのあるきくらげを収穫できた。

タクシーの減車で空き地になったスペースに自作のビニールハウスを建築。きくらげの本格的な生産に取りかかった。評判は口コミで広まり、受注が増えた現在は、本社で育てる1000床のきくらげのほか、県内にある30坪ほどの空き家でも3000床を育てる。

「空き家問題も解決できれば、まさに一石二鳥です」。今後は空き家の一角を直売所にして、庭でバーベキューができる施設に改装する予定。きくらげを通じて地域の人たちが交流できる場にしていきたいという。

コロナによって多くの企業が打撃を受けた。苦しみからはい上がってきた商売人が、ピンチをバネにユニークな商売に挑む。それがSDGsのトレンドに乗って、社会問題を解決していく流れが生まれつつある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?