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結んで切れて絡まり繋がる | CIRCULATE

多逢聖因(たほうしょういん)
「良い人に交わっていると、気づかないうちに良い結果に恵まれる」

こんばんは。wisteriaです。

やはり、思ってた通り、長編になってしまいました...

時間に余裕のある時に、まとめてご覧ください。

それでは、続編です。

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国際学会から帰ってきた数日後。2年前の晩秋近く。

私は、別の国内学会会場へ向かうため、新幹線に乗り込む。

その車中で、国際学会期間に、研究室であった出来事について、考えていた。

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実は、前々回の記事 (CHAFE) では言及しなかったが、
Eちゃんの一件には、もう1つ困ったことがあった。

Eちゃん自身は、恐らく、
あの環境下でも頑張って実験しているのに、
という見方だったのだろうが、自分が一度も学会に出ていないことを苦々しく感じていたようで、

Eちゃん「先生が私を学会に出させてくれないから困っている。」

とも言っていたそうだ。

先生からしてみれば、実験は頑張っているが、実験以外のことが心配という意味で出すのを躊躇っていたようでもあった。

あと、もしかしたら、
先生自身のプライドとキャリアに傷がつくのを恐れていたのかもしれない。


いずれにしても、Eちゃんは、私やAちゃんやCくんの様に、学会に出たことがなかった。

それに関しても、私から、直接、先生にお願いしたのだった。

私「Eちゃんの気の済むように、学会に一度出させてあげてください。
       そうでないと、事態はより悪化するばかりだと思います。」

と伝えた。

Eちゃんには死んでも言えないなと思う言葉だったが、
その願いが届いたのか、

Eちゃんが、次の春に開催される学会に出ることになった。

と、国際学会中に連絡が入っていた。


そのことを、国際学会中、Aちゃんに少し言ったところ、

Aちゃん「ちょっとそのこと、今は忘れたい。」

と言われた。配慮に欠けていた、と反省した。

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その一件を、新幹線に揺られながら、振り返り、考えていた。

そして、Cくんにも伝えた。

すると、Cくんは、

Cくん「Eちゃん、そのことTwitterで言ってたわ。
             かなり喜んでたよ。」

と教えてくれた。

やはり、Eちゃんには死んでも言えないな、と思う反面、
大きなやるせなさが降ってきた。
そのことをCくんに伝えると、

Cくん「本当に。まあ、仕方ないよね....
             ま、ともかく、国内学会頑張ってきて!」

と、言ってくれた。
話をすり替えられた気もするが、シンプルに嬉しかった。

そのおかげで、国内学会も国際学会終わりだったが、頑張れた。

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時は過ぎ、1年前の春。

密かに、コロナの脅威が忍び寄る中、1個上の先輩方を無事、見送った。

そして、コロナウイルスの感染拡大によって、
Eちゃんが参加するはずだった学会の中止が決定された。

なにか因果を感じてしまったが、不可避なことだとも思った。

その後、
コロナウイルスの感染拡大防止による緊急事態宣言。

私たち学生は、実験を奪われた。

未知の脅威への対応だったので、致し方なかったが、
2か月間、在宅作業は、皆さんもそうだったと思うが、なかなかキツかった。


だけど、そんな中でも、私にとって、嬉しくも悲しい連絡があった。

AちゃんもCくんも、一応、企業内定をもらったという連絡だ。

Aちゃんは、まだ、就活自体はまだ終わっていなかったが、
内定を頂いた企業があり、一安心ということだった。

心から、「良かった!おめでとう!」と伝えた。
そして、一抹の寂しさを感じた。

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6月中旬。

漸く、実験活動への制限が緩和され、
全員はまだ難しいので、半数上限という人数制限が課せられた中だったが、
2か月ぶりに研究室へ行くことができるようになった。


その人数制限も、どうするか、といった具体案を考えるにあたって、
色々とあったが、

私とCくんとQ先輩、といった異なるグループの代表者が協力して、
相談しながら、できる限り衝突回避しながら、運営していった。


人数制限以外の研究室運営でも、
私とAちゃんとCくんとで、情報共有し合って、
なんとか実験機器の管理だったり、色々協力して、こなしていった。


これらのことが、

CROSSで書いた、
Aちゃんの相談がなかったら、

CONNECTで書いた、
Q先輩の呼びかけがなかったら、

到底、成し得なかったことだと思うと、
本当に、今でも不思議な気持ちになる。


だから、私にとって、
Aちゃん、Cくん、Q先輩は、かけがえのない存在。

たぶん、これからの人生でも忘れることはできないだろう。

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だが、そんな矢先、
思いもよらないことが再び起こるとは、
この時、夢にも思っていなかった。

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不器用な結び目がついた、
複雑に絡まり、擦り切れ、
導かれるように、結びつきを強固にした3本の糸が、
いつの間にか、まっすぐ円く繋がっていた。

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