ことばを編む

辞書は編むって言うんです。書くって言いません。
辞書編んで欲しいって言われたら軽率に惚れちゃうかもしれない。
あんでほしい。きゅん!
(失礼致しました)

言葉を結んで解いて寄り集まって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながる。大好きな君の名はの言葉をふっと思い出します。

 辞書編みたい!って思ったのは去年「船を編む」って小説を読んだ時から。海って言葉をなんて表す?って辞書編集を任された主人公たちが悩むシーンで私も考えようとして不思議!できない!ってことに気づいた。慌てて辞書で調べたら地球上の陸地でない部分で、全体が一続きになって塩水をたたえている所って書いてあった。何とまあまどろっこしい書き方!でもこうでもしないと池だの湖だのとごっちゃになるから何とも言えないなあと思った。でも私がもし小学生で辞書を引いたら絶対わからないと思う。せめて写真でも載っけて欲しい。あ、今時の子は辞書なんて引かないのか…Googleだもんね、時代だなあ…   

 だからもし自分で辞書を編むってなったら視覚とか聴覚とか嗅覚とか使って感じられる辞書だったらいいのになって思う。辞書は言葉の地図だから。逆に一つの言葉だけに関してすごく深掘りする本があってもいいのにって思う。

 例えば「あおい」って言葉にも何千というイメージ、意味があって青いと蒼いは違うし葵って言われたら私なんかは源氏物語彷彿としちゃうし、あおいといえばで想定するものも海だったり空だったりはたまたターコイズだったり。一つの言葉から無限に広がる世界の一部を一冊に収めちゃう、みたいな。そうするとまあ、シリーズ化したら大変だろうなあ、、、でも写真部の人とか協力してもらったら面白そう!いつかやってみたいな…大人になってからそういうお仕事するのもありかも?なんて。

 辞書の紙って吸い付くようにできてるの、知ってました?あれも各社のこだわりどころで製紙の担当さんと何回も打ち合わせしてるの。捲りやすくて吸い付くみたいだけど捲りすぎないように、とかあえて柔らかさを控えめにしたりとか。あの薄さってね、単純に単価下げるためじゃないの。インクの写り加減もそう。サイズもそう。

 調べてる時のワクワクとか本来調べるはずじゃなかった言葉に妙に惹かれたりとか。辞書ってロマンスなんです。言葉と一つ出会うたびに広がる世界。
その言葉を自分の色に染めて編みたい。


そしたらさ、冬も寒くないでしょ?


おあとがよろしいようで

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