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【創作詩】桜の下に埋めたのに


地面を覆う花弁を集め
小山のように高く盛った。

あの子からもらった
いくつかの思い出を
葬るためのお墓のように。


あの子から
もらったいくつかの宝物。

一言二言書かれただけの
メモのような短い手紙。

いいなと言ったらあげるとくれた
ツルツルのおはじきと
お菓子の消しゴム。

僕をかたどったという
紙粘土で作った小さな人形。

全部全部、今日捨てる。

あの子と一緒だった時は
とても嬉しかった宝物。

あの子が居なくなった今は
目にするだけで辛いから。

ゴメンね。でも、もう捨てる。

火で焼くことも
ゴミ箱に捨てることも
土に埋めることもできないから

あの子にもらった思い出を
せめて汚さないように
綺麗な花びらの下に隠すように
僕はそれらを葬った。


雪のように高く積もった
白い花弁の墓の下
思い出たちは隠されて
僕の目にはもう映らない。


それなのに
もうここには居ないあの子が
なぜだろう。

まるですぐ傍で見ている気がした。

手紙もおはじきも消しゴムも人形も
形あるものは全部全部
桜の下に埋めたのに。


目に涙が浮かぶほど
思い出すことが辛いのに
形の無い面影だけがなぜか
瞼を閉じても消えてくれない。


🍀あとがき🍀

清世さんのお題絵

先日たまたま拝見したこちらの絵に、とても惹かれたので詩にしました。

普段は誰かへのメッセージか独り言のような詩を書くことが多いので、久しぶりに架空の物事について想像を巡らすという、純粋な創作の喜びを味わえて、とても楽しかったです。

普段交流の無い相手でも飛び入りOKと、素晴らしい機会をくださった清世さん、いつもとは違う内容にも関わらず、最後までご覧くださった皆さん、どちらもありがとうございました。


🌸最後までご覧くださり、ありがとうございました🌸