恋に恋してかわいい女の子

こい

濃い

ころんってかわいい癖にやけに甘ったるくて離してくれない
小学生のころ、恋してる自分が好きでした。

友達と小声で話す恋バナ
席替えのたびに交わされる目配せ
隣にくっついた机

好きは、多分とても軽かった。
すぐ好きになって実ったとしても何をするわけでもなく、少女漫画みたいに手を繋ぐことすらなんだか躊躇われて。
一番上澄みで純度の高いあの頃の恋をしている頃の私はきっと一番可愛かったと思う。

可愛くなりたくて友達とこっそり買った匂い付きのリップ
教室の隅で器用に折り紙を折る彼に近づきたくて折ったうさぎ
少しうわずった声
日直いつかぶるかななんて期待して男女で二つずれた人数比に感謝して
淡いまま、淡いまま。

いつからか
ちゃんと恋をするようになって
酔うようになった
何にかわからないまま
あの頃のように真水のように透き通った水面をすいすいつま先ではじくような恋はきっとできない
水底に沈んで泡を吐き出して溶けている恋も
まあきっと
悪くない

恋に恋して
脳が溶けそうな感覚を
きっと可愛さと人は言うの
だとするなら

きっと君はかわいい

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