本を薦められない
好きな本がたくさんあります。
小学校2年生の頃から誕生日プレゼントはいつも本10冊で、
学級文庫を一年かけて読破することに達成感を覚え、
将来は壁を本棚で埋め尽くしてしまいたいという何とも趣味の悪い夢を持つ私が一番嫌いな質問。
ーその本、面白い?どうだった?
小さい頃は得意げに出てきた言葉たちは歳を重ねるにつれて稚拙さを増して、
それがなんだか作者さんに申し分けなくて、何も言えなくなってしまいました。
ーえ、何青春もの?いいねえ
ああ違う。そんな言葉で括れる本じゃないんです。
ーまあそんな感じ(笑)読んでみて
結局、逃げてしまう。
少し言い訳をさせてほしい。文章はあまりにも不完全なんです。
読む人それぞれで見え方の違うそれの魅力を不特定多数に語ることなんて、できない。
本屋に置かれたポップに書かれた言葉が脳を撫でる。
小さい頃楽しんで読んでいた本は今読むとただの安っぽい言葉の集合体にしか感じられないし、今胸を掴んでやまないあの本もいつか記憶の中で塗り替えられていく。
本は、素敵なんです。
それだけでいいじゃないですか。
ああこの本いいよねって言葉に、うん。いいよねと返せる人がどこかにいてくれますように
青と日焼け止め
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