Dark in the dark | #2000字のドラマ
陽が沈む。
その時を待ち望んだように、彼らは静かに集う。
皐月(さつき)は、身支度を整え、電車に乗り込む。
人込みに飲まれそうになりながら、英単語帳を僅かな隙間で見つめる。
『今とは、全く違った環境に行けば、私も変われるかもしれない』
大きくも淡い期待を寄せていた。
いつもの駅。いつもの電車。いつもの通学路。いつもの教室。いつもの人。
そんな当然の様な日常に、皐月は溜め息しかでなかった。
日常的な負の思考回路に陥りながら、教室に入りかけた時、
「おっはよ~!